ネコショカ

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ミステリ

『ぼくのミステリな日常』 「黄金の13」から登場した若竹七海の第一作

若竹七海のデビュー作 1991年に東京創元社のミステリシリーズ「黄金の13」(←懐かしい!))で刊行されていた作品。若竹七海(わかたけななみ)は本作がデビュー作となる。 ぼくのミステリな日常 (黄金の13) 作者:若竹 七海 東京創元社 Amazon 創元推理文庫版…

『サクラオト』彩坂美月 五感をテーマとしたミステリ短編集

彩坂美月の10作目! 2021年刊行作品。集英社の文芸誌「小説すばる」に2012年~2018年にかけて発表されていた四編に、書下ろし二編を加えて上梓された作品。彩坂美月(あやさかみつき)としては、本作が十作目の著作である。 おススメ度、こんな方におススメ…

『探偵大戦』似鳥鶏 特殊能力を持つ探偵たちの競演

似鳥鶏の最新作は異能探偵バトル 2021年刊行作品。2007年『理由あって冬に出る』でのデビュー以来、市立高校シリーズ、戦力外捜査官シリーズ他、多数の作品をリリースし続けている似鳥鶏(にたどりけい)の最新作である。 似鳥鶏の通算作品数は、現時点で30…

『ハムレット狂詩曲(ラプソディー)』服部まゆみ 演劇の世界を舞台としたミステリ

服部まゆみの六作目 服部まゆみは1948年生まれ。第7回の横溝正史賞を『時のアラベスク』で1987年に受賞。以来、著作数は少ないながらも常に水準以上の良作を送り出してきた作家。『この闇と光』が1998年の第120回直木賞の候補にもなり、各方面でも高評価を受…

『オルレアンの魔女』稲羽白菟 歴史の闇の中からよみがえる”魔女”

稲羽白菟の三作目 2021年刊行作品。作者の稲羽白菟(いなばはくと)は1975年生まれ。2016年に、『合邦の密室』が、第九回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞の準優秀作を受賞。2018年に同作で作家デビューを果たしている。その後、2020年に第二作…

『ユージニア』恩田陸 複数の視点から組み上げられていく事件のかたち

日本推理作家協会賞、受賞作品 2005年刊行作品。「KADOKAWAミステリ」2002年8月号~2003年5月号、及び「本の旅人」2003年7月号~2004年9月号にかけて連載されていた作品を加筆修正の上で単行本化したもの。掲載誌が途中で変わってしまったのは「KADOKAWAミス…

『人ノ町』詠坂雄二 科学文明崩壊後の世界を旅する旅人の物語

詠坂雄二が描く終末の世界 2016年刊行作品。詠坂雄二(よみさかゆうじ)としては10作目。前作の『ナウ・ローディング』が2014年刊行だったので、当時としては二年ぶりの新作ということになる。英語タイトルは「MOVER」。 単行本版のカバー超怖いんですけど………

『孤虫症』真梨幸子 第32回メフィスト賞受賞作品

メフィスト賞受賞作を地道に紹介していくシリーズ。本日はこちら! 目指すは全作紹介!だが、現時点でも63作もあるので道は遠い(だいたい未読作品が半分近くある)。 イヤミスの旗手のデビュー作 2005年刊行。第32回メフィスト賞受賞作品。いまや、イヤミス…

『風よ僕らの前髪を』弥生小夜子 第30回鮎川賞優秀賞受賞作品

弥生小夜子のデビュー作 2021年刊行作品。作者の弥生小夜子(やよいさよこ)は1972年生まれ。過去には創元ファンタジー新人賞で第1回、第5回で最終選考まで残った実績がある。今回の『風よ僕らの前髪を』では、第30回鮎川賞の優秀賞を受賞し作家デビューを果…

『海底密室』三雲岳斗 深海4000メートルを舞台とした理系ミステリ

三雲岳斗の「エスエフ×ミステリ」作品 2000年刊行作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 で第1回日本SF大賞新人賞を受賞した三雲岳斗(みくもがくと)のSFミステリの第二弾。この時点では9作目の作品。『M.G.H 楽園の鏡像』 の前日譚的な内容となっている。 イラストは…

『クラインの壺』岡嶋二人 30年以上前に描かれたバーチャルリアリティモノの傑作

岡嶋二人、最後の作品 1989年刊行作品。最初の単行本は懐かしの新潮ミステリー倶楽部からの登場だった。 クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) 作者:岡嶋 二人 新潮社 Amazon 新潮文庫版は1993年に登場。個人的にはこのカバーデザインがいちばんしっくり来る…

『変な家』雨穴 ネットで大人気の不動産ミステリ&ホラー

ネット発の不動産ミステリ 筆者の雨穴(うけつ)は2018年頃から活躍してる、Youtuber、ライター、作家である。Webメディア「オモコロ」主催の第5回オモコロ杯で頭角を現し、ライターとしてはオカルト系の記事で人気を博す。Youtubeチャンネルの登録者は43.5…

『死にぞこないの青』乙一 小学校時代の暗黒感をもういちど

乙一の第七作品 2001年刊行作品。『夏と花火とわたしの死体』『天帝妖狐』『石ノ目(平面いぬ。)』『暗黒童話』『失踪Holiday』『君にしか聞こえない』に続く七作目。文庫化含め、2001年はやたらに乙一(おついち)作品が刊行された年だった。大学を卒業し…

『M.G.H. 楽園の鏡像』三雲岳斗 SF×ミステリの良作品

本感想、読書ブログはリライトが大切 今週のお題「サボる」に便乗。もうひとつのブログ(非小説系書籍感想)と合わせて、どちらか必ず一方は毎日更新しているようにしているわたくし。 毎日来ていただいている方はお気づきかと思うけど、、当ブログでは旧記…

『この橋をわたって』新井素子、作家生活40年目にして初の短編集

新井素子の初?の短編集 2019年刊行作品。2014年から2018年にかけて、新聞、雑誌、ウェブ媒体等に掲載されていた作品をまとめたもの。 新井素子にしては珍しい、特定のシリーズ、テーマに囚われない短編集。あれ、短編集って新井素子的には初めて? って、思…

『黒牢城』米澤穂信 荒木村重✖黒田官兵衛の歴史ミステリ

米澤穂信の歴史ミステリが登場 2021年刊行作品。タイトルの『黒牢城』は「こくろうじょう」と読む。 KADOKAWAのWEBマガジン「文芸カドカワ」及び「カドブンノベル」に2019年~2020年にかけて掲載されていた作品に、加筆修正をした上で、書下ろし一篇を加えて…

『ゴーストハント読本』 「ゴーストハント」好きなら読んでおきたいファンブック

「ゴーストハント」ファン必読の一冊 小野不由美による「ゴーストハント(悪霊)」シリーズは、オリジナルの講談社X文庫ティーンズレーベル版が1989年から1992年にかけて登場。そして全編がリライトされたメディアファクトリーによる新装版が2010年から2011…

『スイッチ 悪意の実験』潮谷験 第63回メフィスト賞受賞作品

潮谷験のデビュー作 2021年刊行作品。作者の潮谷験(しおたにけん)は1978年生まれ。本作『スイッチ 悪意の実験』で第63回のメフィスト賞を受賞し、作家デビューを果たしている。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) あらすじを…

『誰か Somebody』宮部みゆき 「杉村三郎シリーズ」の一作目

「杉村三郎シリーズ」はこの作品から 2003年刊行作品。その後シリーズ化される「杉村三郎シリーズ」の最初の作品である。 最初の単行本版は実業之日本社から。 誰か ----Somebody 作者:宮部 みゆき 実業之日本社 Amazon 続いてノベルス版は光文社から2005年…

『雨の庭』友浦乙歌 楽園を出て現実を生きるということ

カクヨム、クラウドファンディングを経て刊行された作品 著者である友浦乙歌(ともうらおとか)さんより、ご恵投頂きました。お声がけいただきありがとうございます!ネットでの作品発表を続けている方で、カクヨムなどでこれまでの作品は読むことが出来る。…

『本と鍵の季節』米澤穂信 ダブル探偵!二人の男子高生が活躍するミステリ

米澤穂信、二年ぶりの新作だった 集英社の小説誌「小説すばる」に2012年~2018年にかけて掲載されていた作品を加筆修正。更に書下ろし一篇を加えて上梓された作品。 一作目となる「913」は2012年刊行の集英社文庫創刊35周年記念のアンソロジー『いつか、君へ…

『夏の滴』桐生祐狩 少年の日のひと夏の冒険、、だが

桐生祐狩のデビュー作 2001年刊行作品。作者の桐生祐狩(きりゅうゆかり)は1961年生まれ。本作『夏の滴』が、第8回の日本ホラー小説大賞で長編賞を受賞して作家デビューを果たしている。プロフィールを拝見する限り、もともとは演劇畑の方である様子。 夏の…

『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』伊与原新 宮沢賢治×ロードノベルの魅力

ブレイクしそうな伊与原新作品 2020年刊行作品。作者の伊与原新(いよはらしん)は1972年生まれ。第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞した、2010年刊行の『お台場アイランドベイビー』がデビュー作。その後『月まで三キロ』では第38回新田次郎文学賞を受賞。『…

『木洩れ日(こもれび)に泳ぐ魚』恩田陸 

別れを決めた男女の最後の夜を描く 2007年刊行。「婦人公論」2006年1月22日号から2007年2月22日号にかけて連載された作品を加筆修正の上で単行本化したもの。この年2007年は恩田作品が出ていたように記憶していたが、実は長編作品はこれ一作だった。意外だな…

『NO推理、NO探偵?』柾木政宗 第53回メフィスト賞受賞作

柾木政宗のデビュー作 2017年刊行作品。柾木政宗の第一作。第53回のメフィスト賞受賞作品である。作者の柾木政宗(まさきまさむね)は1981年生まれ。ワセダミステリクラブ出身。 『NO推理、NO探偵?』には、2019年に続篇的な存在の『ネタバレ厳禁症候群 ~So …

『セリヌンティウスの舟』石持浅海 人を信じるということは……

石持浅海の六作目 2005年刊行作品。石持浅海(いしもちあさみ)作品としては、『アイルランドの薔薇』『月の扉』『水の迷宮』『BG、あるいは死せるカイニス』『扉は閉ざされたまま』に続く第六作となる。 セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス) 作者:石持 …

『夏の名残りの薔薇』恩田陸 物語の揺らぎを楽しむ

あとがき+解説+インタビュー付き 2004年刊行作品。「別冊文藝春秋」の245号から250号にかけて連載された作品を単行本化したもの。文藝春秋の「本格ミステリ・マスターズ」レーベルからの登場であった。 単行本にしてはめずらしくあとがき付き。更に杉江松恋に…

『夢館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(3)

昭和の名作を紹介するシリーズ、佐々木丸美編、七作目の登場である。 二時代前の作品をすることになってしまった。昭和時代に明治の作家の作品紹介をしていた人はこんな気分になったりしたのだろうか。 佐々木丸美「館」シリーズの完結編 1980年刊行。『崖の…

『死にたがりの君に贈る物語』綾崎隼 小説家と物語を愛するもののお話

綾崎隼の40冊目! 2021年刊行作品。綾崎隼(あやさきしゅん)は2010年のデビュー以来、数々の作品を上梓してきたが、40冊目の著作となるのが本書『死にたがりの君に贈る物語』である。表紙イラストはorieが担当している。 綾崎隼の作品を読むのは二作目。先…

『彼女は死んでも治らない』大澤めぐみ 個性的な文体が冴える「コージーミステリー」

大澤めぐみ作品が光文社から登場 2019年刊行作品。2016年に『おにぎりスタッバー』で商業デビューして以降、『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』と、角川スニ…