ネコショカ

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ブックレコメンドへの寄稿始めました

4つ★(おススメ!)

『王妃の離婚』佐藤賢一 うらぶれたオッサンが頑張る話に昂る

佐藤賢一の直木賞受賞作 1999年刊行作品。佐藤賢一の五作目。第121回の直木賞受賞作である。ちなみに同時受賞タイトルは、桐野夏生の『柔らかな頬』であった。 1994年に書かれた佐藤賢一のデビュー作、『ジャガーになった男』は戦国時代にスペインに渡った一…

『また、同じ夢を見ていた』住野よる 人生と幸せの意味

「キミスイ」後の住野よる二作目の作品 2016年刊行作品。大ヒット作となった『君の膵臓をたべたい』に続く、住野よるの第二作である。デビュー作があれだけ売れると、第二作はさぞかしプレッシャーになるのではと思うのだが、また少し違ったタイプの作品を書…

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字 二つの作品が繋がる瞬間のカタルシス!

二作同時刊行された並行世界モノ 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』両作が、2016年6月の同時刊行である。 作者の乙野四方字(おとのよもじ)は1981年生まれ。第18回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、2012年の『ミニッツ 〜一…

星雲賞受賞作「ネプチューン」も収録!新井素子『今はもういないあたしへ…』

星雲賞受賞作「ネプチューン」を収録した作品集 1988年作品。今は亡き大陸書房からの刊行。 「ネプチューン」と「今はもういないあたしへ…」の中編作品が二作収録されている。解説は新井素子を見出した一人ともいえる星新一が書いていて、タイトルは「十年た…

『すみれ屋敷の罪人』降田天 「回想の殺人」を描いた良作ミステリ

降田天の三作目 2018年刊行作品。降田天(ふるたてん)は、萩野 瑛(はぎのえい)と鮎川颯(あゆかわそう)の両名で構成される合作作家のペンネームである。 このコンビ作家の活動歴は長い。鮎川はぎ名義で刊行された「横柄巫女と宰相陛下」シリーズで2007年…

『亡国のイージス』福井晴敏はこの作品でブレイク!

『Twelve Y.O.』の続篇 1999年刊行作品。第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞、第53回日本推理作家協会賞長篇を受賞。「このミス」2000年版でも国内三位にランクイン。福井晴敏(ふくいはるとし)の出世作と言ってよいだろう。 亡国のイ…

『盤上に君はもういない』綾崎隼 ただひたすらに「愛の物語」だった!

綾崎隼が将棋小説に挑戦 2020年刊行作品。作者の綾崎隼(あやさきしゅん)は1981年生まれ。作家デビューは2010年。電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞した『蒼空時雨』(応募時タイトルは『夏恋時雨』)。メディアワークス文庫を中心に、二十冊以上の著作が…

『エヴァンゲリオンの夢』碩学・大瀧啓裕のガチ考察本

あの大瀧先生がTV版「エヴァ」をガチで解読 テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』が放映されていたのは1995年~96年にかけてのこと。なんともかれこれ四半世紀も前のことになる。 そして、『エヴァンゲリオンの夢』は2000年に刊行されている。『新世紀エヴ…

『白い病』カレル・チャペック コロナ禍の今だから読みたい疫病下の世界

疫病が蔓延する世界を描いた戯曲 『白い病(Bílá nemoc)』は、チェコスロバキア(当時)の作家カレル・チャペック(Karel Čapek)が1937年に発表した戯曲である。 岩波文庫版には2020年9月とごく最近の登場である。内容的にコロナ禍の昨今、世に送り出すには…

『ラスト・イニング』あさのあつこ 「バッテリー」シリーズのその後を描く

「バッテリー」シリーズ待望の外伝作品 「バッテリー」シリーズは、正編6冊の感想を書いたものの、長らく本書の存在を知らずにいたので、遅まきながら入手して読んでみたよ。 本作は2007年刊行。新田東対横手の再試合と、その後を描いた「マウンドへと」「白…

『じんかん』今村翔吾 新たな松永久秀像を提示した一作

今村翔吾の躍進が凄い! 2020年刊行作品。「羽州ぼろ鳶組」「くらまし屋稼業」の両人気シリーズで知られる今村翔吾(いまむらしょうご)だが、ここ1~2年の躍進が目覚ましい。 2018年の『童の神』が直木賞候補作に、先日ご紹介した『八本目の槍』は吉川英治…

『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂有紀 二人殺せば地獄行きの世界で連続殺人は可能か?

斜線堂有紀、初のハードカバー作品? 2020年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は1993年生まれ。『キネマ探偵カレイドミステリー』で電撃小説大賞の「メディアワークス文庫賞」を受賞し、2017年に作家デビューを果たしている。 当初はメディ…

『復活の地3』小川一水 復興半ばで起こる新たな事態にどう備える

『復活の地』シリーズの完結編 2004年刊行。第一巻、第二巻と毎週月曜日にお届けしてきた、小川一水による、大都市災害復興シミュレーション小説の最終巻である。最後の巻になって、ようやくセイオとスミルのツーショット表紙が登場。これはちょっと嬉しい。…

『復活の地2』小川一水 復興院の総裁にはなってみたけれど……

『復活の地』シリーズの第二作 2004年刊行作品。先週に引き続き、小川一水の『復活の地』シリーズ全三巻の連続感想をお届けしたい。 『復活の地』はエスエフ仕立ての大都市災害復興シミュレーションだ。未曽有の大震災からいかにして人々を守り、都市を復興…

『復活の地1』小川一水 大震災からの復興物語

『復活の地』シリーズの第一作 なんとなく、毎週月曜は続き物作品の紹介を続けている。先週で『導きの星』四部作の紹介が終わったので、今週からは同じく小川一水作品である『復活の地』全三巻の感想をお届けしたい。 本作は2004年刊行。ベストSF2004国内部…

『あなたの人生の物語』テッド・チャン 「地獄とは神の不在なり」も収録されてます!

テッド・チャンの最初の著作 2003年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年刊行で原題は『Story of Your Life』。 作者のテッド・チャン(Ted Chiang/姜峯楠)は中国系のアメリカ人作家で1967年生まれ。極端な寡作で知られる作家で、つい最近までは本作しか著作…

『導きの星4 出会いの銀河』小川一水 更に物語の深みが増すシリーズ最終巻!

「導きの星」シリーズ全四巻、完結! 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」、第三巻「災いの空」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介も遂に最終巻。本日は、第四巻「出会いの銀河」をご紹介…

『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』阿部暁子 目の前のたった一人のために

阿部暁子、久しぶりの新刊! 2019年は一冊も新作が出なかった阿部暁子(あべあきこ)。2018年の『また君と出会う未来のために』以来、久しぶりの新作オリジナル小説となる。『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』のシリーズは人気…

『導きの星3 災いの空』小川一水 航空機の登場と世界の危機

「導きの星」シリーズの第三作 第一巻「目覚めの大地」 、第二巻「争いの地平」と、毎週月曜日に続けてお届けしてきた、小川一水初期の名作『導きの星』シリーズの連続紹介。本日は第三巻「災いの空」をお届けしたい。2003年に刊行された作品である。二十年…

『導きの星2 争いの地平』小川一水 種の発展に争いは避けられないのか?

「導きの星」シリーズの第二作 2002年刊行作品。先週から始めている小川一水の「導きの星」シリーズの、連続感想二回目である。全四回であと二冊分あるので、しばしお付き合いいただければと。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5…

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 ラスト一行の衝撃にこだわった連作短編集

ラスト一行で落ちるミステリは本書だけ! 2008年刊行作品。新潮社の文芸誌『小説新潮』に掲載された4編に、書下ろし1編を加えて上梓されたもの。 単行本版の帯には以下のような記載がある。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…

『告白』湊かなえは、デビュー作から凄かった!(映画版の感想つき)

湊かなえのデビュー作『告白』のあらすじと、ネタバレ感想、考察。350万部も売れた大ベストセラーで、2009年の本屋大賞受賞作。 松たかこ主演、中島哲也監督の映画版についても感想と、キャスト一覧を記載しています。 本作では異なる人物の「告白」によって…

『導きの星1 目覚めの大地』小川一水 異種文明の歴史を見守る公務員が主人公

北方「水滸伝」の連続感想がようやく終わったので、今週からはジャンルをガラッと変えて、小川一水のこちらの作品をご紹介したい。 小川一水作品はここからガチ 2002年刊行作品。ハルキ文庫のヌーヴェルSFシリーズからの登場。全四巻の『導きの星』シリーズ…

『ざ・ちぇんじ』氷室冴子 男女入れ替わりモノの古典的名作

氷室冴子、もうひとつの平安朝コメディ 前後編の二巻構成で、前編が1983年1月刊行、後編が同2月刊行。氷室冴子としては10冊目、11冊目の単著ということになる。ちなみにこの作品の前に刊行されたのが『雑居時代』、続いて刊行されたのが『シンデレラ迷宮』で…

『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』葵遼太 名作だからみんな読んで!

葵遼太のオリジナル第一作! 2020年刊行作品。作者の葵遼太(あおいりょうた)は1986年生まれ。 デビュー作は、太宰治の『人間失格』をベースにしたSFアニメ映画『HUMAN LOST』のノベライズ版である(原案は冲方丁だ)。 HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ(新…

『なめらかな世界と、その敵』伴名練 寡作作家、初のエスエフ短編集

伴名練『なめらかな世界と、その敵』収録されている6編全てのあらすじ(内容)と、ネタバレ感想を収録しています。

『また君と出会う未来のために』阿部暁子 『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編が登場

『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後の物語 2018年刊行。2019年に出た、『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後を描いた続編的な作品。主人公は異なるが、前作の主な登場人物たちも登場するので、ご安心を。 ちなみに、前作の感想はこちらからどうぞ…

『どこよりも遠い場所にいる君へ』阿部暁子 そして、もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」

『どこよりも遠い場所にいる君へ』のネタバレ感想。作品の考察と、作者・阿部暁子の経歴を紹介。 もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」 続篇『また君と出会う未来のために』の感想もあります。

『白の闇』ジョセ・サラマーゴ ノーベル賞作家が描く視力を奪う感染症の恐怖

ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…