ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

『煙か土か食い物』舞城王太郎 第19回メフィスト賞受賞作

舞城王太郎衝撃のデビュー作 2001年刊行作品。第19回のメフィスト賞受賞作品である。舞城王太郎(まいじょうおうたろう)最初の作品である。舞城王太郎は1973年生まれで、福井県出身。しかし、それ以外の経歴は一切公表されていない覆面作家である。 本作は…

『銀盤カレイドスコープ Vol.5 ルーキー・プログラム』海原零 明快で分かり易いプロレス的なカタルシス

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの五作目 2005年刊行作品。シリーズも五作目で、本作で折り返しポイントである。 今回は15歳のジュニアスケーター、キャンドル・アカデミアが登場。タズサ視点とキャンドル視点が切り替わりながらの展開となっている。 あら…

『フリーランチの時代』小川一水の第二短編集

ヴァラエティに富んだ内容の短編集 2008年刊行作品。SFマガジン等に掲載された作品群をまとめた小川一水の第二短編集。第一短編集である『老ヴォールの惑星』のスケールの大きさに較べるとやや小粒かな。 あらすじ 火星探査に訪れた隊員たちを待ち受ける奇想…

『遙かなり神々の座』谷甲州は山岳小説も面白い

谷甲州はSFだけじゃない! 1990年刊行作品。かれこれ30年近く前に世に出た作品である。 作者の谷甲州は1951年生まれ。航空宇宙軍史シリーズなどのSF作品が特に知られているが、もう一つの柱が山岳小説である。 遥かなり神々の座 作者: 谷甲州 出版社/メーカ…

『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』鈴木博之 歴史的因縁が土地にもたらすもの

サントリー学芸賞受賞作品 筆者の鈴木博之(すずきひろゆき)は建築史家。東京大学や、青山大学の教授を歴任。東大の名誉教授にもなり、2014年に68歳で亡くなっている。 本作は1990年刊行。サントリーが主催する学術賞、サントリー学芸賞を受賞している。 東…

『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』宇月原晴明の二作目 伝奇小説好き必読の一作

宇月原晴明の二作目は太閤秀吉と秀次の物語 本作は2002年刊行。第11回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』に続く宇月原晴明(うつきばらはるあき)の二作目である。分量にして約二倍、568ページの圧倒的な長大ボ…

『伊予小松藩会所日記』増川宏一 馬が一頭しかいなかった小藩が残した日常の記録

一万石の小藩が残した150年間の記録 2001年の本書刊行当時、わたしはたまたま松山を訪れていた。銀天街の書店にて手書きポップの威力に負け購入してしまった一冊がコレ。ご当地ものには弱いのだ。 本書は、伊予小松藩(現在の愛媛県西条市小松町)に残されて…

『銀河帝国の弘法も筆の誤り』田中啓文 「バカSF」をとことん楽しめる一作

SF

第33回星雲賞受賞作を含む短編集 2001年刊行作品。SFマガジン1997年8月号、2000年2月号、、SFマガジン1999年9月臨時増刊号に掲載された作品に加え、表題作を含む書き下ろし二作を加えたSF短編集である。表題作である「銀河帝国の弘法も筆の誤り」は第33回星雲…

『銀盤カレイドスコープ Vol.4 リトル・プログラム』海原零 今回はノービス編!

「銀盤カレイドスコープ」シリーズの四作目 2005年刊行作品。シリーズ四作目。一作目と二作目で女子シングルスの世界を描き、三作目ではなんとペアスケーティングに挑戦!フィギュアスケートの世界を、多角的に描いていく本シリーズだが、今回はなんとノービ…

『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』コニー・ウィリス 時間モノの傑作

ヒューゴー賞・ローカス賞ダブル受賞作 2004年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年に刊行されている。原題は『To Say Nothing of the Dog』。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。日本では「このミステリがすごい!2005」海外部門第九位、「SFが読みたい2005」海…

『三体』劉慈欣 全世界2100万部の超ベストセラーSF

「三体」シリーズ三部作の一作目 2019年刊行作品。オリジナルの中国版は2006年に中国のSF雑誌『科幻世界』に連載されていたもので、2008年に書籍化されている。作者の劉慈欣(りゅうじきん/リウツーシン)は1963年生まれの中国人SF作家。本作で、2015年のヒ…

『華胥の幽夢』小野不由美 十二国記初の短編集

「十二国記」シリーズの第七作は初の短編集 『華胥(かしょ)の幽夢(ゆめ)』は2001年刊行作品。『月の影 影の海』『風の海 迷宮の岸』『東の海神 西の滄海』『風の万里 黎明の空』『図南の翼』『黄昏の岸 暁の天』に続く「十二国記」シリーズ、七作目の作…