ネコショカ

小説以外は別Blogにしました!
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4つ★(おススメ!)

『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル 1960年代の有人火星ミッション

レディ・アストロノートシリーズの長編二作目 2021年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。オリジナルの米国版は2018年に刊行されており原題は『The Fated Sky』である。 昨年紹介した『宇宙(…

『人ノ町』詠坂雄二 科学文明崩壊後の世界を旅する旅人の物語

詠坂雄二が描く終末の世界 2016年刊行作品。詠坂雄二(よみさかゆうじ)としては10作目。前作の『ナウ・ローディング』が2014年刊行だったので、当時としては二年ぶりの新作ということになる。英語タイトルは「MOVER」。 単行本版のカバー超怖いんですけど………

『シャガールと木の葉』谷川俊太郎 他界した同世代人に対しての追悼詩を多く収録

谷川俊太郎74歳の感性 2005年刊行作品。谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)は1931年生まれなので74歳の時の詩集ということになる。初出は一番古いもので1993年。多くは2000年代の前半に書かれている。70代(当時)でこの感性はすごい。 なお、谷川俊太郎は…

『クラインの壺』岡嶋二人 30年以上前に描かれたバーチャルリアリティモノの傑作

岡嶋二人、最後の作品 1989年刊行作品。最初の単行本は懐かしの新潮ミステリー倶楽部からの登場だった。 クラインの壷 (新潮ミステリー倶楽部) 作者:岡嶋 二人 新潮社 Amazon 新潮文庫版は1993年に登場。個人的にはこのカバーデザインがいちばんしっくり来る…

『残穢(ざんえ)』小野不由美 残る穢れ、伝染する穢れ、日常を侵食する怪異

第26回山本周五郎賞受賞作品 2012年刊行。書下ろし作品。タイトルの『残穢』は「ざんえ」と読む。カバー装画は司修が担当。第26回の山本周五郎賞を受賞している。 残穢 作者:小野 不由美 新潮社 Amazon 新潮文庫版は2015年に登場しており、現在読めるのはこ…

夏に読みたい京極夏彦の「妖怪えほん」全五作

一昨年作成した記事だが、NHK Eテレで再放送があったせいかアクセスが増えていたので、ちょこっと追記して再投稿(手抜き)。 夏になると読みたくなるのが怪談噺である。怪談とは少し違うかもしれないが、本日ご紹介するのは、「京極夏彦の妖怪えほん」シリ…

『始祖鳥記』飯嶋和一 江戸時代に空を飛んだ男、鳥人幸吉の一代記

江戸時代に空を飛んだ男がいた 2000年刊行作品。飯嶋和一(かずいち)としては、四作目の作品。 2002年に小学館文庫より文庫版がリリースされている。 始祖鳥記 (小学館文庫) 作者: 飯嶋和一 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2002/11/06 メディア: 文庫 購…

『永遠の出口』森絵都 多感な十代の少女の日々を描く

「永遠」に惹かれた少女時代を描く 2003年刊行作品。集英社の小説誌『小説すばる』に、1999年~2002年にかけて掲載されていた作品をまとめたもの。 永遠の出口 作者:森 絵都 集英社 Amazon 集英社文庫版は2006年に登場している。 おススメ度、こんな方におス…

『この夏のこともどうせ忘れる』深沢仁 十代の「特別な夏」を描いた良短編集

深沢仁の短編作品集 2019年刊行作品。作者の深沢仁(ふかざわじん)は2011年刊行の『R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く』が、第二回のこのライトノベルがすごい!大賞の優秀賞を受賞し作家デビュー。その後、2012年『グッドナイト×レイヴン』、2013年に『睦笠神社…

『夏の滴』桐生祐狩 少年の日のひと夏の冒険、、だが

桐生祐狩のデビュー作 2001年刊行作品。作者の桐生祐狩(きりゅうゆかり)は1961年生まれ。本作『夏の滴』が、第8回の日本ホラー小説大賞で長編賞を受賞して作家デビューを果たしている。プロフィールを拝見する限り、もともとは演劇畑の方である様子。 夏の…

『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』伊与原新 宮沢賢治×ロードノベルの魅力

ブレイクしそうな伊与原新作品 2020年刊行作品。作者の伊与原新(いよはらしん)は1972年生まれ。第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞した、2010年刊行の『お台場アイランドベイビー』がデビュー作。その後『月まで三キロ』では第38回新田次郎文学賞を受賞。『…

『木洩れ日(こもれび)に泳ぐ魚』恩田陸 

別れを決めた男女の最後の夜を描く 2007年刊行。「婦人公論」2006年1月22日号から2007年2月22日号にかけて連載された作品を加筆修正の上で単行本化したもの。この年2007年は恩田作品が出ていたように記憶していたが、実は長編作品はこれ一作だった。意外だな…

『天涯の砦』小川一水 遭難した宇宙船に残された10人のサバイバル

ベストSF2006国内部門第三位 2006年刊行。ベストSF2006国内部門第三位の作品。ハヤカワSFシリーズ・Jコレクションレーベルからの登場であった。 天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者:小川 一水 早川書房 Amazon ハヤカワ文庫版は2009年に刊行…

『黄金旅風』飯嶋和一 希代の朱印船貿易家の物語

末次平左衛門(二代目平蔵)の物語 2004年刊行。飯嶋和一(いいじま かずいち)の五作目の作品。 黄金旅風 作者:飯嶋 和一 小学館 Amazon 小学館文庫版は2008年に登場している。 飯嶋和一は1988年デビューなのに、本書刊行時の2004年でようやく五作目!なん…

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ(7)『悪霊だってヘイキ!』と『ゴーストハント7』

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ最終回! 長々とお伝えして来た小野不由美のゴーストハント(悪霊)シリーズを、旧作、新作両方読んでレビューする企画も遂にラスト!本日ご紹介するのはシリーズ第七作『悪霊だってヘイキ!(ゴーストハント7)…

『夢館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(3)

昭和の名作を紹介するシリーズ、佐々木丸美編、七作目の登場である。 二時代前の作品をすることになってしまった。昭和時代に明治の作家の作品紹介をしていた人はこんな気分になったりしたのだろうか。 佐々木丸美「館」シリーズの完結編 1980年刊行。『崖の…

『死にたがりの君に贈る物語』綾崎隼 小説家と物語を愛するもののお話

綾崎隼の40冊目! 2021年刊行作品。綾崎隼(あやさきしゅん)は2010年のデビュー以来、数々の作品を上梓してきたが、40冊目の著作となるのが本書『死にたがりの君に贈る物語』である。表紙イラストはorieが担当している。 綾崎隼の作品を読むのは二作目。先…

『隷王戦記1 フルースィーヤの血盟』森山光太郎

森山光太郎の戦記ファンタジー 2021年刊行作品。筆者の森山光太郎(もりやまこうたろう)は1991年生まれ。2018年『火神子 天孫に抗いし者』で朝日時代小説大賞を受賞して作家デビュー。「隷王戦記」は全三巻の構想が示されており、本作はその第一巻となる。 …

『黄昏の百合の骨』恩田陸 それからの理瀬の物語

「理瀬」シリーズの実質的な二作目! 2004年刊行作品。講談社のミステリ誌『メフィスト』の2002年5月増刊号~2003年9月増刊号に連載されていた作品をまとめたもの。表紙及び、作中の扉絵イラストは北見隆。『麦の海に沈む果実』後の水野理瀬を描いた作品であ…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

佐々木丸美『忘れな草』 「孤児」シリーズ4部作を読む(2)

佐々木丸美作「孤児」シリーズの二作目。『忘れな草』の感想と考察。 1978年の講談社オリジナル版から、その後の復刊状況までをまとめています。 シリーズの他作品の感想もあり。

『麦の海に沈む果実』恩田陸 「理瀬」シリーズの実質的な一作目!

2021年5月26日に恩田陸の「理瀬」シリーズ、17年ぶりの新作長編『薔薇のなかの蛇』が刊行される!嬉しい~ 薔薇のなかの蛇 作者:恩田 陸 発売日: 2021/05/26 メディア: 単行本 ということで、「理瀬」シリーズの旧作紹介をお届けしたい。17年も新作出ていな…

『雪の断章』佐々木丸美の「孤児」シリーズ4部作を読む(1)

佐々木丸美のデビュー作。そして「孤児」シリーズの一作目。監督・相米慎二、主演・斉藤由貴で映画化もされた『雪の断章』の感想と考察。映画版のキャスト一覧、コメント。 1975年の講談社オリジナル版から、その後の復刊状況までをまとめています。 シリーズ…

『青の数学2』王城夕紀 数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。

今週のお題「おうち時間2021」に便乗します!おうち時間はひたすら読書です。 王城夕紀の四作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』。『青の数学』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第四作。『青の数学』の続編である。引…

『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』辻真先 ミステリランキング三冠!

〈昭和ミステリ〉シリーズの第二弾 2020年刊行作品。「このミステリーがすごい!2021年版」国内編、「週刊文春2020ミステリーベスト10」国内部門、「ハヤカワ・ミステリマガジン ミステリが読みたい!」国内篇いずれも1位の三冠を達成。2020年を代表するミス…

『マルドゥック・ヴェロシティ3』冲方丁 壮絶な集団VS集団バトルが燃える!

「ヴェロシティ」の最終巻! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚だ。『マルドゥック・ヴェロシティ1』『マルドゥック・ヴェロシティ2』に続く、三冊毎週刊行(当時)の中の最終巻である。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫…

『青の数学』王城夕紀 その数式(まほう)が君の青春を変える

王城夕紀『青の数学』のネタバレ感想、あらすじ。続篇『青の数学』2の紹介記事もあります。

『マルドゥック・ヴェロシティ2』冲方丁 百鬼夜行の能力バトルを愉しめ!

「ヴェロシティ」の二冊目! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚の二冊目である(全三冊)。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA) 作者:冲方 丁 発売日: 2006/11/15 メディア: 文庫 2006年の旧文庫版は現在出回っておら…

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 六つの告発文×密室の心理戦が熱い!

浅倉秋成の最新作! 2021年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト(失恋の準備をお願いします)』『教室が、ひとりになるまで』『九度目の十八歳を迎えた君と』に続く浅倉秋成(あさくらあきなり)の第六作…

『消失の惑星(ほし)』ジュリア・フィリップス 十二人の女性たちの心の傷をめぐる

ジュリア・フィリップスの第一作 2021年刊行作品。オリジナルの米国版は2019年刊行で原題は『Disappearing Earth』。作者のジュリア・フィリップス(Julia Phillips)は1989年生まれのアメリカ人作家。本作がデビュー作である。 巻末には、作者による謝辞、訳…