ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

ファンタジー

小川一水『ハイウイング・ストロール』年上の女性との冒険行

ソノラマ文庫時代の小川一水作品 2004年刊行作品。 1996年に『まずは一報ポプラパレスより』でデビューした小川一水は、その後ゼロ年代の前半までは、朝日ソノラマのソノラマ文庫を主要な作品発表媒体としていた。本作はそのうちの一作である。 本作は空を飛…

グイン・サーガ外伝24巻『リアード武俠傳奇・伝』牧野修

栗本薫亡きあとのグインサーガ外伝第二作 本日は、先週の久美沙織『星降る草原』に続いて、牧野修によるグインサーガ外伝『リアード武俠傳奇・伝』(りあーどぶきょうでんき・でん)をご紹介したい。 2012年刊行作品である。 本作も、栗本薫の配偶者であった…

グイン・サーガ外伝23巻『星降る草原』久美沙織

既に145巻の『水晶宮の影』が刊行されているのだが、 未だ読めていないため、 栗本薫没後に刊行された外伝作品の方を先にご紹介したい。 本日は登場するのは外伝23巻、 2012年刊行の久美沙織による『星降る草原』である。 栗本薫亡きあとの外伝作品第一作 20…

グイン・サーガ続篇144巻『流浪の皇女』なかなか話が進まない

今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」ということで、本日はグイン・サーガ続篇144巻の感想をお届けしたい。 続篇グインも14冊目に 栗本薫の死後に、五代ゆうと、宵野ゆめによってシリーズが再開してから五年。この巻で十四冊目となるのだが、意外にという…

グイン・サーガ続篇143巻『永訣の波濤』沿海州に陰謀の予感

快男児カメロン追悼 2018年刊行。前巻で明らかになったが、宵野ゆめの病気療養による降板によって、五代ゆうによる執筆巻が続いている。本巻はタイトル、表紙を見れば一目瞭然であるが、135巻『紅の凶星』で殺害されたカメロンの追悼巻となっている。 あらす…

秋山瑞人全作品紹介!全6作14冊+2編

おススメ秋山作品の紹介。『イリヤの空 UFOの夏』『EGコンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』『ミナミノミナミノ』『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 』詳細感想へのリンク付き。文庫未収録の二作品についても紹介。

グイン・サーガ続篇142巻『翔けゆく風』当面は五代ゆうが単独執筆

宵野ゆめ病気療養のため降板 2018年刊行。あれ、偶数巻なのに五代ゆう?と思われた方は鋭い。 2017年の4月に五代ゆうによる141巻『風雲のヤガ』が出てから、この年はまったく続巻が出ず、どうしたのかと思っていたところ、本巻のあとがきにより宵野ゆめの病…

『太陽の塔』森見登美彦は最初からすごかった

森見登美彦のデビュー作 第15回の日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作品。2003年刊行。今は説明の必要もないほどの人気作家、森見登美彦のデビュー作が本作だ。当時の森見登美彦は現役の京大生。在学中にこれほどの快作を書きあげていたとは恐るべなのであ…

グイン・サーガ続篇141巻『風雲のヤガ』ブランの受難は続く

2017年の続篇グインはこれ一冊のみ 続篇グインも11冊目。2017年の4月に刊行された本作だが、実はこの年のグインサーガは一冊しか刊行されなかった。このあたりの事情は、142巻で説明されるので次週までお待ちを。 あらすじ 囚われの身となっている、フロリー…

遠藤由実子『うつせみ屋奇譚』魅惑のライト民俗学ミステリ

妖怪、判じ絵、そして忘れられた神々の物語 2019年刊行。遠藤由実子のデビュー作。大変失礼なことに、Twitterで感想を書いた時ははお名前の漢字を間違えていた。遠藤由実子さんなのであります。申し訳ありませんでした。 あらすじ 父親の仕事の都合で転校す…

グイン・サーガ続篇140巻『ヤーンの虜』今回もグインだけが働き過ぎ

ケイロニア国土を縦横無尽に疾駆する豹頭王 2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては遂に本巻で十冊目。宵野ゆめ版のグインとしてはこれが五作目にあたる。138巻に続いて、陰謀渦巻くケイロニア情勢を描く。 あらすじ アンテーヌ選帝侯アウルス・フェロンの…

五代版と宵野版が交差する、グイン・サーガ続篇139巻『豹頭王の来訪』

五代ゆうサイドにもグインが登場 2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては九冊目。五代グインとしては本作が五作目にあたる。 あらすじ ミロクの聖地ヤガ。その最深部に潜入したブランは、高僧ソラ・ウィンに出会う。そして<新しきミロク>の信徒たちが切望…

グイン・サーガ続篇138巻『ケイロンの絆』ケイロニア反グイン派の動きが活発に

オクタヴィア戴冠、一枚岩とは言えないケイロニアのお家事情を描く 2016年刊行。続篇グイン・サーガとしては八冊目。宵野ゆめ版のグインとしてはこれが四作目にあたる。 あらすじ オクタヴィアの戴冠式を前に、ケイロニアでは不穏な事態が相次ぐ。ツルミット…

秋山瑞人最後の作品?『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』

四年かかってようやく第二巻が登場 2012年刊行。前作『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』が2008年刊行だったので、なんと四年ぶりの新刊!わたしは、この時期、小説を全く読んでいなかったので、発売されていたことに全く気付いていなかった。よもや、続きを読むこ…

恒川光太郎『夜市』人界と魔界の端境の物語

恒川光太郎のデビュー作 2005年刊行。恒川光太郎(つねかわこうたろう)の第一作。表題作の「夜市」は第12回日本ホラー小説大賞受賞作品。本書では、加えて書き下ろしの「風の古道」が追加され、単行本化されている。 処女作の本作でいきなり第134回直木賞の…

白川紺子の『後宮の烏(からす)』はしんみり泣ける中華ファンタジーの佳品

下鴨アンティークの白川紺子(こうこ)最新シリーズ。 集英社オレンジ文庫『後宮の烏(からす)』のあらすじ、各エピソードの考察とネタバレ感想を書いています。 後宮の奥深く、<烏妃>と呼ばれる妃の物語。

グイン・サーガ続篇137巻『廃都の女王』猫頭の神アウラ・シャー登場

スカール、魔都フェラーラへ 2015年刊行。栗本薫亡きあとの、続篇グイン・サーガとしては七冊目。五代グインとしてはこれが四作目にあたる。 あらすじ 大鴉ザザと狼王ウーラにいざなわれ、スカールとスーティは魔都フェラーラを訪れる。しかし、キタイの首都…

秋山瑞人の中華ファンタジー『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 01』

三年間のブランク後の新シリーズ 2008年刊行作品。先週紹介した『ミナミノミナミノ』から数えると、なんと秋山瑞人としては、三年ぶりに出た新刊が本作である。 一巻だけ出てその後三年間、何の音沙汰もなかった『ミナミノミナミノ』はいらない子であったと…

ケイロニアの皇位継承問題が決着、グイン・サーガ続篇136巻『イリスの炎』

ケイロニアに新皇帝誕生 2015年刊行。宵野ゆめが書いたグイン・サーガとしては本作が三作目になる。 思えばシリーズ初期の17巻あたりから、長らく引っ張ってきたケイロニアの皇位継承問題がやっとこさ解決。皇位を継ぐのは果たして誰か?って、まあタイトルか…

続篇が始まってから最大の衝撃回、グイン・サーガ続篇135巻『紅の凶星』

4つの舞台の物語を収録 2015年刊行。五代ゆう描くところのグイン・サーガとしてはこれで三作目。 今回は、ブランのヤガ潜入レポート、リギア一行の逃避行、クリスタルでのイシュトヴァーンとカメロン、そしてスカールたちの魔都フェラー行と4つの舞台のお話…

ケイロニアの皇位継承問題が再燃、グイン・サーガ続篇134巻『売国妃シルヴィア』

宵野ゆめ版グインの二冊目 2014年刊行。正篇の続篇としては四冊目。宵野ゆめグインとしては132巻の『サイロンの挽歌』までは『グイン・サーガ・ワールド』に掲載されていた作品の文庫化であったが、この巻より書き下ろしとなっている。 あらすじ 幽閉中であ…

ヤガ編が再スタート、グイン・サーガ続篇133巻『魔聖の迷宮』

時間的に書けるかどうか微妙だったけど、既に作品は全て読んでいるのでなんとかなりそう。よって、当面毎週金曜日はグイン・サーガの続篇を紹介していくことにした。かなり、読んでいただける方を限定してしまいそうだけど許してね。 五代ゆう版グインの二冊…

カストラートの歌声と、絶対王政時代のハッキングバトル『カント・アンジェリコ 』

高野史緒の第二作 1996年刊行作品。第6回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『ムジカ・マキーナ』に続く、高野史緒の第二作。 単行本版の刊行から二十年近く、長期にわたって入手困難な状態が続いていたが、文庫版が2013年に登場している。 カ…

宵野ゆめによるグイン・サーガ続篇132巻『サイロンの挽歌』

宵野ゆめパートのケイロニア編がスタート 2013年刊行。『グイン・サーガ・ワールド』5巻~8巻に掲載されていた作品を文庫化したものである。 グイン・サーガ「正篇の続篇」は、五代ゆうと宵野ゆめ、二人の書き手を立てる異例の体制を取っていた。前巻の『パ…

栗本薫亡きあとのグイン・サーガの続篇131巻『パロの暗黒』

書くべきか辞めるべきか悩んだのだけど、せっかくBlogを再開したので、グインの感想も残しておくことにした。1巻から書くのはあまりにも大変なので、とりあえず続篇部分から書いてみるよ。 未完に終わった『グイン・サーガ』 グイン・サーガは栗本薫によるヒ…

魅力的な世界観を持つファンタジー作品、城戸光子『青猫屋』

第八回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品 1996年刊行。第八回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。ちなみにこの年は大賞は該当無し。優秀賞の同時受賞作品が葉月賢の『アイランド』である。 作者の城戸光子は1952年生まれ。受賞時は現役の舞台…

一冊まるごとカーテンコール!『空ノ鐘の響く惑星で 外伝 tea party's story』

10年後の物語 2007年刊行。シリーズ13作目。 あれ、先週完結編の『空ノ鐘の響く惑星で12』の紹介があったばかりなのでは?という疑問があるかもしれないが、本作は、本編完結の翌年に上梓された後日譚編なのである。わざわざ、完結してから一年過ぎて、こう…

大団円、完璧な王族エンド『空ノ鐘の響く惑星で12』

最終巻の表紙は主役級の三人で 2006年刊行。シリーズ最終作だ。 本シリーズの表紙は、これまで二人の主要キャラクターが描かれ、一巻ごとに登場キャラが入れ替わっていくスタイルだった。しかし、ラストとなる本巻では、表紙の法則性が崩れて、フェリオ、ウ…

思考から文字の概念が失われたら?古川日出男の『アビシニアン』を読む

今週のお題「2019年の抱負」、古川日出男作品のレビューを書く! というか、小説の類をこの10年程、読んでいないので、未読の古川作品がメチャたくさんあるのだ。まずは、この未読の山をなんとかしていかないとね。 本日ご紹介するのは、古川日出男の最初期…

結末に向けて収束していく物語世界『空ノ鐘の響く惑星で11』

大長編ラノベ(ソラカネシリーズ)の感想は、本来は火曜日更新だった気がするけど、昨日は年始のあいさつに使ってしまったので、一日ずれて本日になりました。待たれていた方(いるのかな?)、もしいらしたらゴメンナサイ。本日から、平常運転に戻るはず。 …