ネコショカ

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『北条氏の時代』
七人の得宗家から読み解く鎌倉時代

青春小説

『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』大澤めぐみ 繋がらなかった縁と繋がった縁の物語。

毎年紹介している気がするけど、卒業シーズンなのでこの一冊を推したい。昨年松本に行ってきたので「6番線」の写真を撮ってきたよ! 大澤めぐみの三作目 2017年刊行作品。大澤めぐみは小説投稿サイト「カクヨム」出身の作家。2016年の角川スニーカー文庫の『…

『いまさら翼といわれても』米澤穂信 古典部シリーズの六作目

六年ぶりの古典部シリーズ 2016年刊行作品。KADOKAWAの文芸誌、『野性時代』『文芸カドカワ』に掲載されていた短編作品をまとめたもの。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』『ふたりの距離の概算』に続く、古典部シリー…

『ひとくいマンイーター』大澤めぐみ わたしがなんであるのかは、わたしが自分で決める

『おにぎりスタッバー』の前日譚 2017年刊行作品。大澤めぐみの第二作となる。 前作『おにぎりスタッバー』の続編、というか前日譚に相当する物語となっている。イラストは前作同様に、U35(うみこ)が担当。 『おにぎりスタッバー』の感想はこちらから。 『…

『ふたりの距離の概算』米澤穂信 古典部シリーズ五作目、新キャラ大日向登場

古典部メンバーたちが二年生に! 2010年刊行。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』に続く、古典部シリーズの五作目である。 2009年から2010年にかけて、雑誌「野生時代」に連載されていた作品を単行本化に際して加筆修…

『遠まわりする雛』米澤穂信 古典部シリーズ初の短編集

地方都市のうつろいゆく春夏秋冬 2007年刊行。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』に続く、古典部シリーズの四作目。 2002年から2007年にかけて、雑誌「ザ・スニーカー」「野生時代」に掲載された作品を集めた短編集。最後に収録されている…

『クドリャフカの順番 「十文字」事件』米澤穂信 古典部シリーズ三作目、直面するそれぞれの限界

米澤穂信の「古典部」シリーズ三作目。『クドリャフカの順番 「十文字」事件』のあらすじ、ネタバレ感想。アニメ版『氷菓』の12話から17話に該当します。 「古典部」シリーズ全作の感想もあります。

『推定少女』桜庭一樹 角川文庫版はエンディングが増えてる!?

桜庭一樹の初期作品 2004年刊行作品。桜庭一樹(さくらばかずき)名義の作品としては八作目。最初はエンターブレインのライトノベルレーベル、ファミ通文庫からの登場だった。イラストは高野音彦(たかのおとひこ)が担当。橋本紡の『リバーズ・エンド』シリ…

『愚者のエンドロール』米澤穂信の古典部シリーズ第二作

古典部シリーズ第二作 2002年刊行。『氷菓』に続く米澤穂信(よねざわほのぶ)の古典部シリーズ第二作である。表紙イラストは高野音彦が担当している。英題は「Why didn't she ask EBA?」(なぜ、江波に頼まなかったのか?)。 第一作の『氷菓』同様に、こち…

『氷菓』米澤穂信のデビュー作にして、古典部シリーズの一作目

米澤穂信のデビュー作 2001年刊行。第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。同大賞はこの年から、ヤングミステリー&ホラー部門を創設しており、当該部門で、奨励賞を受賞したのが本作だ。2022年に『黒牢城(こくろうじょう)』で直木賞を受賞した米澤穂信のデ…

『天帝の愛でたまう孤島』古野まほろ 往年の「孤島モノ」作品への言及が楽しい、

天帝シリーズ三作目は孤島モノ 2007年刊行作品。古野まほろによる、天帝シリーズの三作目にあたる。 天帝の愛でたまう孤島 (講談社ノベルス) 作者:古野 まほろ 講談社 Amazon デビュー作の『天帝のはしたなき果実』が2007年の1月刊行。第二作の『天帝のつか…

『記憶の果て』浦賀和宏 第5回メフィスト賞受賞作

追悼 浦賀和宏 ミステリ愛好家の方であれば既にご存じかと思うが、浦賀和宏(うらがかずひろ)の死去が報じられた。死因は脳出血。デビューから20年以上経つので、けっこうな年齢なのかと思っていたら、なんと1978年生まれ。まだ41歳の若さである。いくらな…

『天帝のつかわせる御矢』古野まほろ シリーズ第二弾は豪華列車内での密室殺人事件

「天帝」シリーズ第二弾! 2007年刊行作品。『天帝のはしたなき果実』に続く、古野まほろの「天帝」シリーズ第二作である。 天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス) 作者: 古野まほろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/06/08 メディア: 新書 購入: 1人 …

『線は、僕を描く』砥上裕將 本屋大賞第三位&第59回メフィスト賞受賞作品

砥上裕將のデビュー作 2019年刊行作品。第59回メフィスト賞にして、2020年本屋大賞の第三位に輝いた作品である。その他にも、ブランチBOOK大賞2019を受賞、キノベス!2020では第6位にランクイン。2019年に書かれた作品の中でも、特に高く評価された作品の一つ…

『コンビニなしでは生きられない』秋保水菓 第56回メフィスト賞受賞作品

秋保水菓のデビュー作 2018年刊行作品。筆者の秋保水菓(あきうすいか)は1994年生まれのミステリ作家。本作『コンビニなしでは生きられない』で、第56回のメフィスト賞を受賞し、作家としてデビューしている。 講談社ノベルス版の表紙イラストはukiが担当。…

『アクアリウムの夜』稲生平太郎 地方都市の春夏秋冬を抒情豊かに描いた幻想小説

今週のお題「読書の秋」本日はこちら。 稲生平太郎名義の初小説作品 もともとは1990年に書肆風の薔薇のロサ・ミスティカ叢書から出ていた作品。 アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書) 作者:稲生 平太郎 書肆風の薔薇 Amazon その後、2002年にスニーカー文…

『風よ僕らの前髪を』弥生小夜子 第30回鮎川賞優秀賞受賞作品

弥生小夜子のデビュー作 2021年刊行作品。作者の弥生小夜子(やよいさよこ)は1972年生まれ。過去には創元ファンタジー新人賞で第1回、第5回で最終選考まで残った実績がある。今回の『風よ僕らの前髪を』では、第30回鮎川賞の優秀賞を受賞し作家デビューを果…

『フラッガーの方程式』浅倉秋成 最高のご都合主義をあなたに!

浅倉秋成の第二作 2013年刊行作品。『ノワール・レヴナント』に続く、浅倉秋成(あさくらあきなり)の第二作である。単行本は講談社BOXレーベルからの登場であった。イラストは中村ゆうひが担当していた。 フラッガーの方程式 (講談社BOX) 作者:浅倉秋成 …

『永遠の出口』森絵都 多感な十代の少女の日々を描く

「永遠」に惹かれた少女時代を描く 2003年刊行作品。集英社の小説誌『小説すばる』に、1999年~2002年にかけて掲載されていた作品をまとめたもの。 永遠の出口 作者:森 絵都 集英社 Amazon 集英社文庫版は2006年に登場している。 おススメ度、こんな方におス…

『この夏のこともどうせ忘れる』深沢仁 十代の「特別な夏」を描いた良短編集

深沢仁の短編作品集 2019年刊行作品。作者の深沢仁(ふかざわじん)は2011年刊行の『R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く』が、第二回のこのライトノベルがすごい!大賞の優秀賞を受賞し作家デビュー。その後、2012年『グッドナイト×レイヴン』、2013年に『睦笠神社…

ドラマ版『六番目の小夜子』が素晴らしかったので全力で紹介する

ドラマ版『六番目の小夜子』が再放送された! 7月某日、Twitterを眺めていたら驚愕すべき情報が流れて来た。 ✨深夜の #イッキ見まつり✨【#六番目の小夜子】総合で一挙再放送!7/31(土)午前0:11(金曜深夜)8/1(日)午前0:36(土曜深夜)8/2(月)午前0:36(日曜深夜)…

『日田夏物語』岩橋秀喜 あなたの昭和の夏がよみがえる

昭和世代には刺さる作品 2021年刊行作品。作者の岩橋秀喜(いわはしひでき)は1950年生まれ。岐阜大学の工学部を卒業後、技術者として働き、その後学習塾経営者に。更に、1979年には岐阜大学の医学部に再入学し、その後は医師として活躍した人物。 作家とし…

『本と鍵の季節』米澤穂信 ダブル探偵!二人の男子高生が活躍するミステリ

米澤穂信、二年ぶりの新作だった 集英社の小説誌「小説すばる」に2012年~2018年にかけて掲載されていた作品を加筆修正。更に書下ろし一篇を加えて上梓された作品。 一作目となる「913」は2012年刊行の集英社文庫創刊35周年記念のアンソロジー『いつか、君へ…

『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』伊与原新 宮沢賢治×ロードノベルの魅力

ブレイクしそうな伊与原新作品 2020年刊行作品。作者の伊与原新(いよはらしん)は1972年生まれ。第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞した、2010年刊行の『お台場アイランドベイビー』がデビュー作。その後『月まで三キロ』では第38回新田次郎文学賞を受賞。『…

『DIVE!!』森絵都 飛び込みの世界を舞台としたスポ根小説

講談社版と角川版がある 2000年刊行作品。当初は講談社から単行本が四分冊で刊行されていた。第52回の小学館児童出版文化賞を受賞している。 しかし何故か文庫版は角川からリリース。文庫化に際して上下巻の二巻構成に改められている。内容的にはかなり手が…

『彼女は死んでも治らない』大澤めぐみ 個性的な文体が冴える「コージーミステリー」

大澤めぐみ作品が光文社から登場 2019年刊行作品。2016年に『おにぎりスタッバー』で商業デビューして以降、『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』と、角川スニ…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

『米澤穂信と古典部』 シリーズ15年を記念したムック本

<古典部>シリーズのムック本 2017年刊行作品。米澤穂信(よねざわほのぶ)の人気作<古典部>シリーズのムック本である。英題は『The Memories of Classic Club』。古典部って「Classic Club」なんだ! <古典部>シリーズは2001年に1作目『氷菓』が刊行。2016年…

『赤×ピンク』桜庭一樹 女と少女の狭間 八角形の檻の中で戦う女たちの物語

桜庭一樹の転機となった作品 2003年刊行作品。ファミ通文庫からの刊行。当初はライトノベルレーベルからの登場であった。イラストは高橋しんが担当。 桜庭一樹は1999年の『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』でデビューしているが、最初の数年間は内…

『麦の海に沈む果実』恩田陸 「理瀬」シリーズの実質的な一作目!

2021年5月26日に恩田陸の「理瀬」シリーズ、17年ぶりの新作長編『薔薇のなかの蛇』が刊行される!嬉しい~ 薔薇のなかの蛇 作者:恩田 陸 発売日: 2021/05/26 メディア: 単行本 ということで、「理瀬」シリーズの旧作紹介をお届けしたい。17年も新作出ていな…

『青の数学2』王城夕紀 数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。

今週のお題「おうち時間2021」に便乗します!おうち時間はひたすら読書です。 王城夕紀の四作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』。『青の数学』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第四作。『青の数学』の続編である。引…