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小説

『夏のロケット』川端裕人 サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作

川端裕人のデビュー作 1998年刊行作品。第15回のサントリーミステリー大賞の優秀作品賞受賞作。作者の川端裕人(かわばたひろと)は1964年生まれで、本作がデビュー作となる。ちなみに大賞は結城五郎の『心室細動』。 夏のロケット 作者:川端 裕人 文藝春秋 …

『ホテル』エリザベス・ボウエンの第一長編作品

ボウエン作品が日本語で読めるようになった 作者のエリザベス・ボウエン(Elizabeth Bowen)は1899年生まれ。アイルランド生まれの小説家。1973年没。 本作『ホテル』は2021年刊行作品。原題は『The Hotel』で1927年の刊行。100年近く前の作品ということにな…

『赤×ピンク』桜庭一樹 女と少女の狭間 八角形の檻の中で戦う女たちの物語

桜庭一樹の転機となった作品 2003年刊行作品。ファミ通文庫からの刊行。当初はライトノベルレーベルからの登場であった。イラストは高橋しんが担当。 桜庭一樹は1999年の『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』でデビューしているが、最初の数年間は内…

川口俊和『思い出が消えないうちに』明日世界が終るとしても

不思議な喫茶店の物語第三弾 2018年刊行作品。『コーヒーの冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』に続く、シリーズの三作目である。 今回の帯によるとシリーズ100万部突破とのこと。スゲー!こういう直球で泣かしに来る作品はやっぱり当たると爆発力が…

『この嘘がばれないうちに』川口俊和 数ちゃんの秘密が明らかに!

『コーヒーの冷めないうちに』の続編が登場 2017年刊行。『コーヒーの冷めないうちに』シリーズの二作目。一作目は演劇作品を小説化したものであったが、続編の本作は最初から小説として書かれたのかなのかな? 本ブログは原則としてネタバレありでお届けし…

『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和のネタバレ感想!映画版との比較も書きました

オリジナルは演劇作品だった 2015年刊行。もともとは戯曲として書き下ろされていた作品を、小説として書き直したもの。2017年の本屋大賞では第10位にランクインしている。 コーヒーが冷めないうちに1110プロヂュース主宰の川口俊和が2010年に当時、演劇ワー…

『失踪HOLIDAY』乙一 白い方の乙一、初期作品

乙一初のスニーカー文庫作品 2000年刊行作品。 乙一(おついち)としては四作目の作品。JUMP j BOOKSの『夏と花火と私の死体』でデビューし、その後集英社メインで作品を発表してきたこの作家としては、初めての他社作品ということになる。もちろんスニーカ…

『推し、燃ゆ』宇佐美りん 第164回(2020年度下半期)芥川賞受賞作品

宇佐美りんの第二作 2020年刊行作品。『文藝』秋季号(2020年7月号)に発表された作品を書籍化したもの。第164回(2020年度下半期)の芥川賞受賞作品である。 筆者の宇佐美りんは1999年生まれ。2019年のデビュー作『かか』でいきなり文藝賞、更に三島由紀夫…

『タタール人の砂漠』ディーノ・ブッツァーティ 無為な日常がすり減らしていく人生

ブッツァーティの代表作 2013年刊行。オリジナルのイタリア語版は1940年に刊行されており原題は「Il deserto dei Tartari」。作者のディーノ・ブッツァーティ(Dino Buzzati)は1906年生まれのイタリア人作家。20世紀イタリア文学を代表する作家の一人である…

『洋食セーヌ軒』神吉拓郎 中高年男女の心の機微を描く珠玉のグルメ掌編集

名作掌編集が復刊! 今は亡き、鎌倉書房の季刊誌「四季の味」にて連載。1982(昭和57)年の春号~1986(昭和61)年夏号にかけて掲載されていた作品をまとめたもの。 単行本版は1987年に新潮社より登場。かれこれ30年以上も前に出た作品である。 洋食セーヌ軒…

『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』阿部暁子 目の前のたった一人のために

車いすテニスの世界を描いた、阿部暁子『パラ・スター Side 百花/Side 宝良』のあらすじ。長文ネタバレ感想。関連リンクも掲載。

2020年に読んで面白かった小説10選

今年ギリギリになってしまったが、恒例の年間ベスト企画、昨日のマンガ編に続いて小説編をお届けしたい。「2020年に出た作品」ではなく、「2020年に読んだ本」が対象なのでその点は注意。また、特に順位などはつけていない。 このページに関してはネタバレな…

『阿修羅ガール』舞城王太郎 第16回三島由紀夫賞受賞作

三島由紀夫賞受賞作 2003年1月刊行作品。『煙か土か食い物』『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている。』『熊の場所』に続く、舞城王太郎五作目の作品となる。講談社以外から出版された始めての作品でもある。 阿修羅ガール 作者:舞城 王太郎 メディア: …

『俺が近所の公園でリフティングしていたら』矢田容生 2ちゃんねらー感動の熱血サッカー小説

2ちゃんねる発のサッカー小説 2006年刊行。2ちゃんねるの国内サッカー板に連載されていた作品を加筆修正の上で商業出版化したもの。作者の矢田容生(やたひろお)は1971年生まれ。2020年現在、著作は本作のみであるようだ。ちなみに文庫化もされていないが…

『また、同じ夢を見ていた』住野よる 人生と幸せの意味

「キミスイ」後の住野よる二作目の作品 2016年刊行作品。大ヒット作となった『君の膵臓をたべたい』に続く、住野よるの第二作である。デビュー作があれだけ売れると、第二作はさぞかしプレッシャーになるのではと思うのだが、また少し違ったタイプの作品を書…

『盤上に君はもういない』綾崎隼 ただひたすらに「愛の物語」だった!

綾崎隼が将棋小説に挑戦 2020年刊行作品。作者の綾崎隼(あやさきしゅん)は1981年生まれ。作家デビューは2010年。電撃小説大賞で選考委員奨励賞を受賞した『蒼空時雨』(応募時タイトルは『夏恋時雨』)。メディアワークス文庫を中心に、二十冊以上の著作が…

『ラスト・イニング』あさのあつこ 「バッテリー」シリーズのその後を描く

「バッテリー」シリーズ待望の外伝作品 「バッテリー」シリーズは、正編6冊の感想を書いたものの、長らく本書の存在を知らずにいたので、遅まきながら入手して読んでみたよ。 本作は2007年刊行。新田東対横手の再試合と、その後を描いた「マウンドへと」「白…

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ 2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品

ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』のあらすじ、ネタバレ感想、犯人、タイトルの意味等、作品の魅力についてご紹介します。

『山ん中の獅見朋成雄』舞城王太郎が描く異界往還譚

ミステリの制約から解き放たれた舞城王太郎作品 2003年刊行作品。講談社の文芸誌「群像」の2003年7月号に掲載された作品を単行本化したもの。舞城王太郎(まいじょうおうたろう)としては、七作目の作品。一つ前に刊行された『阿修羅ガール』は三島由紀夫賞…

『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海 全ての人に「ヤマモト」が居てほしい

北川恵海のデビュー作 2015年刊行作品。作者の北川恵海(きたがわえみ)は1981年生まれ。本作が第21回電撃大賞の電撃小説大賞部門〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、作家デビューを果たしている。マイナビの記事によると2019年1月の時点で70万部!の大ベ…

『白の闇』ジョセ・サラマーゴ ノーベル賞作家が描く視力を奪う感染症の恐怖

ノーベル文学賞受賞者が描く感染症小説 筆者のジョセ・サラマーゴ(José de Sousa Saramago)は1922年ポルトガル生まれの作家。1998年にはノーベル文学賞を受賞。2010年に87歳で没している。 『白の闇』のオリジナル版は1995年刊。原題は『Ensaio sobre a ceg…

『どうかこの声が、あなたに届きますように』浅葉なつ 声は届く。あなたに届く。 

第一回「読者による文学賞」受賞作 2019年刊行作品。作者の浅葉なつは『空をサカナが泳ぐ頃』が、第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞して作家デビューを果たしている。代表作は累計150万部を超えた『神様の御用人』シリーズであろう。 なお、…

『つきのふね』森絵都 空から救いの船は降りてこない

マイファースト森絵都作品 1998年刊行作品。野間児童文芸書受賞作品。わたし的には本作が初森絵都であった。たくさん作品が出ているので、どれから読むべきか迷ったけど、一番薄っぺらいのからチャレンジしてみた次第。 つきのふね 作者:森 絵都 発売日: 199…

『忘れないと誓ったぼくがいた』平山瑞穂の第二作は切なさあふれる恋愛小説

平山瑞穂の第二作品 2006年刊行作品。『ラス・マンチャス通信』の平山瑞穂が、ファンタジーノベル大賞受賞後一年半の空白を経て上梓した二作目が本書である。 忘れないと誓ったぼくがいた 作者:平山 瑞穂 発売日: 2006/02/20 メディア: 単行本 新潮文庫版は20…

『チョコレートコスモス』恩田陸 続篇の『ダンデライオン』はいつ出るの!!

続きが気になる未完シリーズの第一作 2006年刊行作品。サンデー毎日の2006年6月27日号から2005年8月7日号にかけて連載された作品を単行本化したもの。さまざまな媒体で連載を持ったことのある恩田陸だけど、週刊誌連載はこれが初めてかな? チョコレートコス…

『朗読者』ベルンハルト・シュリンク 誇り高き一人の女の物語

予備知識なしで読んで欲しい 1995年刊行。ドイツ人作家ベルンハルト・シュリンクによる小説作品。原題は『Der Vorleser』。日本版は2000年刊行。新潮社の海外作品レーベル「新潮クレスト・ブックス」からの登場だった。 朗読者 (新潮クレスト・ブックス) 作…

『熊の場所』初の短編集、ミステリのくびきから解き放たれた舞城王太郎

舞城王太郎の四作目 2002年刊行。「群像」掲載の二作に書き下ろし(「ピコーン!」)を加えて単行本化したもの。作中の短編「熊の場所」は第15回の三島由紀夫賞の候補作品である。 舞城王太郎(まいじょうおうたろう)としては、『煙か土か食い物』『暗闇の中…

2019年に読んで面白かった小説10選 ミステリ・SF・一般小説まで幅広く!

もう1月も1/3が過ぎてしまったが、年間ベスト企画、新書編、マンガ編と続いて、最後は小説編である。「2019年に出た本」ではなく、「2019年に読んだ本」が対象ね。 ここ十年ほど、小説が読めない病に罹患しており、2018年後半からなんとか復帰。2019年はひた…

『西の魔女が死んだ』梨木香歩のデビュー作にして代表作

梨木香歩はこの作品から始まった 1994年作品。最初の単行本版は楡出版より刊行されている。 西の魔女が死んだ 作者:梨木 香歩 出版社/メーカー: 楡出版 発売日: 1994/04 メディア: 単行本 続いて、小学館による新装版が1996年に登場。 西の魔女が死んだ 作者…

『ナポレオンの勇者たち』リチャード・ハワード 邦訳版は二巻で打ち切られてショック!

『ナポレオンの勇者たち』シリーズとは? 本日お届けするのはリチャード・ハワードの『ナポレオンの勇者たち』シリーズである。リチャード・ハワードは1958年生まれの英国人作家。ホラー系のジャンルを得意しているショーン・ハトスンの別名義作品である。 Abe…