ネコショカ

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青春小説

『本と鍵の季節』米澤穂信 ダブル探偵!二人の男子高生が活躍するミステリ

米澤穂信、二年ぶりの新作だった 集英社の小説誌「小説すばる」に2012年~2018年にかけて掲載されていた作品を加筆修正。更に書下ろし一篇を加えて上梓された作品。 一作目となる「913」は2012年刊行の集英社文庫創刊35周年記念のアンソロジー『いつか、君へ…

『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』伊与原新 宮沢賢治×ロードノベルの魅力

ブレイクしそうな伊与原新作品 2020年刊行作品。作者の伊与原新(いよはらしん)は1972年生まれ。第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞した、2010年刊行の『お台場アイランドベイビー』がデビュー作。その後『月まで三キロ』では第38回新田次郎文学賞を受賞。『…

『DIVE!!』森絵都 飛び込みの世界を舞台としたスポ根小説

講談社版と角川版がある 2000年刊行作品。当初は講談社から単行本が四分冊で刊行されていた。第52回の小学館児童出版文化賞を受賞している。 しかし何故か文庫版は角川からリリース。文庫化に際して上下巻の二巻構成に改められている。内容的にはかなり手が…

『彼女は死んでも治らない』大澤めぐみ 個性的な文体が冴える「コージーミステリー」

大澤めぐみ作品が光文社から登場 2019年刊行作品。2016年に『おにぎりスタッバー』で商業デビューして以降、『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』と、角川スニ…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

『米澤穂信と古典部』 シリーズ15年を記念したムック本

<古典部>シリーズのムック本 2017年刊行作品。米澤穂信(よねざわほのぶ)の人気作<古典部>シリーズのムック本である。英題は『The Memories of Classic Club』。古典部って「Classic Club」なんだ! <古典部>シリーズは2001年に1作目『氷菓』が刊行。2016年…

『赤×ピンク』桜庭一樹 女と少女の狭間 八角形の檻の中で戦う女たちの物語

桜庭一樹の転機となった作品 2003年刊行作品。ファミ通文庫からの刊行。当初はライトノベルレーベルからの登場であった。イラストは高橋しんが担当。 桜庭一樹は1999年の『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』でデビューしているが、最初の数年間は内…

『麦の海に沈む果実』恩田陸 「理瀬」シリーズの実質的な一作目!

2021年5月26日に恩田陸の「理瀬」シリーズ、17年ぶりの新作長編『薔薇のなかの蛇』が刊行される!嬉しい~ 薔薇のなかの蛇 作者:恩田 陸 発売日: 2021/05/26 メディア: 単行本 ということで、「理瀬」シリーズの旧作紹介をお届けしたい。17年も新作出ていな…

『青の数学2』王城夕紀 数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。

今週のお題「おうち時間2021」に便乗します!おうち時間はひたすら読書です。 王城夕紀の四作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』。『青の数学』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第四作。『青の数学』の続編である。引…

『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』辻真先 ミステリランキング三冠!

〈昭和ミステリ〉シリーズの第二弾 2020年刊行作品。「このミステリーがすごい!2021年版」国内編、「週刊文春2020ミステリーベスト10」国内部門、「ハヤカワ・ミステリマガジン ミステリが読みたい!」国内篇いずれも1位の三冠を達成。2020年を代表するミス…

『青の数学』王城夕紀 その数式(まほう)が君の青春を変える

王城夕紀の三作目 2016年刊行作品。『天盆』『マレ・サカチのたったひとつの贈物』に続く、王城夕紀(おうじょうゆうき)の第三作である。王城夕紀はこれまで中央公論新社からの作品刊行が続いていたが、本作では新潮社の新潮文庫nexレーベルからの上梓とな…

『冬の朝、そっと担任を突き落とす』白河三兎 暴走する正義感と教室の贖罪

白河三兎が描く学園ミステリ 2021年刊行作品。筆者の白河三兎(しらかわみと)は2009年の『プールの底に眠る』で第42回メフィスト賞を受賞して作家デビューを果たしている。詳細なプロフィールは公開されていない。 表紙イラストはカオミンが担当。開け放た…

『ゴールデンタイムの消費期限』斜線堂有紀 才能を失っても生きていていいですか?

枯れた才能は再生できる? 2021年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は、2020年、『楽園とは探偵の不在なり』のヒットで注目を集めたが、その後の第一作が本作ということになる。通算では十三作目。斜線堂有紀は2017年デビューだから、これだ…

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』桜庭一樹 好きって絶望だよね

桜庭一樹の出世作! 2004年刊行作品。最初はライトノベルレーベルの富士見ミステリー文庫からの登場であった。その後、直木賞作家にまでブレイクしてしまった桜庭一樹(さくらばかずき)の出世作である。 桜庭一樹は、1999年のデビュー作『ロンリネス・ガーデ…

『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』大澤めぐみ 繋がらなかった縁と繋がった縁の物語。

大澤めぐみの三作目 2017年刊行。大澤めぐみは小説投稿サイト「カクヨム」出身の作家。2016年の角川スニーカー文庫の『おにぎりスタッバー』が商業デビュー作で、第二作が『ひとくいマンイーター』。本作はそれらに続く三作目となる。 おススメ度、こんな方…

『揺籠のアディポクル』市川憂人 無菌室病棟での特殊設定ミステリ

市川憂人の第五作 2020年刊行作品。作者の市川憂人(いちかわゆうと)は1976年生まれ。2016年のデビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』が第26回鮎川哲也賞を受賞している。 『ジェリーフィッシュは凍らない』以降、『ブルーローズは眠らない』『グラス…

『九度目の十八歳を迎えた君と』浅倉秋成 青春時代からの呪いを解く

浅倉秋成の第五作 2019年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト(文庫化時に『失恋の準備をお願いします』に改題)『教室が、ひとりになるまで』に続く、浅倉秋成(あさくらあきなり)の第五作である。東京…

『向日葵を手折る』彩坂美月 少女の四年間の成長物語

少女たちの四年間を綴った物語 2020年刊行作品。タイトルの読みは「ひまわりをたおる」。彩坂美月(あやかさかみつき)としては九作目の作品となる。 実業之日本社の文芸誌「紡」の2013年autumn号、2013年winter号、2014年spring号、2014年summer号に連載さ…

『文学少女対数学少女』陸秋槎 二人の関係のその後が気になる!!

陸秋槎の第三作 2020年刊行作品。陸秋槎(りくしゅうさ/ ル・チュウチャ)としては、『元年春之祭』『雪が白いとき、かつそのときに限り』に続く三作目となる。過去二作はハヤカワ・ポケット・ミステリからの登場であったが、本作はハヤカワ文庫からの刊行とな…

『さようならアルルカン/白い少女たち』氷室冴子の初期作品集 幻の四編を初収録

最初期の氷室冴子作品が読める! 2020年刊行作品。氷室冴子デビューの契機となった「小説ジュニア青春小説新人賞」佳作入選作の「さようならアルルカン」に、初文庫作品『白い少女たち』、更に集英社の若年層向け小説誌「小説ジュニア」(雑誌「Cobalt」の前…

『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月 第31回メフィスト賞受賞作

辻村深月のデビュー作 2004年刊行。第31回メフィスト賞受賞作品。同賞では、初の試みとして上・中・下の3分冊で6月~8月の三か月にかけて連続刊行された。 2007年の文庫化に際して、上下巻の二巻構成に改められている。 作者の辻村深月(つじむらみづき)は198…

『教室が、ひとりになるまで』浅倉秋成 同調圧力の檻の中で

本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞候補作 2019年刊行作品。筆者の浅倉秋成(あさくらあきなり)は1989年生まれ。デビュー作は2012年に講談社BOX新人賞“Powers”にてPowersを受賞した『ノワール・レヴナント』。浅倉冬至の筆名で、『進撃の巨人』のノベラ…

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字 二つの作品が繋がる瞬間のカタルシス!

二作同時刊行された並行世界モノ 『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』両作が、2016年6月の同時刊行である。 作者の乙野四方字(おとのよもじ)は1981年生まれ。第18回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した、2012年の『ミニッツ 〜一…

『夜のピクニック』恩田陸 2005年の本屋大賞の第1位作品!

恩田陸、高校三部作の完結編 2004年刊行作品。2005年の第2回本屋大賞の第1位に輝いた作品である。 恩田陸としては『六番目の小夜子』『球形の季節』に続く、高校三部作の完結編的な位置づけの作品(クリエイターズワールドの恩田陸インタビューより)とされ…

『サマー/タイム/トラベラー』新城カズマ 夏に読みたい青春エスエフ小説

夏に読みたい時間モノ 2005年刊行作品。第37回星雲賞日本長編の部の受賞作である。作者の新城(しんじょう)カズマは1991年から富士見ファンタジア文庫で上梓された『蓬莱学園』シリーズがデビュー作(懐かしい)。 本作は、タイトルの通り「夏」に読んでお…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…

『ルピナス探偵団の憂愁』津原泰水 時系列遡り形式の連作短編集

「ルピナス探偵団」シリーズの第二作! 2007年刊行作品。2004年の『ルピナス探偵団の当惑』に続く、津原泰水(つはらやすみ)の「ルピナス探偵団」シリーズの第二作である。 単行本版は2007年に登場。 ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ) 作者:津…

『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』葵遼太 名作だからみんな読んで!

葵遼太のオリジナル第一作! 2020年刊行作品。作者の葵遼太(あおいりょうた)は1986年生まれ。 デビュー作は、太宰治の『人間失格』をベースにしたSFアニメ映画『HUMAN LOST』のノベライズ版である(原案は冲方丁だ)。 HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ(新…

『また君と出会う未来のために』阿部暁子 『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編が登場

『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後の物語 2018年刊行。2019年に出た、『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後を描いた続編的な作品。主人公は異なるが、前作の主な登場人物たちも登場するので、ご安心を。 ちなみに、前作の感想はこちらからどうぞ…

『どこよりも遠い場所にいる君へ』阿部暁子 そして、もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」

『どこよりも遠い場所にいる君へ』のネタバレ感想。作品の考察と、作者・阿部暁子の経歴を紹介。 もう一つのエピローグ「天国へ続く橋」 続篇『また君と出会う未来のために』の感想もあります。