ネコショカ

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ブックレコメンドへの寄稿始めました

ミステリ

『#柚莉愛とかくれんぼ』真下みこと 第61回メフィスト賞受賞作

真下みことのデビュー作 2020年刊行作品。第61回メフィスト賞受賞作。作者の真下(ました)みことは1997年生まれの女性作家。講談社BOOK倶楽部掲載のプロフィールによると、現役の大学生(2020年2月時点)とのこと。 おススメ度、こんな方におススメ! おす…

『白の闇』ジョセ・サラマーゴ ノーベル賞作家が描く視力を奪う感染症の恐怖

ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…

『犬はどこだ』米澤穂信 犬を探す探偵の物語 

米澤穂信初の大人が主人公の作品 2005年刊行。東京創元社のミステリフロンティアシリーズの一作として登場。2006年版「このミス」国内部門第八位にランクインした作品。 紺屋S&Rシリーズの第一弾、ではあるが、今のところ第二弾は出ていない。 米澤穂信の六…

『悪いものが、来ませんように』芦沢央 巧妙な仕掛けと最後に気付かされるタイトルの意味

芦沢央(あしざわよう)『悪いものが、来ませんように』のあらすじと、ネタバレ感想。 「ここに騙された!」伏線ポイントについて書いてみました。

『ルピナス探偵団の当惑』津原泰水 ティーンズハートレーベルから復活した本格ミステリ

津原やすみ時代に書かれた作品をリライト 津原泰水(つはらやすみ)のデビュー作は1989年の講談社X文庫ティーンズハートの『星からきたボーイフレンド』である。当時は津原やすみ名義で作品を刊行していた。 もともと少女小説の書き手であったこの作家が、同…

『ライオンハート』恩田陸 時空を超えて何度も廻り逢う男女の物語

20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…

『空の中』有川浩(ひろ)の第二作品は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 2004年刊行作品。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書である。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品と言うと、一般的には『図書館戦…

『紅玉の火蜥蜴』秋月涼介 連続放火殺人を追うミッシングリンクモノ

秋月涼介の第三作 2004年刊行作品。第20回のメフィスト賞受賞作品であった『月長石の魔犬』、第二作である『迷宮学事件』に続く、秋月涼介の三作目の作品である。内容的には『月長石の魔犬』の続編に相当する。 石細工屋の風桜青紫(かざくらせいし)、解剖…

『赤ちゃんをさがせ』青井夏海 助産師が主人公の安楽椅子探偵モノ

青井夏海の実質的なデビュー作? 2001年10月刊行作品。作者の青井夏海(あおいなつみ)は1960年生まれ。デビュー作は1994年の『スタジアム 虹の事件簿』だが、これはもともと自費出版作品(2001年4月に創元推理文庫入りしたが)であった。 ということなので…

『カルチェ・ラタン』佐藤賢一 16世紀のパリを舞台とした連作短編小説

16世紀のパリを舞台とした成長物語 2000年作品。佐藤賢一、七作目の作品。お得意のフランスモノである。 カルチェ・ラタン 作者:佐藤 賢一 発売日: 2000/05/02 メディア: 単行本 集英社文庫版ハ2003年に刊行されている。 不勉強にして知らなかったのだが、本…

『バベル消滅』飛鳥部勝則 殺人現場に残された「バベルの塔」の謎

飛鳥部勝則の第二作 1999年刊行作品。『殉教カテリナ車輪』に続く飛鳥部勝則(あすかべ かつのり)の第二作である。前作は第9回の鮎川哲也賞を授賞しており、本作は授賞後第一作となる。 バベル消滅 (書き下ろし新本格ミステリー) 作者:飛鳥部 勝則 メディ…

米澤穂信『さよなら妖精』ネタバレ考察、新装版収録『花冠の日』感想付

もともとは「古典部」シリーズの一作として刊行される予定だった、米澤穂信『さよなら妖精』を完全ネタバレ考察。 新装版にのみ収録されている短編『花冠の日』についても感想を書きました。

『リカーシブル』米澤穂信 崩壊していく家族と残された絆

米澤穂信二年ぶりの長編作品(当時) 2013年刊行作品。『小説新潮』に2011年12月号から2012年8月号に連載されていた作品を単行本化したもの。 「週刊文春ミステリーベスト10」2013年で第18位、「このミステリーがすごい!」2014年および「本格ミステリ・ベス…

『スクランブル』若竹七海 1980年代の女子校文芸部が舞台のミステリ作品

若竹七海の初期作品 作者の若竹七海(わかたけななみ)は1963年生まれ。1991年に『ぼくのミステリな日常』でデビューしているから、来年でデビュー30周年!現在に至るまでコンスタントに作品を書き続けている。代表作はドラマ化までされてしまった「葉村晶」…

『エピデミック』川端裕人と感染症を描いた小説9選

川端裕人による伝染病パニック小説 2007年刊行作品。作者の川端裕人(かわばたひろと)は1964年生まれ。小説家としてのデビュー作は1998年の『夏のロケット』だが、それ以前に1995年にノンフィクション作家としてのデビュー作『クジラを捕って、考えた』があ…

『こわれもの』浦賀和宏 終盤の怒涛の展開に驚かされる一作

浦賀和宏の初徳間作品 2002年刊行作品。本作はトクマ・ノベルズのための書き下ろし作品である。 文庫化されたのはかなり後のことで、徳間文庫版は2013年になってやっと刊行された。 こわれもの (徳間文庫) 作者:浦賀 和宏 発売日: 2013/05/02 メディア: 文庫…

『天帝のつかわせる御矢』古野まほろ シリーズ第二弾は豪華列車内での密室殺人事件

「天帝」シリーズ第二弾! 2007年刊行作品。古野まほろの「天帝」シリーズ第二作である。 天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス) 作者: 古野まほろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/06/08 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブ…

『理由』宮部みゆき 六度目の正直での直木賞受賞作

宮部みゆきの直木賞受賞作 1998年刊行作品。「朝日新聞」夕刊に1996年~1997年にかけて連載されていた作品を加筆したうえで刊行したもの。 第120回直木三十五賞受賞作。更に同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内編一位。「このミステリーがすごい!」国…

『リロ・グラ・シスタ』詠坂雄二 KAPPA-ONE登龍門の最終受賞作

詠坂雄二のデビュー作 2007年刊行作品。光文社版のメフィスト賞とも言える、公募新人賞KAPPA-ONE登龍門(かっぱわんとうりゅうもん)受賞作である。KAPPA-ONE登龍門は2002年にスタートし、石持浅海『アイルランドの薔薇』、東川篤哉『密室の鍵貸します』らを…

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 謎解きが先か、火事から逃げるのが先か

阿津川辰海の三作目 2019年刊行作品。『名探偵は嘘をつかない』『星詠師の記憶』に続く、阿津川辰海(あつかわ たつみ)の三作目。 阿津川辰海は1994年生まれ。光文社の新人発掘プロジェクト「KAPPA-TWO(カッパツー)」出身の作家である。デビューした光文…

『ボトルネック』米澤穂信の「20代の「葬送」」として書かれた作品

米澤穂信『ボトルネック』あらすじとネタバレ感想です。「夢の剣」の意味、川守の正体、主人公の最後の選択について考察、検証しています。 古典部、小市民シリーズなどの感想も書いてます。

『天帝のはしたなき果実』古野まほろ 第35回メフィスト賞受賞作

読み手を選ぶ「愛すべき地雷」 2007年刊行作品。第35回メフィスト賞受賞作。古野まほろのデビュー作である。 故人となった新本格の父宇山日出臣が最後に推した一冊がこれ。金帯に宇山日出臣の「薦」付きとは歴代メフィスト作家の中でもかなり優遇されている…

『鴉(からす)』麻耶雄嵩 メルカトル鮎が格好いい!!

「本格ミステリ・ベスト10」で第1位! 1997年刊行作品。1998年版の「このミステリーがすごい!」の国内編で16位、「本格ミステリ・ベスト10」では1位に輝いた作品である。銘探偵メルカトル鮎が登場する長編作品としては、1991年の『翼ある闇』、 1993年の『夏…

『チョコレートコスモス』恩田陸 続篇の『ダンデライオン』はいつ出るの!!

続きが気になる未完シリーズの第一作 2006年刊行作品。サンデー毎日の2006年6月27日号から2005年8月7日号にかけて連載された作品を単行本化したもの。さまざまな媒体で連載を持ったことのある恩田陸だけど、週刊誌連載はこれが初めてかな? チョコレートコス…

『いざ言問はむ都鳥』澤木喬と「創元ミステリ'90」

「創元ミステリ'90」の一作として 1991年刊行作品。作者の澤木喬(さわききょう)は1961年生まれ。単行本版の帯に「才媛」とあるので性別は女性かと思われる。「創元ミステリ'90」の一冊としての登場であった。 いざ言問はむ都鳥 (創元ミステリ’90) 作者:沢…

『罪の声』塩田武士 グリコ森永事件をベースとした社会派ミステリの傑作

塩田武士の代表作 2016年刊行作品。2017年本屋大賞で3位、2016年度の週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、第7回山田風太郎賞の受賞作品である。 作者の塩田武士(しおたたけし)は1979年生まれ。2001年の『盤上のアルファ』がデビュー作。前職は新聞記者…

『殉教カテリナ車輪』飛鳥部勝則 図像学×ミステリの面白さ

飛鳥部勝則の第一作品 1998年刊行作品。第九回鮎川哲也賞受賞作品。飛鳥部勝則(あすかべかつのり)のデビュー作である。宝島社の99年版「このミステリーがすごい!」では国内部門の12位、「本格ミステリ・ベスト10」で3位にそれぞれランクインしている。 作…

『螢』麻耶雄嵩 ファイアフライ館に行ってみたい!

2005年本格ミステリ・ベスト10で第3位 2004年刊行作品。このミス2005年版国内第11位、本格ミステリ・ベスト10では3位にランクインされている。同年に刊行された作品としては『名探偵木更津悠也』がある。 本作は麻耶雄嵩(まやゆたか)作品ではあるがメルカ…

『熊の場所』初の短編集、ミステリのくびきから解き放たれた舞城王太郎

舞城王太郎の四作目 2002年刊行。「群像」掲載の二作に書き下ろし(「ピコーン!」)を加えて単行本化したもの。作中の短編「熊の場所」は第15回の三島由紀夫賞の候補作品である。 舞城王太郎(まいじょうおうたろう)としては、『煙か土か食い物』『暗闇の中…

『遠い約束』光原百合 ミステリへの愛を感じる連作短編集

光原百合の第二作 2001年刊行作品。作者の光原百合(みつはらゆり)は1964年生まれ。本職は尾道市立大学芸術文化学部日本文学科の教授職である。 研究者として活躍しながらも、長期にわたり執筆活動を継続している。デビュー作は1989年の詩集『道』。その後…