ネコショカ

Blog名変えました。ネコショカは「猫の書架」
雑食系の書評Blogです。なんでも読みます
基本ネタバレありなので注意してね。

青春小説

終わらない夏の日の物語『イリヤの空 UFOの夏 その2』

シリーズ二作目は文化祭巻! 2001年刊行作品。前作『イリヤの空 UFOの夏 その1』から僅か1ヶ月で早くも続巻が出ていた。当時はこんなに短い間隔で秋山瑞人の新刊が読めていたのである(遠い目)。 でもまあ、元は雑誌連載作品だから順当に出て当然か。…

地方都市のうつろいゆく春夏秋冬 米澤穂信『遠まわりする雛』

古典部の春夏秋冬を描いたシリーズ初の短編集 2007年刊行。『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』に続く、古典部シリーズの四作目。 2002年から2007年にかけて、雑誌「ザ・スニーカー」「野生時代」に掲載された作品を集めた短編集。最後に収…

ライトノベルのオールタイムベスト、秋山瑞人『イリヤの空 UFOの夏 その1』

秋山瑞人の四作目にして最高傑作 2001年刊行。『E.G.コンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』に続く第4作。オリジナル作品としてはこれが第2作となる。ゼロ年代を代表するライトノベル作品であり、オールタイムベストをやっても上位に食い込んで…

文化祭小説の楽しさと直面するそろぞれの限界『クドリャフカの順番』

古典部シリーズ第三作目 2005年刊行。『氷菓』そして『愚者のエンドロール』に続く米澤穂信の古典部シリーズ第三作。三年振りのシリーズ再開だが、評価が上がったのか文庫ではなくソフトカバー版での刊行である。 前作の『愚者のエンドロール』はアントニイ…

往年の「孤島モノ」作品への言及が楽しい、古野まほろ『天帝の愛でたまう孤島』

シリーズ三作目は孤島モノ 2007年刊行。シリーズ三作目。 デビュー作の『天帝のはしたなき果実』が2007年の1月刊行。第二作の『天帝のつかわせる御矢』が2007年の6月刊行。そして本作が2007年の10月刊行なのだけど、全作500頁を超える大ボリュームなのに、こ…

非日常の希求と哲学的な意味、米澤穂信『さよなら妖精』そして『花冠の日』

米澤穂信の出世作 米澤穂信の三作目。2004年刊行。東京創元社のミステリ・フロンティア枠で刊行された作品。2001年の『氷菓』、そして2002年の『愚者のエンドロール』から二年の沈黙を経て久々に出た新刊が本作である。2005年版の「このミス」では国内20位に…

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる 下』感動的な力業で綺麗に物語が収束してた!

二週にわたって続けてきた、『冷たい校舎の時は止まる』感想の続き。 連続刊行の最終巻 第31回のメフィスト賞受賞作品。上・中・下の3分冊で2004年の6月~8月にかけて、毎月連続刊行されていた。 上巻ではややもたついていた感があったけど、中巻で登場人物の…

米澤穂信の古典部シリーズ第二作『愚者のエンドロール』

古典部シリーズ第二作 2002年刊行。『氷菓』に続く米澤穂信の古典部シリーズ第二作である。 こちらも当初はスニーカー文庫のミステリ倶楽部枠で刊行され、現在は通常の角川文庫版に切り替わっている。表紙のデザインがまるで違うね。 愚者のエンドロール (角…

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる 中巻』コミカライズ版についても書いてみた

先週の『冷たい校舎の時は止まる』感想の続き。本日は中巻。 www.nununi.site 連続刊行の二冊目 第31回のメフィスト賞受賞作品。上・中・下の3分冊で2004年の6月~8月にかけて、毎月連続刊行されていた。本編はその中編部分である。 今思えば、この話、寒い冬…

米澤穂信のデビュー作にして、古典部シリーズの一作目『氷菓』

米澤穂信のデビュー作 2001年刊行。第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。同大賞はこの年から、ヤングミステリー&ホラー部門を創設しており、当該部門で、奨励賞を受賞したのが本作だ。米澤穂信のデビュー作である。 2001年は角川スニーカー文庫に、サブレー…

辻村深月のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる 上巻』

辻村深月のデビュー作 2004年刊行。第31回のメフィスト賞受賞作品。同賞では、初の試みとして上・中・下の3分冊で6月~8月の三か月にかけて連続刊行された。 2007年の文庫化に際して、上下巻の二巻構成に改められている。 冷たい校舎の時は止まる(上) (講談…

失われた絆の再生と回復を描く『また君と出会う未来のために』

『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編が登場 2018年刊行。昨年出た、『どこよりも遠い場所にいる君へ』の4年後を描いた続編的な作品。主人公は異なるが、前作の主な登場人物たちも登場するので、ご安心を。 また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文…

大人たちの優しさが心にしみるボーイミーツガール『どこよりも遠い場所にいる君へ』

小説読めない病、リハビリ中の一冊 ワカモノ時代は異常なペースで小説の類を読んでいたわたくし。しかしなぜか、ここ10年近く、新しい作家の小説作品が読めずにいた。 やはり高齢化してくると、新しい世界観や設定を受け付けられなくなってくるのか。心密か…

古野まほろ『天帝のつかわせる御矢』シリーズ第二弾は豪華列車内での密室殺人事件

「天帝」シリーズ第二弾! 2007年刊行。シリーズ二作目。 天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス) 作者: 古野まほろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/06/08 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (60件) を見る 2012年に幻冬…

新城カズマ「サマー/タイム/トラベラー」は夏に読みたい青春エスエフ小説

夏に読みたい時間モノ 今週のお題「読書の秋」便乗シリーズ。本日はエスエフ作品で攻めてみる。どちらかというと、タイトルの通り「夏」に読んでおきたい一作。表紙イラストの鶴田謙二が素晴らしい。 サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA) 作者: …

地方都市の春夏秋冬を抒情性豊かに描く、稲生平太郎の幻想小説「アクアリウムの夜」

稲生平太郎名義の初小説作品 アクアリウムの夜 (角川スニーカー文庫) 作者: 稲生平太郎 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2015/03/28 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書) 作者: 稲…

ビターな味わい吹奏楽部小説の名作、津原泰水「ブラバン」(バジリコ/新潮社)

1980年代の音楽部モノ小説 ブラバン 作者: 津原泰水 出版社/メーカー: バジリコ 発売日: 2006/09/20 メディア: 単行本 クリック: 29回 この商品を含むブログ (119件) を見る 昨日紹介した、古野まほろの「天帝のはしたなき果実」つながりで、次はこちらを。 …

古野まほろ「天帝のはしたなき果実」(講談社/講談社ノベルズ)旧版を絶賛してみる

読み手を選ぶ「愛すべき地雷」 天帝のはしたなき果実 (講談社ノベルス) 作者: 古野まほろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2007/01/12 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (125件) を見る 2007年刊行。第35回メフィスト賞受賞作…