ネコショカ

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ミステリ

『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』シオドラ・ゴス ヴィクトリア朝時代のガールズトークが楽しい!

「アテナ・クラブの驚くべき冒険」シリーズの一作目 2020年刊行作品。作者のシオドラ・ゴス(Theodora Goss)は1968年生まれ。ハンガリー出身のアメリカ人作家である。 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』は、オリジナルの米国版が2017年に…

『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀 二人殺せば地獄行きの世界で連続殺人は可能か?

斜線堂有紀、初のハードカバー作品? 2020年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は1993年生まれ。『キネマ探偵カレイドミステリー』で電撃小説大賞の「メディアワークス文庫賞」を受賞し、2017年に作家デビューを果たしている。 当初はメディ…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 落ちる天使の謎』木元哉多 落ちてくる美少女は死亡フラグ

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの五作目 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全巻読破企画の五回目。 本作は2019年に刊行されている。木元哉多(きもとかなた)の五作目の作品である。デビュー二年で五冊刊行とはあいかわらず凄まじい執筆速度である。一…

『むかしむかしあるところに、死体がありました。』青柳碧人

2020年本屋大賞の第10位! 2019年刊行作品。筆者の青柳碧人(あおやぎあいと)は1980年生まれ。2009年に数学を題材としたミステリ『浜村渚の計算ノート』で、講談社Birth小説部門を受賞し小説家デビューを果たしている。デビューしてからの十年で、作品数は3…

『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~』野崎まど 不死は存在するのか?

野崎まどの第三作 2010年刊行作品。野崎まどとしては、『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』に続く三作目の作品である。 その後、野崎まどが売れっ子になるに伴い、2019年に新装版が登場している。現在買うならこちら。 死なない生徒殺人事件 ~識別組…

『少年検閲官』北山猛邦 本がこの世から消えた世界で

少年検閲官シリーズの一作目 2007年刊行作品。作者の北山猛邦(きたやまたけくに)とは1979年生まれ。デビュー作は2002年刊行、第24回のメフィスト賞を受賞した『「クロック城」殺人事件』である。その後、城シリーズとして『「瑠璃城」殺人事件』『「アリス…

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 原作、映画版、オーディブル版のネタバレ感想

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」のネタバレ感想。静岡県小説、80年代小説としての特徴について書いてみた。 原作とラストが違う映画版、更にオーディブル(オーディオドラマ)版の感想もあります。

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム』木元哉多 沙羅ちゃんの日常が明らかに!

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの四作目 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全巻読破企画の四回目をお届けしたい。 本作は2018年刊行作品。木元哉多(きもとかなた)の四作目の作品である。この作家のデビュー年は2018年なので、なんとこの時点で四冊目…

『蜜の森の凍える女神』関田涙 第28回のメフィスト賞受賞作&ヴィッキーシリーズ三部作

当ブログ開始初期からの不定期連載企画、メフィスト賞作品、全作感想書くぞシリーズも今回で31作目。メフィスト賞は現在第62回まで開催されているので(2020年8月現在)、これでようやく半分。先が長すぎる! 本日、第28回のメフィスト賞受賞作、関田涙『蜜…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット』木元哉多 どうして彼は殺されたのか?

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの三作目 2018年刊行作品。先月から開始した「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全作読破企画の三回目である。作者の木元哉多(きもとかなた)としてもこれが三作目。2018年はこのシリーズ、いきなり四冊も刊行されているん…

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 ラスト一行の衝撃にこだわった連作短編集

ラスト一行で落ちるミステリは本書だけ! 2008年刊行作品。新潮社の文芸誌『小説新潮』に掲載された4編に、書下ろし1編を加えて上梓されたもの。 単行本版の帯には以下のような記載がある。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…

『告白』湊かなえは、デビュー作から凄かった!(映画版の感想つき)

湊かなえのデビュー作『告白』のあらすじと、ネタバレ感想、考察。350万部も売れた大ベストセラーで、2009年の本屋大賞受賞作。 松たかこ主演、中島哲也監督の映画版についても感想と、キャスト一覧を記載しています。 本作では異なる人物の「告白」によって…

『夏の王国で目覚めない』彩坂美月 ひと夏のクローズドサークルツアー

彩坂美月の第三作、本格ミステリ大賞の候補作 2011年刊行作品。作者の彩坂美月(あやさかみつき)は1981年生まれのミステリ作家。デビュー作は2009年の『未成年儀式』(富士見ヤングミステリー大賞に準入選、後に改稿改題の上で『少女は夏に閉ざされる』とし…

『半身』サラ・ウォーターズ ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台とした傑作ミステリ

2003年の翻訳ミステリ界を制した傑作 2003年刊行作品。オリジナルは1999年にイギリスで出版されている。原題は『Affinity』。作者のサラ・ウォーターズはヴィクトリア期のイギリスを舞台とした作品を得意としており本作がデビュー二作目。 このミス2004年版海…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室』木元哉多 めんどくさい男たちVS沙羅ちゃん

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの二作目 2018年刊行作品。先日紹介した木元哉多(きもとかなた)による『閻魔堂沙羅の推理奇譚』シリーズの第二作である。 あらすじ 殺人事件の捜査中、事件の核心に迫る寸前に刺殺された刑事。ゆすり屋稼業で荒稼ぎした男…

『ルピナス探偵団の憂愁』津原泰水 時系列遡り形式の連作短編集

「ルピナス探偵団」シリーズの第二作! 2007年刊行作品。2004年の『ルピナス探偵団の当惑』に続く、津原泰水(つはらやすみ)の「ルピナス探偵団」シリーズの第二作である。 単行本版は2007年に登場。 ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ) 作者:津…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚』木元哉多 第55回メフィスト賞受賞作品 シリーズ一作目!

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの一作目 2018年刊行作品。第55回メフィスト賞受賞作品。「閻魔堂沙羅の推理奇譚(えんまどうさらのすいりきたん)」は木元哉多(きもとかなた)のデビュー作である。イラストは望月けいが担当している。 一昔前であれば、…

『#柚莉愛とかくれんぼ』真下みこと 第61回メフィスト賞受賞作

真下みことのデビュー作 2020年刊行作品。第61回メフィスト賞受賞作。作者の真下(ました)みことは1997年生まれの女性作家。講談社BOOK倶楽部掲載のプロフィールによると、現役の大学生(2020年2月時点)とのこと。 おススメ度、こんな方におススメ! おす…

『白の闇』ジョセ・サラマーゴ ノーベル賞作家が描く視力を奪う感染症の恐怖

ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…

『犬はどこだ』米澤穂信 犬を探す探偵の物語 

米澤穂信初の大人が主人公の作品 2005年刊行。東京創元社のミステリフロンティアシリーズの一作として登場。2006年版「このミス」国内部門第八位にランクインした作品。 紺屋S&Rシリーズの第一弾、ではあるが、今のところ第二弾は出ていない。 米澤穂信の六…

『悪いものが、来ませんように』芦沢央 巧妙な仕掛けと最後に気付かされるタイトルの意味

芦沢央(あしざわよう)『悪いものが、来ませんように』のあらすじと、ネタバレ感想。 「ここに騙された!」伏線ポイントについて書いてみました。

『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水 ティーンズハートレーベルから復活した本格ミステリ

津原やすみ時代に書かれた作品をリライト 津原泰水(つはらやすみ)のデビュー作は1989年の講談社X文庫ティーンズハートの『星からきたボーイフレンド』である。当時は津原やすみ名義で作品を刊行していた。 もともと少女小説の書き手であったこの作家が、同…

『ライオンハート』恩田陸 時空を超えて何度も廻り逢う男女の物語

20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…

『空の中』有川浩(ひろ)の第二作品は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 2004年刊行作品。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書である。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品と言うと、一般的には『図書館戦…

『紅玉の火蜥蜴』秋月涼介 連続放火殺人を追うミッシングリンクモノ

秋月涼介の第三作 2004年刊行作品。第20回のメフィスト賞受賞作品であった『月長石の魔犬』、第二作である『迷宮学事件』に続く、秋月涼介の三作目の作品である。内容的には『月長石の魔犬』の続編に相当する。 石細工屋の風桜青紫(かざくらせいし)、解剖…

『赤ちゃんをさがせ』青井夏海 助産師が主人公の安楽椅子探偵モノ

青井夏海の実質的なデビュー作? 2001年10月刊行作品。作者の青井夏海(あおいなつみ)は1960年生まれ。デビュー作は1994年の『スタジアム 虹の事件簿』だが、これはもともと自費出版作品(2001年4月に創元推理文庫入りしたが)であった。 ということなので…

『カルチェ・ラタン』佐藤賢一 16世紀のパリを舞台とした連作短編小説

16世紀のパリを舞台とした成長物語 2000年作品。佐藤賢一、七作目の作品。お得意のフランスモノである。 カルチェ・ラタン 作者:佐藤 賢一 発売日: 2000/05/02 メディア: 単行本 集英社文庫版ハ2003年に刊行されている。 不勉強にして知らなかったのだが、本…

『バベル消滅』飛鳥部勝則 殺人現場に残された「バベルの塔」の謎

飛鳥部勝則の第二作 1999年刊行作品。『殉教カテリナ車輪』に続く飛鳥部勝則(あすかべ かつのり)の第二作である。前作は第9回の鮎川哲也賞を授賞しており、本作は授賞後第一作となる。 バベル消滅 (書き下ろし新本格ミステリー) 作者:飛鳥部 勝則 メディ…

米澤穂信『さよなら妖精』ネタバレ考察、新装版収録『花冠の日』感想付

もともとは「古典部」シリーズの一作として刊行される予定だった、米澤穂信『さよなら妖精』を完全ネタバレ考察。 新装版にのみ収録されている短編『花冠の日』についても感想を書きました。