ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

ファンタジー

『四畳半神話大系』森見登美彦  『太陽の塔』と『夜は短し恋せよ乙女』をつなぐ作品

森見登美彦の二作目 2005年刊行作品。森見登美彦の第二作。デビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作『太陽の塔』、そしてブレイク作となった『夜は短し恋せよ乙女』。この二作の間に刊行されたミッシングリンクをつなぐ作品が本作である。暗黒京大…

『宇宙のみなもとの滝』山口泉 第一回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作

第一回日本ファンタジーノベル大賞は力作揃い 1989年刊行作品。第一回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品である。 作者の山口泉(やまぐちいずみ)は1955年生まれ。多くの作家が、日本ファンタジーノベル大賞をきっかけとしてデビューしているが、…

『ネガレアリテの悪魔 黎明の夜想曲』大塚已愛 シリーズ二作目が登場!

「ネガレアリテの悪魔」シリーズの第二作 2019年刊行作品。作者の大塚已愛(おおつかいちか)は2018年に『鬼憑き十兵衛』(応募時タイトルは『勿怪の憑』)で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。併せて、『ネガレアリテの悪魔 贋物たちの輪舞曲』(応募時タ…

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。宇月原晴明のデビュー作である。宇月原晴明(うつきばらはるあき)は1963年生まれ。デビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌…

『裏庭』梨木香歩 第一回児童文学ファンタジー大賞受賞作

児童文学ファンタジー大賞受賞作 1996年に理論社より刊行。第一回の児童文学ファンタジー大賞受賞作品。 ちなみに、この児童文学ファンタジー大賞は滅多に大賞を出さない文学賞である。25年の歴史の中で第一回の梨木香歩『裏庭』と、第三回の伊藤遊『鬼の橋…

『アイランド』葉月堅 第八回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作

葉月堅のデビュー作にして唯一の作品 1996年刊行作品。第八回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。ちなみにこの年の大賞受賞作は該当なし。始まったばかりの頃のファンタジーノベル大賞は、どういうわけか奇数回に実力作が集まる傾向があった。その…

『西の善き魔女外伝3 真昼の星迷走』荻原規子 シリーズ最終巻!

「西の善き魔女」シリーズ最後の作品 2003年刊行作品。時間軸的には本編5巻の後のお話。つまり一番最後に読むべきなのがこの巻ということになる。 西の善き魔女外伝〈3〉真昼の星迷走 (C・NOVELSファンタジア) 作者:荻原 規子 出版社/メーカー: 中央公論新社…

『竜と祭礼—魔法杖職人の見地から—』筑紫一明 第11回GA文庫大賞、奨励賞受賞作

筑紫一明のデビュー作 2020年刊行作品。第11回GA文庫大賞の奨励賞受賞作。作者の筑紫一明(つくしいちめい)は1998年生まれで、本作がデビュー作となる。 ちなみに、GA(じーえー)文庫大賞はSBクリエイティブが主催する公募新人賞。歴代の著名作品としては…

『西の善き魔女外伝2 銀の鳥プラチナの鳥』荻原規子 アデイルメインの外伝エピソード

「西の善き魔女」シリーズの外伝二巻目 2000年刊行。「西の善き魔女」シリーズは本編五冊+外伝三冊で成り立っていて、本作は外伝の二作目である。 西の善き魔女 外伝2 銀の鳥 プラチナの鳥 (C★NOVELSファンタジア) 作者:荻原規子 出版社/メーカー: 中央公…

『西の善き魔女外伝1 金の糸紡げば』荻原規子 いちばん初めの物語

「西の善き魔女」シリーズの外伝作品 2000年刊行。『西の善き魔女』シリーズ一冊目の外伝作品である。 本編は第五巻である「闇の左手」でいちおうの完結を見ているのだが、「西の善き魔女」シリーズその後、三作の外伝が書かれている。 西の善き魔女 外伝1 …

『戒(かい)』小山歩 第14回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作

小山歩のデビュー作にして唯一の作品 2002年刊行作品。第14回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作である。 作者の小山歩(おやまあゆみ)は宮城県気仙沼市出身で、東北学院大学文学部史学科で、専攻は民俗学。しかしながらこの作家、結局これ一冊きりで…

『西の善き魔女5 闇の左手』荻原規子 ひとまず本編は完結

「西の善き魔女」シリーズの五作目 1999年に中央公論社版C★NOVELSファンタジア版が登場。これが一番最初の版。 シリーズ第五巻。ノベルズ版ではこれが本編の最終巻である。当時はこの第五巻に続いて外伝が三冊刊行された。 西の善き魔女5 闇の左手 (C★NOVEL…

『僕僕先生』仁木英之 ニートな僕と美少女仙人の物語

第18回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作 2006年刊行作品。第18回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作品。何故かソフトカバーなんですけどどうして?ちなみに僕僕先生のオリジナルというか元ネタは中国の昔話集「広異記」にあるらしい。 なお、こ…

『西の善き魔女4 世界のかなたの森』荻原規子 見えてきた世界の輪郭

「西の善き魔女」シリーズの四作目 1998年刊行。シリーズ四作目。 オリジナルの中央公論社版C★NOVELSファンタジア版は1998年刊行。その後2003年版に新装版が登場している。 西の善き魔女4 世界のかなたの森 (C★NOVELSファンタジア) 作者:荻原規子 出版社/メ…

『西の善き魔女3 薔薇の名前』荻原規子 フィリエル首都メイアンジュリーへ

「西の善き魔女」シリーズの三作目 オリジナルの中央公論社版C★NOVELSファンタジア版は1998年刊行。その後2003年版に新装版にリニューアル。 西の善き魔女3 薔薇の名前 (C★NOVELSファンタジア) 作者:荻原規子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2013/0…

『西の善き魔女2 秘密の花園』荻原規子

お正月進行で一週空いてしまったが、毎週火曜日はライトノベル系の大長編作品を、一巻ずつ紹介する日である。本日は荻原規子の「西の善き魔女」シリーズの第二回。 「西の善き魔女」シリーズの二作目 1997年刊行作品。 あれ、イラストが変わっていると思った…

『いのちのパレード』恩田陸ならではの「奇想」を味わう第三短編集

恩田陸、三冊目の短編集 2007年刊行作品。実業之日本社の小説誌「ジェイ・ノベル」に掲載されていた作品14編に、書き下ろし1編を加えて単行本化したもの。 『図書室の海』『朝日のようにさわやかに』に続く、恩田陸三作目の短編集である。 いのちのパレード …

『白銀の墟 玄の月』小野不由美 十二国記シリーズ18年ぶりの長編新作

泰麒と驍宗のその後が遂に描かれる 『白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)』は2019年刊行作品。『魔性の子』『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空』『図南の翼』『黄昏の岸 暁の天』『華胥の幽夢』『丕…

『西の善き魔女1 セラフィールドの少女』荻原規子 版がいろいろある人気シリーズ

荻原規子の代表作 1997年刊行作品。言わずとしれた有名作品で、荻原規子の出世作である。と、書いても最近の人だとあんまりよく知らないかな? なお、梨木香歩の『西の魔女が死んだ』とは全く別のお話である。 いろいろな版が出ているので、正直完璧に説明で…

「十二国記」最新刊『白銀の墟 玄の月』を報道はどう伝えたか

『白銀の墟 玄の月』関連の各社報道をまとめてみた 『白銀の墟 玄の月』以前から、既に大ヒット作であった「十二国記」シリーズだが、それはあくまでも読書人の間にだけで、一般層への認知はいま一つだったのではないだろうか。今回の『白銀の墟 玄の月』は…

『オルガニスト』山之口洋 第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作

山之口洋のデビュー作 1998年刊行作品。第10回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品である。ちなみにこの年の優秀賞は沢村凛の『ヤンのいた島』と涼元悠一の『青猫の街』である。 作者の山之口洋(やまのぐちよう)は1960年生まれ。本作がデビュー作と…

『それでも君が』高里椎奈のドルチェ・ビスタシリーズ

高里椎奈による「密室本」 2002年刊行作品。講談社ノベルズ20周年企画「密室本」の一冊である。高里椎奈と言えば、薬屋探偵シリーズが定番だったが(当時)、本作は初の非薬屋シリーズ作品だった。 その後『お伽話のように』『左手をつないで』と続いていく…

『レキオス』池上永一 千年の眠りから覚める沖縄の封印

池上永一の第四作 2000年刊行。『バガージマヌパナス』『風車祭』『復活、へび女』(改題されて『あたしのマブイ見ませんでしたか』)に続く池上永一の四作目である。 ベストSF2000の国内部門の第2位。2001年版の「このミステリーがすごい!」の国内部門第20…

『<柊の僧兵>記』菅浩江のデビュー二作目

ソノラマ文庫版とデュアル文庫版がある 1990年刊行作品。最初はソノラマ文庫からの登場。この時の表紙イラストは加藤洋之&後藤啓介。『ゆらぎの森のシエラ』に続く、菅浩江の第二作である。ちなみに『<柊の僧兵>記』は「ひいらぎのそうへいき」と読む。 「…

『丕緒の鳥』小野不由美 十二国記シリーズ二冊目の短編集

「十二国記」シリーズの第八作 『丕緒(ひしょ)の鳥』は2013年刊行作品。『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空』『図南の翼』『黄昏の岸 暁の天』『華胥の幽夢』に続く「十二国記」シリーズ、八作目の作品である…

『ネガレアリテの悪魔』大塚已愛 登場した絵画も併せてご紹介します

角川文庫キャラクター小説大賞受賞作 2019年刊行作品。KADOKAWA主催による、第四回角川文庫キャラクター小説大賞の大賞受賞作。『鬼憑き十兵衛』でファンタジーノベル大賞を受賞した、大塚已愛(おおつかいちか)の第二作でもある。 特徴のある画風だから、…

『競漕海域』佐藤茂 第9回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品

佐藤茂のデビュー作 1997年刊行作品。第9回の日本ファンタジーノベル大賞、優秀賞受賞作品である。作者の佐藤茂は1967年生まれ。 ちなみにこの年の大賞受賞作品は井村恭一の『ベイスボイルブック』であった。 なお、文庫化はされていない模様。 あらすじ 伝…

『華胥の幽夢』小野不由美 十二国記初の短編集

「十二国記」シリーズの第七作は初の短編集 『華胥(かしょ)の幽夢(ゆめ)』は2001年刊行作品。『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空』『図南の翼』『黄昏の岸 暁の天』に続く「十二国記」シリーズ、七作目の作…

『黄昏の岸 暁の天』小野不由美 「十二国記」エピソード6

『白銀の墟 玄の月』の3巻、4巻が出る前に「十二国記」シリーズの既刊を再読しておきたい!企画もようやく先が見えてきた。今回は『黄昏の岸 暁の天』をご紹介したい。 「十二国記」シリーズの第六作 『黄昏の岸 暁の天』は2001年刊行作品。『月の影 影の海…

『図南の翼』小野不由美 「十二国記」エピソード5

『白銀の墟 玄の月』の3巻、4巻が出るまでに、「十二国記」の既刊を全て再読してしまいたい(←まだ言ってる)。ということで、本日は、「十二国記」のエピソード5『図南の翼』をご紹介しよう。 「十二国記」シリーズの第五作 本作は1996年刊行作品。『月の影…