ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

ファンタジー

『華胥の幽夢』小野不由美 十二国記初の短編集

「十二国記」シリーズの第七作は初の短編集 『華胥(かしょ)の幽夢(ゆめ)』は2001年刊行作品。『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空』『図南の翼』『黄昏の岸 暁の天』に続く「十二国記」シリーズ、七作目の作…

『黄昏の岸 暁の天』小野不由美 「十二国記」エピソード6

『白銀の墟 玄の月』の3巻、4巻が出る前に「十二国記」シリーズの既刊を再読しておきたい!企画もようやく先が見えてきた。今回は『黄昏の岸 暁の天』をご紹介したい。 「十二国記」シリーズの第六作 『黄昏の岸 暁の天』は2001年刊行作品。『月の影 影の海…

『図南の翼』小野不由美 「十二国記」エピソード5

『白銀の墟 玄の月』の3巻、4巻が出るまでに、「十二国記」の既刊を全て再読してしまいたい(←まだ言ってる)。ということで、本日は、「十二国記」のエピソード5『図南の翼』をご紹介しよう。 「十二国記」シリーズの第五作 本作は1996年刊行作品。『月の影…

『風の万里 黎明の空』小野不由美 「十二国記」エピソード4

新作が出るまでに、「十二国記」の既刊を全て再読してしまうつもりだったけど、とうとう新刊『白銀の墟 玄の月』が出てしまった……。 ともあれ、既刊を全て再読するまで新刊はお預け。本日は、「十二国記」のエピソード4『風の万里 黎明の空』をご紹介しよう…

グイン・サーガ続篇146巻『雲雀とイリス』 マリウスとオクタヴィアの再会

続篇グインサーガ16冊目! 2019年刊行作品。2019年はグインサーガ40周年であり、栗本薫の没後10年にあたるメモリアルイヤーである。 2013年から始まった続篇グインサーガは五代ゆうと宵野ゆめの二人執筆体制での刊行が続いていた。しかし2016年の140巻『ヤー…

『鬼憑き十兵衛』大塚已愛 成長物語、ボーイミーツガール、伝奇小説の愉しみ、全てがここにある!

2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作 2019年刊行作品。大塚已愛(おおつかいちか)のデビュー作である。2018年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作だ。ちなみに応募時タイトルは『勿怪の憑』。 作者の大塚已愛は『ネガレアリテの悪魔 贋者たちの輪舞曲…

『風よ龍に届いているか』ベニー松山のウィザードリー小説2作目は傑作ファンタジー

本日は台風通過後の後片付け中のため、旧記事のリライトで。まだ、台風通過中の地域の皆さま、くれぐれもお気を付け下さい。 「隣り合わせの灰と青春」に続く、ウィザードリー小説の2作目 風よ。龍に届いているか―小説ウィザードリィ〈2〉 作者: ベニー・松…

『隣り合わせの灰と青春』ベニー松山 「ウィザードリィ」の世界を完全再現

台風通過中のため本日は、初期公開記事のリライトでゴメンナサイ。皆さま、どうかご無事で~。 ファミコンゲーム「ウィザードリィ」のノベライズ 30年前に刊行された作品だが、未だ色褪せないゲームノベライズの先駆にして、その域をはるかに超えてしまった…

『東の海神 西の滄海』小野不由美 「十二国記」エピソード3

新作が出るまでに、「十二国記」の既刊を全て再読してしまおうシリーズ、ようやくエピソード3。 まだ道は長い。 「十二国記」シリーズの第三作 本日は『東の海神 西の滄海(ひがしのわたつみ にしのそうかい)』をご紹介したい。『月の影 影の海』『風の海 …

『あたしのマブイ見ませんでしたか』池上永一、初の短編集

池上永一の三作目 1999年刊行作品。「Seven Seas」「週刊小説」に95年~99年にかけて発表された作品群をまとめたものである。長編作品が印象に残りがちな池上永一だが、本書はそんな彼の初の短編集だ。『バガージマヌパナス』『風車祭(カジマヤー)』に続く…

『風の海 迷宮の岸』小野不由美 「十二国記」エピソード2

新作が出るまでに、 「十二国記」シリーズを全巻再読しておこう企画、このペースだと間に合わなさそう……。 当ブログの読書感想は、原則としてネタバレアリである。加えて、本エントリでは前作『月の影 影の海』、更に外伝的なエピソードである『魔性の子』に…

『仮想の騎士』斉藤直子 ファンタジーノベル大賞優秀賞作品

斉藤直子のデビュー作 2000年刊行作品。第十二回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。この年は大賞は該当作なし。優秀賞もこれ一作とことのほか寂しい年なのであった。 青空を基調とした表紙イラストが美麗で思わず手に取ってみたくなる出来の良…

『月の影 影の海』小野不由美 「十二国記」エピソード1

「十二国記」エピソードゼロ『魔性の子』の感想を書いてから、少し時間が空いてしまったが、ようやくシリーズ一作目『月の影 影の海』のレビュー書いたので、改めてご紹介したい。長くなったので目次をつけたよ。 「十二国記」シリーズ最初の作品 あらすじ …

『後宮の烏3』白川紺子 呪詛を受ける者

『後宮の烏3』から地図が入った 2019年刊行作品。『後宮の烏』シリーズの三作目。一作目の『後宮の烏』が2018年4月、二作目の『後宮の烏2』が2018年12月、そして今回の『後宮の烏3』が2019年8月と、きっちり八か月間隔で刊行されている。多数のシリーズを抱…

『魔性の子』小野不由美 「十二国記」エピソードゼロ作品

『魔性の子』三つのバージョン 1991年に、今は亡き、新潮文庫のファンタジーノベル・シリーズから刊行された作品である。ファンタジーノベル版時代の表紙はこちら。表紙上部に「ファンタジーノベル・シリーズ」と入っている。この時点で、既に菊地秀行の解説…

『糞袋』藤田雅矢 タイトルが強烈過ぎる!!

藤田雅矢のデビュー作 1995年刊行作品。第七回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。ちなみにこの年のファンタジーノベル「大賞」は該当作なしであった。 なお、『糞袋』はもちろん「くそぶくろ」と読む。糞袋とは、糞を包んでいる袋、つまり人…

『童話物語』向山貴彦 国産ハイ・ファンタジーのオールタイムベスト

ファンタジー好きなら絶対読んで欲しい傑作 1999年刊行作品。作者の向山貴彦(むこうやまたかひこ)は1970年生まれの作家、翻訳家。残念ながら腎臓ガンのために、2018年に47歳の若さで亡くなられている。 本作のオリジナルとして、1997年に自主制作版(2,000…

「グイン・サーガ」40年目の到達点!あの人はどうなった?

栗本薫「グインサーガ」のキャラクターがその後どうなったか、シリーズ40年分のネタバレまとめ。 五代ゆう、宵野ゆめによる続篇については全話感想を掲載。 リタイア組も、継続組の方も是非ご覧ください。

『ヤンのいた島』沢村凛 第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作

ファンタジーノベル大賞の投稿常連だった沢村凛 1998年刊行作品。第10回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作である。 ちなみにこの年の大賞は山之口洋の『オルガニスト』で、もう一作の優秀賞は涼元悠一の『青猫の街』。 文庫版は何故か新潮社からは…

西崎憲『世界の果ての庭 ショートストーリーズ』55編の物語の連なり

西崎憲の小説家デビュー作 第14回日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品である。作者の西崎憲は1955年生まれ。作曲家、翻訳家などのキャリアを経て、本作にて小説家としてデビューしている。 副題の「ショートストーリーズ」が応募時のタイトルで、刊行…

渡辺球『象の棲む街』第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞

渡辺球のデビュー作 2003年刊行作品。第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作である。作者の渡辺球(わたなべきゅう)は1967年生まれ。 ちなみにこの時の大賞受賞作は森見登美彦の『太陽の塔』である。 残念ながら文庫化はされていない。 渡辺球は本…

『<骨牌使い>の鏡』五代ゆう、国産ファンタジーの傑作

続篇グインサーガの書き手としてばかり、五代ゆうを取り上げてきたが、彼女は国産ファンタジーの書き手としても以前より実績のある作家である。ここで改めて代表作の一つ『<骨牌使い>の鏡』を紹介しておこう。 五代ゆうの代表作 2000年刊行作品。「骨牌使い…

『後宮の烏2』白川紺子 深まる謎と寿雪の決意

※2019/9/8追記 『後宮の烏3』の感想も書きました!こちらからどうぞ 『後宮の烏』の第二弾 2018年刊行作品。同年に刊行され、好評を博した『後宮の烏』の続編である。一年も経たないうちに第二巻を出してくるとはさすがはライトノベル系作家。筆が早い。 あ…

グイン・サーガ40周年!続篇145巻『水晶宮の影』

お待たせしてしまったが(さいきんはもっぱら図書館派なのだ)、グインサーガ続篇145巻『水晶宮の影』の感想をお届けしたい。 グインサーガ40周年、栗本薫没後10年 グインサーガの第一巻『豹頭の仮面』が刊行されたのは1979年である。そして栗本薫が世を去っ…

養毛剤から始まる人類滅亡『BH85』森青花

日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞作品 1999年刊行作品。第11回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。作者の森青花(もりせいか)は1958年生まれ。 表紙イラストは吾妻ひでお。インパクト強いなあこの表紙は。新井素子の懐かしの名作『絶句』(旧…

グイン・サーガ外伝26巻『黄金の盾』円城寺忍デビュー作

栗本薫亡きあとのグインサーガ外伝四作目 栗本薫亡き後の「グインサーガ」は、まず外伝作品からリスタートした。久美沙織による『星降る草原』、牧野修による『リアード武俠傳奇・伝』、宵野ゆめによる『宿命の宝冠』と続いて、本日ご紹介するの円城寺忍によ…

『アラビアの夜の種族』古川日出男 馥郁たる闇の香り

古川日出男の出世作 2001年刊行作品。ゲームボーイソフト『ウィザードリィ外伝2・古代皇帝の呪い』のノベライズ版として刊行された『砂の王』(ログアウト冒険文庫/未完)を下敷きに、全く別の物語として再構築し直したのが本作である。 砂の王〈1〉 (ログア…

いにしえのPC98ユーザ感涙『青猫の街』涼元悠一

1998年刊行作品。作者の涼元 悠一は1969年生まれ。1992年の集英社コバルト文庫『あいつはダンディ・ライオン』がデビュー作。本作で第十回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞している。ちなみに大賞は山之口洋の『オルガニスト』である。 その後はゲ…

グイン・サーガ外伝25巻『宿命の宝冠』宵野ゆめデビュー作

栗本薫亡きあとのグインサーガ外伝第三作 先々週の久美沙織による『星降る草原』、そして先週の牧野修による『リアード武俠傳奇・伝』に続いて、本日は宵野ゆめによるグインサーガ外伝『宿命の宝冠』をご紹介しよう。 2013年刊行作品である。 本作は栗本薫の…

『さみしさの周波数』乙一、最後のスニーカー文庫作品

「白い方」の乙一作品集 2003年作品。乙一としては10作目の作品である。せつない系の短編群が集められた初期白乙一を代表する作品の一つと言える。 4編目の『失はれた物語』のみ書き下ろしで、それ以外は「ザ・スニーカー」に2001年から2002年にかけて掲載さ…