ネコショカ

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ミステリ

『王とサーカス』米澤穂信を『さよなら妖精』へのアンサーとして読む

ミステリランキング三冠に輝いた話題作 2015年刊行作品。この年の「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」「このミステリーがすごい!」すべての国内部門で第一位を獲得する三冠を達成。米澤穂信(よねざわほのぶ)の代表作のひとつなってい…

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 謎解きが先か、火事から逃げるのが先か

2021/2/18追記 祝★『蒼海館の殺人』発売!ということで、本日は昨年書いた記事を加筆修正の上で再アップ! 阿津川辰海の三作目 2019年刊行作品。『名探偵は嘘をつかない』『星詠師の記憶』に続く、阿津川辰海(あつかわ たつみ)の三作目。 阿津川辰海は1994…

『扉は閉ざされたまま』石持浅海 碓氷優佳、初登場作品!

碓氷優佳シリーズの一作目 2006年刊行作品。石持浅海(いしもちあさみ)は2002年に『アイルランドの薔薇』でデビューして、以後年一冊ペースで良作を配給(というイメージ)。本作が五作目となる。このミス2006年版国内部門第二位の作品。当初は、祥伝社のノ…

『揺籠のアディポクル』市川憂人 無菌室病棟での特殊設定ミステリ

市川憂人の第五作 2020年刊行作品。作者の市川憂人(いちかわゆうと)は1976年生まれ。2016年のデビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』が第26回鮎川哲也賞を受賞している。 『ジェリーフィッシュは凍らない』以降、『ブルーローズは眠らない』『グラス…

『失恋の準備をお願いします』浅倉秋成 ラウンドアバウト形式の連作ユーモアミステリ

浅倉秋成の第三作を改題して文庫化 電子雑誌BOX-AIR(ボックス・エアー)の2015年3月号~7月号に連載されていた作品。 まず、2016年に『失恋覚悟のラウンドアバウト』のタイトルで、講談社BOXレーベルで書籍化されている。この時のイラストは中村ゆうひが担当…

『新本格魔法少女りすか4』西尾維新 17年かけてついにシリーズ完結!

「りすか」シリーズついに最終巻! 2020年刊行作品。『新本格魔法少女りすか』『新本格魔法少女りすか2』『新本格魔法少女りすか3』に続く、「りすか」シリーズの四作目。2004年に始まった「りすか」シリーズが17年の歳月をかけて遂に完結する。西尾維新やれ…

『錬金術師の消失』紺野天龍 錬金術×ミステリの第二弾!

「錬金術」シリーズ二作目 2020年刊行作品。『錬金術師の密室』の続篇が早くも登場である。ライトノベル系の作家は筆が早いね。紺野天龍(こんのてんりゅう)としては四作目。 傍若無人な錬金術師テレサ・パラケルススと、彼女に振り回されるエミリア・シュヴ…

『オーデュボンの祈り』伊坂幸太郎はこの作品から始まった!

伊坂幸太郎のデビュー作 2000年刊行作品。いまを時めく伊坂幸太郎(いさかこうたろう)の第一作である。第五回新潮ミステリー倶楽部賞の受賞作品。懐かしのミステリ叢書、新潮ミステリー倶楽部からの刊行であった。 新潮ミステリー倶楽部賞は、日本推理サス…

『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』青柳碧人 昔話×ミステリの第二弾!

西洋の昔話がミステリに! 2020年刊行作品。日本の昔話を下敷きにしたミステリ短編集『むかしむかしあるところに、死体がありました。』で好評を博した青柳碧人(あおやぎあいと)が、今度は西洋のおとぎ話をベースにミステリ短編集を出してきた!『むかしむ…

『新本格魔法少女りすか3』西尾維新 水倉鍵率いる「六人の魔法使い」との死闘が続く

西尾維新『新本格魔法少女りすか』シリーズのあらすじとネタバレ感想。1巻と2巻の感想もあります。 ようやく完結しそうなので嬉しい! 長い間、続きが書かれなかった理由の考察なんかも書いてます。

『錬金術師の密室』紺野天龍 ファンタジー世界を舞台とした特殊設定ミステリ

紺野天龍の第三作 2020年刊行作品。作者の紺野天龍(こんのてんりゅう)は2018年に電撃文庫の『ゼロの戦術師』でデビュー。2019年に同レーベルから『エンドレス・リセット』を上梓。 そして三作目が本作『錬金術師の密室』である。表紙イラストは桑島黎音が担…

『ハンニバルライジング』トマス・ハリス レクター博士のエピソード・ゼロ作品

トマス・ハリスの第五作 2007年刊行作品。オリジナルの米国版は2006年刊で。原題は『Hannibal Rising』とそのまんま。作者のトマス・ハリス(Thomas Harris)は1940年生まれのアメリカ人作家。-著名作家だが、意外に作品の数は少なく、半世紀近いキャリアの中…

『地べたを旅立つ』そえだ信 第10回アガサ・クリスティ賞大賞受賞作

そえだ信のデビュー作 2020年刊行作品。第10回のアガサ・クリスティ賞の大賞受賞作である。作者のそえだ信(そえだしん)は本作がデビュー作となる。 ちなみに、次点となる優秀賞受賞作は宮園ありあの『ヴェルサイユ宮殿の殺人』である。こちらも2021年1月に…

『九度目の十八歳を迎えた君と』浅倉秋成 青春時代からの呪いを解く

浅倉秋成の第五作 2019年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト(文庫化時に『失恋の準備をお願いします』に改題)『教室が、ひとりになるまで』に続く、浅倉秋成(あさくらあきなり)の第五作である。東京…

『向日葵を手折る』彩坂美月 少女の四年間の成長物語

少女たちの四年間を綴った物語 2020年刊行作品。タイトルの読みは「ひまわりをたおる」。彩坂美月(あやかさかみつき)としては九作目の作品となる。 実業之日本社の文芸誌「紡」の2013年autumn号、2013年winter号、2014年spring号、2014年summer号に連載さ…

『新本格魔法少女りすか2』西尾維新 心地よい王道展開

※2021/1/6追記 文庫版がリリースされたのに伴い再読中。既にレビュー済の作品だが、加筆修正の上で再アップ! 新本格魔法少女りすかシリーズの第二弾 2005年刊行作品。りすかシリーズ二作目。「ファウスト」のVOL.3とVOL.4に掲載された二作品に書き下ろし一…

『文学少女対数学少女』陸秋槎 二人の関係のその後が気になる!!

陸秋槎の第三作 2020年刊行作品。陸秋槎(りくしゅうさ/ ル・チュウチャ)としては、『元年春之祭』『雪が白いとき、かつそのときに限り』に続く三作目となる。過去二作はハヤカワ・ポケット・ミステリからの登場であったが、本作はハヤカワ文庫からの刊行とな…

『新本格魔法少女りすか』西尾維新 魔法少女×ミステリの魅力

※2020/12/26追記 最終巻を読むために、一巻から再読をしています。なにせ十数年ぶりなので。とりあえず一巻を読み切ったのでレビューを刷新!二巻以降も随時レビューを修正していくのでしばらくお待ちを 西尾維新が描く”魔法少女” 2004年刊行作品。「ファウ…

『阿修羅ガール』舞城王太郎 第16回三島由紀夫賞受賞作

三島由紀夫賞受賞作 2003年1月刊行作品。『煙か土か食い物』『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている。』『熊の場所』に続く、舞城王太郎五作目の作品となる。講談社以外から出版された始めての作品でもある。 阿修羅ガール 作者:舞城 王太郎 メディア: …

『さらわれたい女』歌野晶午 脱新本格の流れの中で

角川⇒講談社⇒角川と版元が変わった作品 本作に関しては、まず最初に、1992年にカドカワノベルズ版(←懐かしいレーベル!)が刊行されている。 さらわれたい女 (カドカワノベルズ) 作者: 歌野晶午 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1992/01 メディア: 新書 …

『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』辻真先 『たかが殺人じゃないか』の前日譚

那珂一兵登場作品 2018年刊行作品。作者の辻真先(つじまさき)はアニメーション作品の脚本家として知る方が多いだろう。『鉄腕アトム』時代からの生き残りだから業界最古参。しかも、現在でも『名探偵コナン』の脚本を手掛けるなど、未だに現役で活躍してい…

『トネイロ会の非殺人事件』小川一水、初のミステリ作品集!

小川一水はミステリも書く! 2012年刊行作品。光文社の小説誌「小説宝石」に2009年~2011年にかけて掲載された三篇を収録したもの。エスエフ作家として知られる小川一水(おがわいっすい)としては珍しいミステリ作品集である。 トネイロ会の非殺人事件 作者…

『九杯目には早すぎる』蒼井上鷹 ショボイ動機にせせこましい犯罪

短編小説の名手、蒼井上鷹のデビュー作 2005年刊行。蒼井上鷹は双葉社が主催する、小説推理新人賞を2004年に受賞してデビューした方。個人的には短編小説の良い書き手という印象の作家さんである。著作の中でも、短編作品の占める割合がかなり多い。 名前は…

『法廷遊戯』五十嵐律人 第62回メフィスト賞受賞作

五十嵐律人のデビュー作 2020年刊行作品。第62回のメフィスト賞受賞作である。 作者の五十嵐律人(いがらしりつと)は1990年生まれ。巻末のプロフィールによると、東北大卒で司法試験合格とある。講談社の文芸サイトtree掲載の「森 博嗣 × 五十嵐律人 往復書…

『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月 第31回メフィスト賞受賞作

辻村深月のデビュー作 2004年刊行。第31回メフィスト賞受賞作品。同賞では、初の試みとして上・中・下の3分冊で6月~8月の三か月にかけて連続刊行された。 2007年の文庫化に際して、上下巻の二巻構成に改められている。 作者の辻村深月(つじむらみづき)は198…

『少年名探偵虹北恭助の冒険』はやみねかおるの講談社ノベルス初登場作品

虹北恭助シリーズの一作目 2000年刊行作品。講談社の文芸誌「メフィスト」の1999年5月号から2000年の5月号にかけて掲載された4編に、書き下ろし1編を加えて講談社ノベルズにて上梓されたのが本作。イラストはやまさきもへじが担当。 少年名探偵 虹北恭助の冒…

『教室が、ひとりになるまで』浅倉秋成 同調圧力の檻の中で

本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞候補作 2019年刊行作品。筆者の浅倉秋成(あさくらあきなり)は1989年生まれ。デビュー作は2012年に講談社BOX新人賞“Powers”にてPowersを受賞した『ノワール・レヴナント』。浅倉冬至の筆名で、『進撃の巨人』のノベラ…

『ダブ(エ)ストン街道』浅暮三文 第8回メフィスト賞受賞作品

浅暮三文のデビュー作 1998年刊行作品。第8回のメフィスト賞受賞作である。 最近のメフィスト賞作品は、ソフトカバー形態で刊行されるケースが多い。しかし初期のメフィスト賞作品では、ノベルス形態で登場することが多かった。 ただ、本作に関してはそのい…

『愚か者死すべし』原リョウ 九年ぶりの新作(当時)

超遅筆作家、原リョウの五作目 2004年刊行。リョウと表記しているが、実際には「僚」のにんべんがない「つくり」の部分だと思って欲しい。正確な漢字は機種依存文字なので表示出来ないのであしからず。 愚か者死すべし 作者:原 リョウ 発売日: 2004/11/25 メ…

『家守』テーマは"家"、歌野晶午の短編集を読む 

歌野晶午の短編集 2003年刊行作品。カッパ・ノベルスからの登場。 1998年から2003年にかけて「メフィスト」「ジャーロ」に発表された作品をまとめたもの。”家”をテーマにした短編集である。 家守 (カッパ・ノベルス) 作者:歌野 晶午 発売日: 2003/11/18 メデ…