ネコショカ

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4つ★(おススメ!)

『死にたがりの君に贈る物語』綾崎隼 小説家と物語を愛するもののお話

綾崎隼の40冊目! 2021年刊行作品。綾崎隼(あやさきしゅん)は2010年のデビュー以来、数々の作品を上梓してきたが、40冊目の著作となるのが本書『死にたがりの君に贈る物語』である。表紙イラストはorieが担当している。 綾崎隼の作品を読むのは二作目。先…

『隷王戦記1 フルースィーヤの血盟』森山光太郎

森山光太郎の戦記ファンタジー 2021年刊行作品。筆者の森山光太郎(もりやまこうたろう)は1991年生まれ。2018年『火神子 天孫に抗いし者』で朝日時代小説大賞を受賞して作家デビュー。「隷王戦記」は全三巻の構想が示されており、本作はその第一巻となる。 …

『黄昏の百合の骨』恩田陸 それからの理瀬の物語

「理瀬」シリーズの実質的な二作目! 2004年刊行作品。講談社のミステリ誌『メフィスト』の2002年5月増刊号~2003年9月増刊号に連載されていた作品をまとめたもの。表紙及び、作中の扉絵イラストは北見隆。『麦の海に沈む果実』後の水野理瀬を描いた作品であ…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

佐々木丸美『忘れな草』 「孤児」シリーズ4部作を読む(2)

佐々木丸美作「孤児」シリーズの二作目。『忘れな草』の感想と考察。 1978年の講談社オリジナル版から、その後の復刊状況までをまとめています。 シリーズの他作品の感想もあり。

『麦の海に沈む果実』恩田陸 「理瀬」シリーズの実質的な一作目!

2021年5月26日に恩田陸の「理瀬」シリーズ、17年ぶりの新作長編『薔薇のなかの蛇』が刊行される!嬉しい~ 薔薇のなかの蛇 作者:恩田 陸 発売日: 2021/05/26 メディア: 単行本 ということで、「理瀬」シリーズの旧作紹介をお届けしたい。17年も新作出ていな…

『雪の断章』佐々木丸美の「孤児」シリーズ4部作を読む(1)

佐々木丸美のデビュー作。そして「孤児」シリーズの一作目。監督・相米慎二、主演・斉藤由貴で映画化もされた『雪の断章』の感想と考察。映画版のキャスト一覧、コメント。 1975年の講談社オリジナル版から、その後の復刊状況までをまとめています。 シリーズ…

『青の数学2』王城夕紀 数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。

今週のお題「おうち時間2021」に便乗します!おうち時間はひたすら読書です。 王城夕紀の四作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』。『青の数学』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第四作。『青の数学』の続編である。引…

『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』辻真先 ミステリランキング三冠!

〈昭和ミステリ〉シリーズの第二弾 2020年刊行作品。「このミステリーがすごい!2021年版」国内編、「週刊文春2020ミステリーベスト10」国内部門、「ハヤカワ・ミステリマガジン ミステリが読みたい!」国内篇いずれも1位の三冠を達成。2020年を代表するミス…

『マルドゥック・ヴェロシティ3』冲方丁 壮絶な集団VS集団バトルが燃える!

「ヴェロシティ」の最終巻! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚だ。『マルドゥック・ヴェロシティ1』『マルドゥック・ヴェロシティ2』に続く、三冊毎週刊行(当時)の中の最終巻である。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫…

『青の数学』王城夕紀 その数式(まほう)が君の青春を変える

王城夕紀の三作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第三作である。王城夕紀はこれまで中央公論新社からの作品刊行が続いていたが、本作では新潮社の新潮文庫nexレーベルからの上梓とな…

『マルドゥック・ヴェロシティ2』冲方丁 百鬼夜行の能力バトルを愉しめ!

「ヴェロシティ」の二冊目! 2006年刊行作品。名作『マルドゥック・スクランブル』の前日譚の二冊目である(全三冊)。 マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA) 作者:冲方 丁 発売日: 2006/11/15 メディア: 文庫 2006年の旧文庫版は現在出回っておら…

『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成 六つの告発文×密室の心理戦が熱い!

浅倉秋成の最新作! 2021年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト(失恋の準備をお願いします)』『教室が、ひとりになるまで』『九度目の十八歳を迎えた君と』に続く浅倉秋成(あさくらあきなり)の第六作…

『消失の惑星(ほし)』ジュリア・フィリップス 十二人の女性たちの心の傷をめぐる

ジュリア・フィリップスの第一作 2021年刊行作品。オリジナルの米国版は2019年刊行で原題は『Disappearing Earth』。作者のジュリア・フィリップス(Julia Phillips)は1989年生まれのアメリカ人作家。本作がデビュー作である。 巻末には、作者による謝辞、訳…

『マルドゥック・ヴェロシティ1』冲方丁 「スクランブル」の前日譚が登場!

「マルドゥックシリーズ」シーズン2 2006年刊行作品。冲方丁(うぶかたとう)の人気シリーズ「マルドゥックシリーズ」のシーズン2である。あのウフコックが、あのボイルドが帰ってきた!名作『マルドゥック・スクランブル』の続編、というか前日譚が本作にあ…

『天地明察』冲方丁 第7回本屋大賞受賞作

冲方丁の大ブレイク作品 2009年刊行作品。角川書店の文芸誌『野性時代』に2009年1月号から7月号まで連載されていた作品をまとめたもの。本作で冲方丁(うぶかたとう)は、第7回本屋大賞、及び、第31回吉川英治文学新人賞を受賞。また、第143回直木賞の候補作…

『双頭の鷲』佐藤賢一 百年戦争の英雄デュ・ゲクランの生涯

佐藤賢一の四作目はお得意の百年戦争モノ 1999年刊行作品。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』『赤目のジャック』に続く、佐藤賢一の四作目である。 新潮文庫版は2001年に刊行されている。単行本は単巻で刊行されていたが、文庫化に際して上下巻に分冊…

『推し、燃ゆ』宇佐美りん 第164回(2020年度下半期)芥川賞受賞作品

宇佐美りんの第二作 2020年刊行作品。『文藝』秋季号(2020年7月号)に発表された作品を書籍化したもの。第164回(2020年度下半期)の芥川賞受賞作品である。 筆者の宇佐美りんは1999年生まれ。2019年のデビュー作『かか』でいきなり文藝賞、更に三島由紀夫…

『真実の10メートル手前』米澤穂信 太刀洗真智の活躍を描くベルーフシリーズ

ベルーフシリーズの第二作 2015年刊行作品。青土社の芸術総合誌「ユリイカ」、東京創元社のミステリ誌「ミステリーズ!」等に収録されていたいた短編をまとめたもの。 2016年「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第2位、2017年「ミステリが読みたい!」…

『タタール人の砂漠』ディーノ・ブッツァーティ 無為な日常がすり減らしていく人生

ブッツァーティの代表作 2013年刊行。オリジナルのイタリア語版は1940年に刊行されており原題は「Il deserto dei Tartari」。作者のディーノ・ブッツァーティ(Dino Buzzati)は1906年生まれのイタリア人作家。20世紀イタリア文学を代表する作家の一人である…

『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ エモーショナルなエスエフ短編集

韓国の新鋭キム・チョヨプのデビュー作 2020年刊行作品。オリジナルの韓国版は2019年刊行で原題は『우리가 빛의 속도로 갈 수 없다면』。作者のキム・チョヨプ(김초엽/金草葉)は1993年生まれの韓国人エスエフ作家。 本作に収録されている「館内紛失」が第2回…

『洋食セーヌ軒』神吉拓郎 中高年男女の心の機微を描く珠玉のグルメ掌編集

名作掌編集が復刊! 今は亡き、鎌倉書房の季刊誌「四季の味」にて連載。1982(昭和57)年の春号~1986(昭和61)年夏号にかけて掲載されていた作品をまとめたもの。 単行本版は1987年に新潮社より登場。かれこれ30年以上も前に出た作品である。 洋食セーヌ軒…

『王とサーカス』米澤穂信を『さよなら妖精』へのアンサーとして読む

ミステリランキング三冠に輝いた話題作 2015年刊行作品。この年の「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」「このミステリーがすごい!」すべての国内部門で第一位を獲得する三冠を達成。米澤穂信(よねざわほのぶ)の代表作のひとつなってい…

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 謎解きが先か、火事から逃げるのが先か

2021/2/18追記 祝★『蒼海館の殺人』発売!ということで、本日は昨年書いた記事を加筆修正の上で再アップ! 阿津川辰海の三作目 2019年刊行作品。『名探偵は嘘をつかない』『星詠師の記憶』に続く、阿津川辰海(あつかわ たつみ)の三作目。 阿津川辰海は1994…

『扉は閉ざされたまま』石持浅海 碓氷優佳、初登場作品!

碓氷優佳シリーズの一作目 2006年刊行作品。石持浅海(いしもちあさみ)は2002年に『アイルランドの薔薇』でデビューして、以後年一冊ペースで良作を配給(というイメージ)。本作が五作目となる。このミス2006年版国内部門第二位の作品。当初は、祥伝社のノ…

『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』大澤めぐみ 繋がらなかった縁と繋がった縁の物語。

大澤めぐみの三作目 2017年刊行。大澤めぐみは小説投稿サイト「カクヨム」出身の作家。2016年の角川スニーカー文庫の『おにぎりスタッバー』が商業デビュー作で、第二作が『ひとくいマンイーター』。本作はそれらに続く三作目となる。 おススメ度、こんな方…

『太陽の塔』森見登美彦は最初からすごかった

森見登美彦のデビュー作 第15回の日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品。2003年刊行。今は説明の必要もないほどの人気作家、森見登美彦のデビュー作が本作だ。当時の森見登美彦は現役の京大生。在学中にこれほどの快作を書きあげていたとは恐るべしなの…

『後宮の烏5』白川紺子 寿雪に新たな試練、香薔の封印は解けるのか??

シリーズ累計80万部突破! 2020年刊行作品。『後宮の烏』『後宮の烏2』『後宮の烏3』『後宮の烏4』に続く、『後宮の烏』シリーズの五作目にあたる。 前巻の感想でシリーズ累計50万部突破!と書いたが、第五巻の帯によると80万部を突破してしまったらしい。僅…

『赤いモレスキンの女』アントワーヌ・ローラン 人は人生を変えられる

小粋な現代のおとぎ話 2020年刊行作品。オリジナルのフランス版は2014年刊行。原題は「La femme au carnet rouge」である。 作者のアントワーヌ・ローラン(Antoine Laurain)は1972年生まれ。 2007年にドゥルオー賞を受賞した『行けるなら別の場所で(Ailleu…

『太陽の簒奪者』野尻抱介の星雲賞受賞作

野尻抱介の代表作 2002年刊行。1999年~2000年にかけて「SFマガジン」に掲載された短編作品「太陽の簒奪者(さんだつしゃ)」「蒼白の黒体輻射」「失われた思索」をリライトした上で長編作品に改稿したもの。ハヤカワSFシリーズJコレクションからの登場であ…