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2023年に読んで面白かった新書・一般書10選

『嫉妬と階級の『源氏物語』』大塚ひかり

スポーツ小説

『この銀盤を君と跳ぶ』綾崎隼 二人の天才とそれぞれの伴走者の物語

綾崎隼のスポ根フィギュアスケート小説が登場 2023年刊行作品。作者の綾崎隼(あやさきしゅん)は1981年生まれ。第16回の電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『蒼空時雨』(応募時タイトルは『夏恋時雨』)で作家デビューを果たしている。メディアワークス…

『コンビネーション』谷山由紀のデビュー作はプロ野球の世界を舞台とした連作短編小説

ライトノベルには珍しいプロ野球小説 1995年刊行作品。谷山由紀(たにやまゆき)のデビュー作となる。今は亡き朝日ソノラマの小説誌「グリフォン」に93年投稿の「コンビネーション(本作ではジンクスに改題)」に始まり、以後数年をかけて執筆された連作短編…

『聖女チェレステ団の悪童』ステファノ・ベンニ 無茶なサッカーバトルが笑える

イタリアのベストセラー作品 1995年刊行作品。原題「Compagnia dei Celestini」でオリジナルのイタリア版は1992年刊行。作者のステファノ・ベンニ(Stefano Benni)はイタリア人作家で1947年生まれ。邦訳されている作品は少ないながらも、本国では相応の実績…

『天使のベースボール』野村美月 お嬢さまヒロインが男子校の野球部に!

『天使のベースボール』シリーズ概略 本日お届けするのは野村美月の初期作品である。野村美月といえば「文学少女」シリーズでブレイクしてからの活躍ばかりが目立つが、それ以前にもいくつか作品を残している。必ずしも名作!とは正直言い難い作品も多いのだ…

『バッテリー』あさのあつこ 全六巻の感想まとめ!

各巻ごとに書いていたあさのあつこの『バッテリー』シリーズ全六巻の感想を、ひとつの記事に集約化しました。 シリーズ累計発行部数1,000万部越えの超ベストセラー おススメ度、こんな方におススメ! 『バッテリー』あらすじ 『バッテリーII』あらすじ 『バ…

『夏の祈りは』須賀しのぶ 甲子園を目指す公立校野球部の30年史を描く

須賀しのぶの高校野球小説! 2017年刊行作品。高校野球をテーマとした須賀しのぶ作品としては、まず2015年~2017年にかけて刊行された『雲は湧き、光あふれて』『エースナンバー』『夏は終わらない』の三部作が存在する。本作『夏の祈りは』はこの三作に続い…

『雲は湧き、光あふれて』須賀しのぶ 弱小野球部の成長を綴った三部作

須賀しのぶの高校野球小説! 『雲は湧き、光あふれて』は2015年~2017年にかけて、集英社オレンジ文庫から刊行された須賀しのぶ作品である。高校野球の世界を舞台とした作品で全三巻。ラインナップは以下の通り。 『雲は湧き、光あふれて』(2015年) 『エー…

『DIVE!!』森絵都 飛び込みの世界を舞台としたスポ根小説

講談社版と角川版がある 2000年刊行作品。当初は講談社から単行本が四分冊で刊行されていた。第52回の小学館児童出版文化賞を受賞している。 しかし何故か文庫版は角川からリリース。文庫化に際して上下巻の二巻構成に改められている。内容的にはかなり手が…

『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』阿部暁子 目の前のたった一人のために

車いすテニスの世界を描いた、阿部暁子『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』のあらすじ。長文ネタバレ感想。関連リンクも掲載。

『俺が近所の公園でリフティングしていたら』矢田容生 2ちゃんねらー感動の熱血サッカー小説

2ちゃんねる発のサッカー小説 2006年刊行。2ちゃんねるの国内サッカー板に連載されていた作品を加筆修正の上で商業出版化したもの。作者の矢田容生(やたひろお)は1971年生まれ。2020年現在、著作は本作のみであるようだ。ちなみに文庫化もされていないが…

『ラスト・イニング』あさのあつこ 「バッテリー」シリーズのその後を描く

「バッテリー」シリーズ待望の外伝作品 「バッテリー」シリーズは、正編6冊の感想を書いたものの、長らく本書の存在を知らずにいたので、遅まきながら入手して読んでみたよ。 本作は2007年刊行。新田東対横手の再試合と、その後を描いた「マウンドへと」「白…

『銀盤カレイドスコープ Vol.9 シンデレラ・プログラム』海原零 圧巻の最終滑走

「銀盤カレイドスコープ」最終巻 2006年刊行。遂に最終巻である。Vol.8との同時発売。バンクーバー五輪フリープログラム+α編。 最後だからということもあるのだろうけど、脇役の至藤、ドミニク、ステイシー、キャンドルにもちゃんと感動的な見せ場が用意さ…

『銀盤カレイドスコープ Vol.8 コズミック・プログラム』海原零 いよいよ残り二冊!

「銀盤カレイドスコープ」ラスト二冊は同時刊行 2006年刊行作品。このシリーズも遂に完結目前。ラストのVol.8はVol.9と合わせての二冊同時刊行であった。 いよいよ次が大ラスの最終巻かと思うとなんだかしみじみしてしまう。 目次を見る限りでは、前巻のVol.…

『銀盤カレイドスコープ Vol.7 リリカルプログラム』海原零 最終章前のインターミッション回

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの七作目 2006年刊行作品。熱血フィギュアスケート小説の第七巻。 刊行当時、世の中的にはトリノが終わったばかりなのだが、「銀盤カレイドスコープ」の世界では早くも2009年。前巻のあとがきでは次のバンクーバー編で最後…

『銀盤カレイドスコープ Vol.6 ダブル・プログラム』 ライバルから見たヒロイン像

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの六作目 2005年刊行作品。シリーズ六作目。今回はまたしても視点が変わって、かつてのライバルたちが主人公となる。複数の視点を取り入れながら、主人公タズサのキャラクタを立体的に描き出していこうという趣向である。 …

『銀盤カレイドスコープ Vol.5 ルーキー・プログラム』海原零 明快で分かり易いプロレス的なカタルシス

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの五作目 2005年刊行作品。シリーズも五作目で、本作で折り返しポイントである。 今回は15歳のジュニアスケーター、キャンドル・アカデミアが登場。タズサ視点とキャンドル視点が切り替わりながらの展開となっている。 あら…

『銀盤カレイドスコープ Vol.4 リトル・プログラム』海原零 今回はノービス編!

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの四作目 2005年刊行作品。シリーズ四作目。一作目と二作目で女子シングルスの世界を描き、三作目ではなんとペアスケーティングに挑戦!フィギュアスケートの世界を、多角的に描いていく本シリーズだが、今回はなんとノービ…

『銀盤カレイドスコープ Vol.3 ペア・プログラム』海原零 ペアスケーティング編!

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの三作目 2004年刊行。シリーズ三作目。パートナーであったピートを失い、トリノ五輪での活躍を終えてからのタズサの物語である。 あらすじ トリノオリンピック後の世界選手権で二位。世界のトップスケーターへの仲間入りを…

『銀盤カレイドスコープ Vol.2 フリー・プログラム』海原零 トリノ五輪編に突入!

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの二作目 2003年刊行。海原零による、「銀盤カレイドスコープ」シリーズの第二作である。 現実を先取りして(当時)、今回はトリノ五輪編である。この時点で作中では2006年の設定になっていた。 あらすじ オリンピック日本…

『銀盤カレイドスコープ Vol.1 ショート・プログラム』海原零 熱血スポ根フィギュア小説

長らく毎週火曜日は西尾維新作品の感想をあげてきた。しかしさすがにそろそろネタ切れ気味なので、今週からは別作家のシリーズ作品感想をアップしていきたい。西尾作品の感想を楽しみにされていた方スミマセン。いずれまたやるので、ちょっと待ってね。 海原…