ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

4つ★(おススメ!)

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智 比嘉姉妹シリーズの一作目「ちがつり」がメッチャ怖い!!

日本ホラー小説大大賞受賞作 2015年刊行作品。作者の澤村伊智(さわむらいち)は1979年生まれの男性作家。本作『ぼぎわんが、来る』が第22回の日本ホラー小説大賞の大賞を受賞し作家デビューを果たしている。 ぼぎわんが、来る 作者:澤村伊智 発売日: 2015/1…

『ライオンハート』恩田陸 時空を超えて何度も廻り逢う男女の物語

20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…

『空の中』有川浩(ひろ)の第二作品は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 2004年刊行作品。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書である。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品と言うと、一般的には『図書館戦…

『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン ひっそりと暮らす異能の人々の物語

往年の名作、連作エスエフ短編集 作者のゼナ・ヘンダースンは1917年生まれ、1983年に亡くなられたアメリカ人エスエフ作家である。 教職の傍ら執筆を続けた極めて寡作な作家で、この作品は1952年から1959年にかけてアメリカの「ファンタジー・アンド・サイエンス…

『ピエタ』大島真寿美 追憶、ありえたかもしれない未来、そして人生は続く

2012年の本屋大賞第三位 2011年刊行作品。作者の大島真寿美(おおしまますみ)は1962年生まれ。1992年に「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。同年、すばる文学賞最終候補となった『宙の家』がデビュー作。キャリアの長い作家だが、俄然注目を浴びたのが、20…

『時の果てのフェブラリー 赤方偏移世界』山本弘 11歳の少女が活躍するハードエスエフ作品

ライトノベルの皮をかぶったハードエスエフ 1989年刊行作品。かれこれ30年以上も前の作品である。スニーカー文庫の表紙上に青いラインが入っているのとか、凄く懐かしい感じがする。こちらの表紙イラストは結城信輝が担当。 その後十余年の歳月を経て、2001…

『後宮の烏4』白川紺子 寿雪が探す4つの「失せ物」

シリーズ累計50万部突破! 2020年刊行作品。『後宮の烏』『後宮の烏2』『後宮の烏3』に続く、『後宮の烏』シリーズの四作目にあたる。 4巻の帯によるとなんとシリーズ累計で50万部を突破したとのこと。スゲー。オレンジ文庫の稼ぎ頭になるまで盛り上がってき…

『廃帝綺譚』宇月原晴明 順帝、建文帝、崇禎帝、そして後鳥羽院の物語

『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 タイトルや表紙デザインから想像がつく方もおられるかもしれないが、本作は2006年に上梓さ…

『樹上のゆりかご』荻原規子 『これは王国のかぎ』を読んだら次はこれ

それからの上田ひろみの物語 2002年刊行作品。単行本版は理論社から登場。 樹上のゆりかご 作者:荻原 規子 発売日: 2002/05/01 メディア: 単行本 続いて、中央公論新社のC★NOVELS Fantasia版が2006年に登場している。 樹上のゆりかご (C★NOVELSファンタジア)…

『中世・ルネサンスの音楽』皆川達夫 1970年代に上梓された古楽のガイドブック

皆川達夫先生が亡くなられました Twitter界隈では昨晩から情報が流れていたが、報道でも記事が出てしまった。残念ながら事実であったようだ。 以前に軽く触れたが、わたしは高校時代から合唱を続けている人間である。合唱の世界では、皆川先生と言えば業界の…

『大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代』氏家幹人 大都市江戸のアンダーワールド

江戸のアンダーワールドを知る 1999年刊行。筆者の氏家幹人は1954年生まれの歴史学者。朝日カルチャーセンター掲載のプロフィールによると国立公文書館で勤務されていた方らしい。講談社現代新書の『武士道とエロス』『江戸の性風俗』など、江戸時代について…

『アグネス白書』氷室冴子、『クララ白書』の続篇が登場!

ずいぶん間が空いてしまったが、氷室冴子作品の全作感想を再開したい。本日お届けするのは『アグネス白書』である。 『クララ白書』の続篇が登場 愛蔵版Saeko's early collection おススメ度、こんな方におススメ! あらすじ アグネス舎での一年間を綴る ぱ…

『天帝のつかわせる御矢』古野まほろ シリーズ第二弾は豪華列車内での密室殺人事件

「天帝」シリーズ第二弾! 2007年刊行作品。古野まほろの「天帝」シリーズ第二作である。 天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス) 作者: 古野まほろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/06/08 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブ…

『理由』宮部みゆき 六度目の正直での直木賞受賞作

宮部みゆきの直木賞受賞作 1998年刊行作品。「朝日新聞」夕刊に1996年~1997年にかけて連載されていた作品を加筆したうえで刊行したもの。 第120回直木三十五賞受賞作。更に同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内編一位。「このミステリーがすごい!」国…

『リロ・グラ・シスタ』詠坂雄二 KAPPA-ONE登龍門の最終受賞作

詠坂雄二のデビュー作 2007年刊行作品。光文社版のメフィスト賞とも言える、公募新人賞KAPPA-ONE登龍門(かっぱわんとうりゅうもん)受賞作である。KAPPA-ONE登龍門は2002年にスタートし、石持浅海『アイルランドの薔薇』、東川篤哉『密室の鍵貸します』らを…

「ダ・ヴィンチ」2020年4月号、少女小説特集に掲載されていた全47作を紹介

「ダ・ヴィンチ」2020年4月号は少女小説特集! 書こう書こうと思っているうちに、発売されてからけっこう時間が経ってしまった。 2020年4月号の「ダ・ヴィンチ」で少女小説の特集をやっていたので、出遅れ感はあるが、収録されている全47作をザックリご紹介し…

『四畳半神話大系』森見登美彦  『太陽の塔』と『夜は短し恋せよ乙女』をつなぐ作品

森見登美彦の二作目 2005年刊行作品。森見登美彦の第二作。デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作『太陽の塔』、そしてブレイク作となった『夜は短し恋せよ乙女』。この二作の間に刊行されたミッシングリンクをつなぐ作品が本作である。暗黒京大…

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 謎解きが先か、火事から逃げるのが先か

阿津川辰海の三作目 2019年刊行作品。『名探偵は嘘をつかない』『星詠師の記憶』に続く、阿津川辰海(あつかわ たつみ)の三作目。 阿津川辰海は1994年生まれ。光文社の新人発掘プロジェクト「KAPPA-TWO(カッパツー)」出身の作家である。デビューした光文…

『天帝のはしたなき果実』古野まほろ 第35回メフィスト賞受賞作

読み手を選ぶ「愛すべき地雷」 2007年刊行作品。第35回メフィスト賞受賞作。古野まほろのデビュー作である。 故人となった新本格の父宇山日出臣が最後に推した一冊がこれ。金帯に宇山日出臣の「薦」付きとは歴代メフィスト作家の中でもかなり優遇されている…

『チョコレートコスモス』恩田陸 続篇の『ダンデライオン』はいつ出るの!!

続きが気になる未完シリーズの第一作 2006年刊行作品。サンデー毎日の2006年6月27日号から2005年8月7日号にかけて連載された作品を単行本化したもの。さまざまな媒体で連載を持ったことのある恩田陸だけど、週刊誌連載はこれが初めてかな? チョコレートコス…

『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 誇り高き一人の女の物語

予備知識なしで読んで欲しい 1995年刊行。ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクによる小説作品。原題は『Der Vorleser』。日本版は2000年刊行。新潮社の海外作品レーベル「新潮クレスト・ブックス」からの登場だった。 朗読者 (新潮クレスト・ブックス) 作…

『罪の声』塩田武士 グリコ森永事件をベースとした社会派ミステリの傑作

塩田武士の代表作 2016年刊行作品。2017年本屋大賞で3位、2016年度の週刊文春ミステリーベスト10国内部門1位、第7回山田風太郎賞の受賞作品である。 作者の塩田武士(しおたたけし)は1979年生まれ。2001年の『盤上のアルファ』がデビュー作。前職は新聞記者…

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…

『凶手』アンドリュー・ヴァクス 行間から溢れる狂おしいまでの哀しみ

男と女のロマン・ノワール 1994年刊行作品。オリジナルの米国版は1993年刊行。原題は『Shella』。 凶手 (Hayakawa Novels) 作者:アンドリュー ヴァクス 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1994/05 メディア: 単行本 かれこれ20年以上も前の作品ということに…

『秋期限定栗きんとん事件』「小市民」シリーズの三作目

本ブログは基本ネタバレありで書いている、今回は『秋期限定栗きんとん事件』だけでなく、『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』についても内容について触れているので、その点ご注意いただきたい。 米澤穂信の「小市民」シリーズ第…

『蒲生邸事件』宮部みゆき 普通の人間がまっとうに生きていくことで生まれる感動

SFにしてミステリ、宮部みゆきの20年過ぎても色褪せない名作 1996年作品。『蒲生邸事件』は「がもうていじけん」と読む。「サンデー毎日」に連載されていたもの。第18回(1997年)の日本SF大賞受賞作品。単行本版は毎日新聞社から。 蒲生邸事件 作者:宮部 み…

『女彫刻家』ミネット・ウォルターズ 血まみれのオブジェを作り上げた女の秘密

ミネット・ウォルターズ、二番目の作品 1995年刊行作品。『氷の家』に続く、ミネット・ウォルターズの第二作。オリジナルの英国版は1993年に刊行されていて、原題は『The Sculptress』。アメリカ探偵作家クラブによるエドガー賞の長編賞部門を受賞。デビュー二…

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニー ラスト50ページからの衝撃!

マイクル・コーニー『ハローサマー、グッドバイ』(河出文庫)のネタバレ感想。 残り50ページからのどんでん返しがマジで凄まじい!青春恋愛小説としての魅力、伏線についても考察しています。

『黎明に叛くもの』宇月原晴明の三作目は松永久秀の一代記

宇月原晴明の第三作 2003年刊行。『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』に続く、宇月原晴明(うつきばら はるあき)三作目の作品。 美しい装丁に惚れ惚れ。このハードカバー版が出て、わずか三ヶ月後に四分冊のノベル…

『半落ち』横山秀夫はこの作品でブレイク!

「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」二冠! 初出は「小説現代」。単行本版の刊行は2002年。その年の「このミス」国内部門および「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で共に第一位となった作品。横山秀夫のブレイク作である。 横山秀夫は1957年生…