ネコショカ

夜20時更新。雑食系の書評Blogです。
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ブックレコメンドへの寄稿始めました

4つ★(おススメ!)

『導きの星2 争いの地平』小川一水 種の発展に争いは避けられないのか?

「導きの星」シリーズの第二作 2002年刊行作品。先週から始めている小川一水の「導きの星」シリーズの、連続感想二回目である。全四回であと二冊分あるので、しばしお付き合いいただければと。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★★(最大★5…

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 ラスト一行の衝撃にこだわった連作短編集

ラスト一行で落ちるミステリは本書だけ! 2008年刊行作品。新潮社の文芸誌『小説新潮』に掲載された4編に、書下ろし1編を加えて上梓されたもの。 単行本版の帯には以下のような記載がある。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…

『告白』湊かなえは、デビュー作から凄かった!(映画版の感想つき)

湊かなえのデビュー作『告白』のあらすじと、ネタバレ感想、考察。350万部も売れた大ベストセラーで、2009年の本屋大賞受賞作。 松たかこ主演、中島哲也監督の映画版についても感想と、キャスト一覧を記載しています。 本作では異なる人物の「告白」によって…

『導きの星1 目覚めの大地』小川一水 異種文明の歴史を見守る公務員が主人公

北方「水滸伝」の連続感想がようやく終わったので、今週からはジャンルをガラッと変えて、小川一水のこちらの作品をご紹介したい。 小川一水作品はここからガチ 2002年刊行作品。ハルキ文庫のヌーヴェルSFシリーズからの登場。全四巻の『導きの星』シリーズ…

『ざ・ちぇんじ』氷室冴子 男女入れ替わりモノの古典的名作

氷室冴子、もうひとつの平安朝コメディ 前後編の二巻構成で、前編が1983年1月刊行、後編が同2月刊行。氷室冴子としては10冊目、11冊目の単著ということになる。ちなみにこの作品の前に刊行されたのが『雑居時代』、続いて刊行されたのが『シンデレラ迷宮』で…

『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』葵遼太 名作だからみんな読んで!

葵遼太のオリジナル第一作! 2020年刊行作品。作者の葵遼太(あおいりょうた)は1986年生まれ。 デビュー作は、太宰治の『人間失格』をベースにしたSFアニメ映画『HUMAN LOST』のノベライズ版である(原案は冲方丁だ)。 HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ(新…

『なめらかな世界と、その敵』伴名練 寡作作家、初のエスエフ短編集

伴名練『なめらかな世界と、その敵』収録されている6編全てのあらすじ(内容)と、ネタバレ感想を収録しています。

『また君と出会う未来のために』阿部暁子 『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編が登場

『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後の物語 2018年刊行。2019年に出た、『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後を描いた続編的な作品。主人公は異なるが、前作の主な登場人物たちも登場するので、ご安心を。 ちなみに、前作の感想はこちらからどうぞ…

『どこよりも遠い場所にいる君へ』阿部暁子 そして、もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」

『どこよりも遠い場所にいる君へ』のネタバレ感想。作品の考察と、作者・阿部暁子の経歴を紹介。 もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」 続篇『また君と出会う未来のために』の感想もあります。

『白の闇』ジョセ・サラマーゴ ノーベル賞作家が描く視力を奪う感染症の恐怖

ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…

『線は、僕を描く』砥上裕將 本屋大賞第三位&第59回メフィスト賞受賞作品

砥上裕將のデビュー作 2019年刊行作品。第59回メフィスト賞にして、2020年本屋大賞の第三位に輝いた作品である。その他にも、ブランチBOOK大賞2019を受賞、キノベス!2020では第6位にランクイン。2019年に書かれた作品の中でも、特に高く評価された作品の一つ…

『どうかこの声が、あなたに届きますように』浅葉なつ 声は届く。あなたに届く。 

第一回「読者による文学賞」受賞作 2019年刊行作品。作者の浅葉なつは『空をサカナが泳ぐ頃』が、第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞して作家デビューを果たしている。代表作は累計150万部を超えた『神様の御用人』シリーズであろう。 なお、…

『八本目の槍』今村翔吾 人生は選択の連続、もう同じ夢はみられない

ブレイクしそうな今村翔吾の話題作 今村翔吾(いまむらしょうご)は1984年生まれの、時代小説、歴史小説作家である。デビュー作は2017年の『火喰鳥』(羽州ぼろ鳶組シリーズ)。2019年の『童の神』は直木賞候補に。 そして本日ご紹介する『八本目の槍』は201…

『か「」く「」し「」ご「」と「』住野よる 五人の高校生男女の群像劇

住野よるの第四作 2017年刊行作品。『君の膵臓をたべたい』『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』に続く第四作である。新潮社の文芸誌「小説新潮」の2015年~2016年にかけて連載されていた作品を加筆修正のうえで単行本化したものである。 おススメ…

『悪いものが、来ませんように』芦沢央 巧妙な仕掛けと最後に気付かされるタイトルの意味

芦沢央(あしざわよう)『悪いものが、来ませんように』のあらすじと、ネタバレ感想。 「ここに騙された!」伏線ポイントについて書いてみました。

『少女七竈と七人の可愛そうな大人』桜庭一樹 大人になってから読むと身につまされる作品

一般文芸の世界で輝き始めた頃の桜庭一樹作品 桜庭一樹(さくらばかずき)は1971年生まれの女性作家。1990年代に山田桜丸(やまださくらまる)名義で、ライター、ノベライズ作家、ゲームシナリオ作家として活躍。1999年に『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガー…

『海の底』有川浩(ひろ) 自衛隊三部作のラストを飾る一作

『塩の街』『空の中』に続く第三作 2005年刊行作品。『塩の街』が陸上自衛隊、『空の中』では航空自衛隊が登場し、今回の『海の底』では海上自衛隊が登場する。有川浩(ひろ)の最初期の三作、「自衛隊三部作」と呼ばれる一連の作品の最後に登場するのが『海…

『バガージマヌパナス』池上永一 わたしたちの島の話

第六回日本ファンタジーノベル大賞受賞作 1994年刊行作品。池上永一のデビュー作にして、第六回日本ファンタジーノベル大賞受賞作である。ちなみに同時に大賞を受賞したのがかの怪作『鉄塔 武蔵野線』@銀林みのる。この年は当たり年だったんだね。 池上永一…

『ぼぎわんが、来る』澤村伊智 比嘉姉妹シリーズの一作目「ちがつり」がメッチャ怖い!!

日本ホラー小説大賞受賞作 2015年刊行作品。作者の澤村伊智(さわむらいち)は1979年生まれの男性作家。本作『ぼぎわんが、来る』が第22回の日本ホラー小説大賞の大賞を受賞し作家デビューを果たしている。 ぼぎわんが、来る 作者:澤村伊智 発売日: 2015/10/…

『ライオンハート』恩田陸 時空を超えて何度も廻り逢う男女の物語

20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…

『空の中』有川浩(ひろ)の第二作品は特撮マインド全開の会心作

二作目にしてハードカバーで登場 2004年刊行作品。『塩の街』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した有川浩の第二作が本書である。電撃文庫デビューの作家が、なんと二作目でハードカバーで登場である。この作家のブレイク作品と言うと、一般的には『図書館戦…

『果てしなき旅路』ゼナ・ヘンダースン ひっそりと暮らす異能の人々の物語

往年の名作、連作エスエフ短編集 作者のゼナ・ヘンダースンは1917年生まれ、1983年に亡くなられたアメリカ人エスエフ作家である。 教職の傍ら執筆を続けた極めて寡作な作家で、この作品は1952年から1959年にかけてアメリカの「ファンタジー・アンド・サイエンス…

『ピエタ』大島真寿美 追憶、ありえたかもしれない未来、そして人生は続く

2012年の本屋大賞第三位 2011年刊行作品。作者の大島真寿美(おおしまますみ)は1962年生まれ。1992年に「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。同年、すばる文学賞最終候補となった『宙の家』がデビュー作。キャリアの長い作家だが、俄然注目を浴びたのが、20…

『時の果てのフェブラリー 赤方偏移世界』山本弘 11歳の少女が活躍するハードエスエフ作品

ライトノベルの皮をかぶったハードエスエフ 1989年刊行作品。かれこれ30年以上も前の作品である。スニーカー文庫の表紙上に青いラインが入っているのとか、凄く懐かしい感じがする。こちらの表紙イラストは結城信輝が担当。 その後十余年の歳月を経て、2001…

『後宮の烏4』白川紺子 寿雪が探す4つの「失せ物」

シリーズ累計50万部突破! 2020年刊行作品。『後宮の烏』『後宮の烏2』『後宮の烏3』に続く、『後宮の烏』シリーズの四作目にあたる。 4巻の帯によるとなんとシリーズ累計で50万部を突破したとのこと。スゲー。オレンジ文庫の稼ぎ頭になるまで盛り上がってき…

『廃帝綺譚』宇月原晴明 順帝、建文帝、崇禎帝、そして後鳥羽院の物語

『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 タイトルや表紙デザインから想像がつく方もおられるかもしれないが、本作は2006年に上梓さ…

『樹上のゆりかご』荻原規子 『これは王国のかぎ』を読んだら次はこれ

それからの上田ひろみの物語 2002年刊行作品。単行本版は理論社から登場。 樹上のゆりかご 作者:荻原 規子 発売日: 2002/05/01 メディア: 単行本 続いて、中央公論新社のC★NOVELS Fantasia版が2006年に登場している。 樹上のゆりかご (C★NOVELSファンタジア)…

『中世・ルネサンスの音楽』皆川達夫 1970年代に上梓された古楽のガイドブック

皆川達夫先生が亡くなられました Twitter界隈では昨晩から情報が流れていたが、報道でも記事が出てしまった。残念ながら事実であったようだ。 以前に軽く触れたが、わたしは高校時代から合唱を続けている人間である。合唱の世界では、皆川先生と言えば業界の…

『大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代』氏家幹人 大都市江戸のアンダーワールド

江戸のアンダーワールドを知る 1999年刊行。筆者の氏家幹人は1954年生まれの歴史学者。朝日カルチャーセンター掲載のプロフィールによると国立公文書館で勤務されていた方らしい。講談社現代新書の『武士道とエロス』『江戸の性風俗』など、江戸時代について…