ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

ミステリ

『リロ・グラ・シスタ』詠坂雄二 KAPPA-ONE登龍門の最終受賞作

詠坂雄二のデビュー作 2007年刊行作品。光文社版のメフィスト賞とも言える、公募新人賞KAPPA-ONE登龍門(かっぱわんとうりゅうもん)受賞作である。KAPPA-ONE登龍門は2002年にスタートし、石持浅海『アイルランドの薔薇』、東川篤哉『密室の鍵貸します』らを…

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 謎解きが先か、火事から逃げるのが先か

阿津川辰海の三作目 2019年刊行作品。『名探偵は嘘をつかない』『星詠師の記憶』に続く、阿津川辰海(あつかわ たつみ)の三作目。 阿津川辰海は1994年生まれ。光文社の新人発掘プロジェクト「KAPPA-TWO(カッパツー)」出身の作家である。デビューした光文…

『ボトルネック』米澤穂信の「20代の「葬送」」として書かれた作品

米澤穂信『ボトルネック』あらすじとネタバレ感想です。「夢の剣」の意味、川守の正体、主人公の最後の選択について考察、検証しています。 古典部、小市民シリーズなどの感想も書いてます。

『天帝のはしたなき果実』古野まほろ 第35回メフィスト賞受賞作

読み手を選ぶ「愛すべき地雷」 2007年刊行作品。第35回メフィスト賞受賞作。古野まほろのデビュー作である。 故人となった新本格の父宇山日出臣が最後に推した一冊がこれ。金帯に宇山日出臣の「薦」付きとは歴代メフィスト作家の中でもかなり優遇されている…

『鴉(からす)』麻耶雄嵩 メルカトル鮎が格好いい!!

「本格ミステリ・ベスト10」で第1位! 1997年刊行作品。1998年版の「このミステリーがすごい!」の国内編で16位、「本格ミステリ・ベスト10」では1位に輝いた作品である。銘探偵メルカトル鮎が登場する長編作品としては、1991年の『翼ある闇』、 1993年の『夏…

『チョコレートコスモス』恩田陸 続篇の『ダンデライオン』はいつ出るの!!

続きが気になる未完シリーズの第一作 2006年刊行作品。サンデー毎日の2006年6月27日号から2005年8月7日号にかけて連載された作品を単行本化したもの。さまざまな媒体で連載を持ったことのある恩田陸だけど、週刊誌連載はこれが初めてかな? チョコレートコス…

『いざ言問はむ都鳥』澤木喬と「創元ミステリ'90」

「創元ミステリ'90」の一作として 1991年刊行作品。作者の澤木喬(さわききょう)は1961年生まれ。単行本版の帯に「才媛」とあるので性別は女性かと思われる。「創元ミステリ'90」の一冊としての登場であった。 いざ言問はむ都鳥 (創元ミステリ’90) 作者:沢…

『罪の声』塩田武士 グリコ森永事件をベースとした社会派ミステリの傑作

塩田武士の代表作 2016年刊行作品。2017年本屋大賞で3位、2016年度の週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、第7回山田風太郎賞の受賞作品である。 作者の塩田武士(しおたたけし)は1979年生まれ。2001年の『盤上のアルファ』がデビュー作。前職は新聞記者…

『殉教カテリナ車輪』飛鳥部勝則 図像学×ミステリの面白さ

飛鳥部勝則の第一作品 1998年刊行作品。第九回鮎川哲也賞受賞作品。飛鳥部勝則(あすかべかつのり)のデビュー作である。宝島社の99年版「このミステリーがすごい!」では国内部門の12位、「本格ミステリ・ベスト10」で3位にそれぞれランクインしている。 作…

『螢』麻耶雄嵩 ファイアフライ館に行ってみたい!

2005年本格ミステリ・ベスト10で第3位 2004年刊行作品。このミス2005年版国内第11位、本格ミステリ・ベスト10では3位にランクインされている。同年に刊行された作品としては『名探偵木更津悠也』がある。 本作は麻耶雄嵩(まやゆたか)作品ではあるがメルカ…

『熊の場所』初の短編集、ミステリのくびきから解き放たれた舞城王太郎

舞城王太郎の四作目 2002年刊行。「群像」掲載の二作に書き下ろし(「ピコーン!」)を加えて単行本化したもの。作中の短編「熊の場所」は第15回の三島由紀夫賞の候補作品である。 舞城王太郎(まいじょうおうたろう)としては、『煙か土か食い物』『暗闇の中…

『遠い約束』光原百合 ミステリへの愛を感じる連作短編集

光原百合の第二作 2001年刊行作品。作者の光原百合(みつはらゆり)は1964年生まれ。本職は尾道市立大学芸術文化学部日本文学科の教授職である。 研究者として活躍しながらも、長期にわたり執筆活動を継続している。デビュー作は1989年の詩集『道』。その後…

『黒祠の島』小野不由美 閉ざされた島で起きる猟奇殺人

明治の寺社統制に背いた島の物語 2001年刊行作品。まずは祥伝社のノン・ノベルから新書版で登場。 黒祠の島 (ノン・ノベル) 作者:小野 不由美 メディア: 新書 2004年に祥伝社文庫版が登場した。 黒祠の島 (祥伝社文庫) 作者:小野 不由美 発売日: 2004/06/01 …

『巴里マカロンの謎』米澤穂信 11年ぶりの「小市民」シリーズ続巻

小鳩くんと、小佐内さんに久しぶりに会える! 2020年刊行作品。『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』に続く、米澤穂信の「小市民」シリーズ四作目。前作の『秋期限定栗きんとん事件』が2009年の作品だか…

『罪・万華鏡』佐々木丸美 罪はいつも善の影、人間心理の不可解さを描く

最後から二番目の佐々木丸美作品 1983年刊行作品。佐々木丸美の16作目。佐々木丸美の作品は17作しかないので、最後から二番目、最後期の作品ということになる。 罪・万華鏡 作者:佐々木 丸美 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1983/10 メディア: 単行本 この…

『凶手』アンドリュー・ヴァクス 行間から溢れる狂おしいまでの哀しみ

男と女のロマン・ノワール 1994年刊行作品。オリジナルの米国版は1993年刊行。原題は『Shella』。 凶手 (Hayakawa Novels) 作者:アンドリュー ヴァクス 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1994/05 メディア: 単行本 かれこれ20年以上も前の作品ということに…

『秋期限定栗きんとん事件』「小市民」シリーズの三作目

本ブログは基本ネタバレありで書いている、今回は『秋期限定栗きんとん事件』だけでなく、『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』についても内容について触れているので、その点ご注意いただきたい。 米澤穂信の「小市民」シリーズ第…

『ミミズクとオリーブ』芦原すなお 香川県の料理が超美味そう!

「ミミズクとオリーブ」シリーズの一作目 作者の芦原すなおは1949年生まれ。もはや大ベテランの域に達している作家である。直木賞を取り映画化もされた『青春デンデケデケデケ』が特に知名度が高いだろうか。 本作は1996年刊行。その後1998年の『嫁洗い池』…

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信 「小市民」シリーズの二作目

米澤穂信の「小市民」シリーズ第二弾 2006年刊行作品。東京創元社の文芸誌『ミステリーズ!』に掲載された「シャルロットだけはぼくのもの」「シェイク・ハーフ」に書き下ろしとなる短編四作を加えて上梓されたもの。 『春期限定いちごタルト事件』に続くシリ…

『蒲生邸事件』宮部みゆき 普通の人間がまっとうに生きていくことで生まれる感動

SFにしてミステリ、宮部みゆきの20年過ぎても色褪せない名作 1996年作品。『蒲生邸事件』は「がもうていじけん」と読む。「サンデー毎日」に連載されていたもの。第18回(1997年)の日本SF大賞受賞作品。単行本版は毎日新聞社から。 蒲生邸事件 作者:宮部 み…

『聖遺の天使』三雲岳斗 探偵の名はレオナルド・ダ・ヴィンチ

三雲岳斗、初の一般レーベル作品 2003年刊行作品。双葉社のミステリ雑誌「小説推理」誌の2002年7月号から2003年4月号にかけて連載されていた作品を加筆修正の上で単行本したもの。 三雲岳斗(みくもがくと)って、電撃文庫や、角川スニーカー文庫みたいな、…

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信 「小市民」シリーズの一作目

米澤穂信「小市民」シリーズの一作目。あらすじ、各編ごとのネタバレ感想を収録。小鳩くんと小佐内さんが食べたスイーツのリスト。マンガ版の解説もあります。

『ネクロポリス』恩田陸 聖地アナザーヒルでは死者と再会できる

恩田陸最長クラスの大長編 2005年刊行作品。「小説トリッパー」の2001年冬季号から2005年春季号にかけて連載されていた作品を大幅に加筆修正の上で単行本化したもの。上下巻構成で総ページ数785ページは恩田作品中でも最長クラスの大ボリュームである。 恩田…

『名探偵木更津悠也』摩耶雄嵩 メルカトル鮎じゃない方

木更津悠也が登場する短編集 2004年刊行作品。光文社のミステリ専門誌「ジャーロ」等に掲載されていた作品をまとめたもの。麻耶雄嵩(まやゆたか)作品における名探偵木更津悠也の活躍を描く。 作者の麻耶雄嵩は1969年生まれ。1991年の『翼ある闇 メルカトル…

『いまさら翼といわれても』米澤穂信 古典部シリーズの六作目

六年ぶりの古典部シリーズ 2016年刊行作品。KADOKAWAの文芸誌、『野性時代』『文芸カドカワ』に掲載されていた短編作品をまとめたもの。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』に続く、古典部シリー…

『フレームアウト』生垣真太郎 第27回メフィスト賞受賞作品

生垣真太郎の第一作 2003年刊行。第27回のメフィスト賞受賞作品。生垣真太郎(いけがきしんたろう)のデビュー作である。メフィスト賞にしては、少し毛色の変わった(もともと変な話ばっかりだけど)お話。アメリカを舞台とし、外国人を主人公に据えた作品で…

『悪魔の涙』ジェフリー・ディーヴァーの非リンカーン・ライム作品

リンカーン・ライムもちょこっとだけ出てきた 2000年刊行作品。オリジナルの米国版は1999年刊行で原題は『The Devil's Teardrop』。ジェフリー・ディーヴァー作品としては、1998年の『コフィン・ダンサー』と、2000年の『エンプティー・チェア』の間に書かれた…

『時限絶命マンション』矢野龍王 マンション内バトルロワイアルの結末は?

矢野龍王の第二作 2005年刊行作品。『極限推理コロシアム』で第30回メフィスト賞を受賞した矢野龍王(やのりゅうおう)の二作目。 前作の『極限推理コロシアム』は文庫化されたが、本作は文庫化されなかった。ちなみに第三作の『箱の中の天国と地獄』はノベ…

『女彫刻家』ミネット・ウォルターズ 血まみれのオブジェを作り上げた女の秘密

ミネット・ウォルターズ、二番目の作品 1995年刊行作品。『氷の家』に続く、ミネット・ウォルターズの第二作。オリジナルの英国版は1993年に刊行されていて、原題は『The Sculptress』。アメリカ探偵作家クラブによるエドガー賞の長編賞部門を受賞。デビュー二…

『ななつのこ』加納朋子 第3回鮎川哲也賞、受賞作品

加納朋子のデビュー作 1992年刊行作品。作者の加納朋子は1966年生まれ。本作が第3回鮎川哲也賞を受賞しデビューを果たしている。配偶者は同じく作家の貫井徳郎(ぬくいとくろう)である。 ななつのこ 作者:加納 朋子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 19…