2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
リュドミラ・ウリツカヤの出世作 2002年刊行作品。新潮社の外国文学レーベル新潮クレスト・ブックスからの登場。オリジナルのロシア版は1992年に発表されている。原題は『Сонечка』。 作者のリュドミラ・ウリツカヤ(Людмила Улицкая)は1943年生まれのロシア人…
高野史緒はこの作品でデビュー 1995年刊行作品。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に加筆修正したもの。作者の高野史緒(たかのふみお)は1966年生まれの小説家。本作『ムジカ・マキーナ』にて作家デビューを果たしている。エスエフ要素の強い歴…
ブレイク目前、今村翔吾の話題作 今村翔吾(いまむらしょうご)は1984年生まれの、時代小説、歴史小説作家である。デビュー作は2017年の『火喰鳥』(羽州ぼろ鳶組シリーズ)。2019年の『童の神』、2020年の『じんかん』がそれぞれ直木賞候補作に。そして2021…
2006年刊行。信長女体化モノの先駆け作品!佐藤賢一初の日本史作品『女信長』の感想。考察。 信長が実は女だった!というトンデモ視点で既存の信長物語を綺麗にひっくりかえして見せた作品です。
初の非安藤直樹シリーズ 2001年刊行作品。浦賀和宏(うらがかずひろ)の六作目。浦賀和宏はメフィスト賞受賞作の『記憶の果て』以降、安藤直樹シリーズをずっと書いてきた。しかし、六作目にしてようやく、非安藤シリーズ作品を書いてみたのがこちらの『眠り…
「人間」シリーズ、人識編は四冊同時刊行 2010年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズもようやく最後の人識(ひとしき)編なのだが、まさかの四冊同時刊行である!刊行タイトルは以下の通り。 匂宮出夢との関係 無桐伊織との関係 零崎双識との関係 戯言遣い…
白河三兎のデビュー作 2009年刊行作品。第42回のメフィスト賞を受賞。白河三兎(しらかわみと)のデビュー作だ。まずは講談社ノベルスからの登場。 プールの底に眠る (講談社ノベルス) 作者:白河 三兎 講談社 Amazon 講談社文庫版は2013年に刊行されている。…
恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …
伴名練(はんなれん)『なめらかな世界と、その敵』に収録されている6編全てのあらすじ(内容)と、ネタバレ感想を収録しています。文庫版にも対応。
「裏世界ピクニック」シリーズの七作目! 宮澤伊織(みやざわいおり)による「裏世界ピクニック」シリーズの第七弾となる。2021年の12月に刊行された作品。2021年は3月に第六巻が出たばかりなので、刊行ペースの速さに驚かされる。さすがはライトノベル畑の…
戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第三弾 2008年刊行作品。西尾維新の「人間」シリーズも今回で三作目となる。 講談社(西尾維新)文庫版は2012年に刊行されている。ノベルス版にはカードゲーム風のおまけカードが封入されていたが、文庫版では入…
電撃タイトルとしては異例づくめのデビュー作 2007年刊行作品。第13回電撃小説大賞大賞受賞作。作者の紅玉(こうぎょく)いづきは1984年生まれの小説家。本作がデビュー作となる。発売年の「このラノ2008」で第七位。これは新人でしかも単発作品の中では最高…
第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…
岩本隆雄の第四作 2001年刊行作品。今は亡きソノラマ文庫からの登場だった。上中下巻の三巻構成。イラストは小菅久実(こすがくみ)が担当している。 作者の、岩本隆雄(いわもとたかお)は1990年に第1回の日本ファンタジーノベル大賞で最終候補作となった『…
アンモラル感漂う「らしい」作品 2002年刊行。飛鳥部勝則(あすかべ つのり)7作目の長編作品。トクマ・ノベルズより。残念ながら文庫化はされていない。 いつもながら退廃感漂いまくりの飛鳥部勝則作品である。人間失格寸前のエキセントリックな登場人物た…
戯言シリーズスピンアウト「人間」シリーズの第二弾 2006年刊行作品。前作の『零崎双識の人間試験』より、作中の時系列で言うと五年程前のお話。タイトルの読みは「ぜろざききししきのにんげんのっく」。 雑誌「ファウスト」に掲載された「零崎軋識の人間ノ…
垂里冴子シリーズの一作目 1996年刊行作品。まず最初に集英社から単行本版が登場。 垂里冴子のお見合いと推理 作者:山口 雅也 集英社 Amazon その後版元が変わり、2000年に講談社ノベルス版が刊行される。 垂里冴子のお見合いと推理 (講談社ノベルス) 作者:…
「裏世界ピクニック」シリーズの六作目! 2021年刊行作品。宮澤伊織(みやざわいおり)の人気作、「裏世界ピクニック」シリーズの第六弾にあたる。 既刊の感想はこちらから。 『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 『裏世界ピクニック2 果ての浜辺…
ライトノベルには珍しいプロ野球小説 1995年刊行作品。谷山由紀(たにやまゆき)のデビュー作となる。今は亡き朝日ソノラマの小説誌「グリフォン」に93年投稿の「コンビネーション(本作ではジンクスに改題)」に始まり、以後数年をかけて執筆された連作短編…
『恥知らずのパープルヘイズ』は『ジョジョの奇妙な冒険』第五部の外伝的な作品である。このブログは基本的にネタバレありで感想を書いているが、本エントリでは、更に加えてジョジョ第五部の内容についてもネタバレしているので、未読の方はお気を付けを。 …
戯言シリーズからのスピンアウト 2004年刊行作品。講談社BOOK倶楽部に2002年12月から2003年5月にかけて連載されていたものを加筆修正の上で書籍化したもの。戯言シリーズ初の外伝的な作品である。イラストは、戯言シリーズ同様に竹が担当している。タイトル…
吉川良太郎のデビュー作 2001年刊行作品。第二回日本SF新人賞受賞作。作者の吉川良太郎(よしかわりょうたろう)は1976年生まれのエスエフ作家。本作、『ペロー・ザ・キャット全仕事』がデビュー作となる。 日本SF新人賞は日本SF作家クラブが主催し、徳間書店…
パトリック・マッケイブの出世作 2022年刊行作品。オリジナル版は1992年に刊行されており原題は『The Butcher Boy』。作者のパトリック・マッケイブ(Patrick McCabe)は1955年生まれのアイルランド人作家。『ブッチャー・ボーイ』が四作目。 本作はイギリスの…
第一回日本ファンタジーノベル大賞は力作揃い 1989年刊行作品。第一回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品である。 作者の山口泉(やまぐちいずみ)は1955年生まれ。多くの作家が、日本ファンタジーノベル大賞をきっかけとしてデビューしているが、…