2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧
氷室冴子の捧腹絶倒エッセイが復刊! 1993年刊行作品。集英社のPR誌「青春と読書」に連載されていたものをまとめたもの。タイトルは「さえこのははこぐさ」と読む。氷室冴子(ひむろさえこ)のエッセイ作品としては七冊目の作品となる。イラストは宇田川のり…
超豪華特急を舞台とした架空世界モノ 2005年刊行作品。夢の超豪華特急を舞台とした架空世界モノ。この手の架空世界の設定造りがこの作家はホントに大好き。 本作は19世紀のイギリス的な世界観をベースに、故国を失った少年少女たちが、国の命運をかけて大国…
続篇グインサーガの書き手としてばかり、五代ゆうを取り上げてきたが、彼女は国産ファンタジーの書き手としても以前より実績のある作家である。ここで改めて代表作の一つ『<骨牌使い>の鏡』を紹介しておこう。 五代ゆうの代表作 2000年刊行作品。「骨牌使い…
木下昌輝のデビュー作 作者の木下昌輝(きのしたまさき)は1974年生まれ。本作『宇喜多の捨て嫁』がオール讀物新人賞を受賞してデビュー。2014年刊行で、第152回直木賞候補作(西加奈子『サラバ!』が受賞した)。その他に、歴史時代作家クラブ賞、舟橋聖一…
豪華なラインナップのミステリアンソロジー 2001年刊行。講談社文庫創刊30周年を記念して企画された、書き下ろしアンソロジー作品である。書き手は有栖川有栖、恩田陸、加納朋子、貫井徳郎、法月綸太郎と、記念企画だけに豪華な顔ぶれだ。 タイトルからも想…
夏を舞台とした傑作小説15選 夏になると、各出版社の夏のフェアが開催されて、書店の棚がにぎやかになりますね。 ということで、このブログでも夏のフェアをやりたい!ということで、当ブログでご紹介してきた800冊以上の作品の中から、「夏を舞台」とした作…
2000年版「このミス」海外部門で第三位 1999年刊行。トマス・H・クック(Thomas H. Cook)は1947年生まれのアメリカ人作家。本作が12作目。オリジナルの米国版1995年の刊行。原題は「Breakheart Hill」である。2000年版「このミス」海外部門で第三位に入った作…
ファンタジーノベル大賞の投稿常連だった沢村凛 1998年刊行作品。第10回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。 ちなみにこの年の大賞は山之口洋の『オルガニスト』で、もう一作の優秀賞は涼元悠一の『青猫の街』。 文庫版は何故か新潮社からは…
阿部暁子初の一般レーベル作品 2018年刊行作品。集英社文庫での描き下ろしである。 作者の阿部暁子(あべあきこ)は1985年生まれ。これまで集英社コバルト文庫や、オレンジ文庫で作品を上梓して来た阿部暁子としては、初の一般向けレーベルからの作品刊行と…
『隷王戦記』の森山光太郎が描いた鎌倉モノ。 源範頼が主人公なので、蒲殿ファンの方は必読です。「鎌倉殿」との解釈の違いも楽しい。 #読了
フランスで110万部売れたベストセラー作品 2022年刊行作品。加藤かおり訳。オリジナルのフランス版は2020年に発売されていて原題は『L’Anomalie』。作者のエルヴェ・ル・テリエ(Hervé Le Tellier)は、1957年生まれのフランス人作家。ジャーナリスト、数学者…
「孤児」シリーズ、「館」シリーズと続いてきた、佐々木丸美(ささきまるみ)作品の全作レビューだが、本日は「館」シリーズのスピンアウト的な作品である「伝説」シリーズから、『榛(はしばみ)家の伝説』をお届けしたい。 前作である『橡家の伝説』の内容…
ノベルス版の表紙は特殊なデザインだった 2004年刊行作品。『アイルランドの薔薇』『月の扉』に続く石持浅海(いしもちあさみ)の三作目である。 本作のノベルス版の装丁はちょっと凝っていた。全体の2/3を帯が覆っていて、これを外すとカバーは真っ白。実質…
「イリヤっぽい話」として書かれた作品 2005年刊行作品。作品単位で考えると、『E.G.コンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』『イリヤの空 UFOの夏』に続く、秋山瑞人(あきやまみずひと)の五作目の作品になる。 また夏のボーイミーツガールも…
杉井光が描く、忘れられない夏の物語 2022年刊行作品。書き下ろし。作者の杉井光(すぎいひかる)は1978年生まれの小説家。第12回の電撃小説大賞で銀賞を取った2006年の『火目の巫女(ひめのみこ)』がデビュー作。多作で知られる人物で、これまでに三十作近…
斉藤直子のデビュー作 2000年刊行作品。第12回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。作者の斉藤直子(さいとうなおこ)は1966年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。 ちなみにこの年はファンタジーノベル大賞の「大賞」は該当作なし。優秀賞…
有川浩、初の非メディアワークス作品 2006年刊行作品。有川浩(現在は「有川ひろ」)の六作目。自衛隊三部作(『塩の街』『空の中』『海の底』)、図書館戦争シリーズ(『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』『図書館革命』)と、デビュー以来、すべて…
本日ご紹介するのは 佐々木丸美の「館」シリーズの外伝的な作品、『橡家の伝説』である。「館」シリーズについてもネタバレしているので、未読の方はお気をつけ頂きたい。 「伝説」シリーズの一作目 1982年刊行作品。『橡(つるばみ)家の伝説』は佐々木丸美…
コミック誌に連載されていた西尾維新作品 2007年刊行作品。西尾維新のJDCトリビュートシリーズの第二弾。講談社のコミック誌、月刊少年シリウスに2005年7月から2005年12月まで、連載されていた内容をまとめたものである。え?小説なのにコミック誌に連載?と…
「隷王戦記」シリーズの最終巻 2022年4月刊行作品。『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』『隷王戦記2 カイクバードの裁定』に続く、「隷王戦記」シリーズの完結編となる。 表紙イラストは引き続き、風間雷太(かざまらいた)が担当している…
加納新太版の『秒速5センチメートル』ノベライズ 新海誠監督『秒速5センチメートル』のノベライズ小説については、以前に感想を書いた。こちらは監督の新海誠自身が手掛けたノベライズ作品であったが、『秒速5センチメートル』については、もう一冊全く別…