ネコショカ

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『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』
女真族の襲来と軍事貴族たちの台頭

青春小説

『負けヒロインが多すぎる!2』雨森たきび マケイン第二巻は焼塩檸檬編!

『負けヒロインが多すぎる!』シリーズの二冊目 2021年11月刊行作品。雨森(あまもり)たきびによる『負けヒロインが多すぎる!』シリーズの第二作。第一巻の刊行が2021年の7月なので僅か四カ月での新作だ。わたし的にライトノベルを常時読まなくなって久し…

『彼女は死んでも治らない』大澤めぐみ 個性的な文体が冴える「コージーミステリー」

大澤めぐみ作品が光文社から登場 2019年刊行作品。2016年に『おにぎりスタッバー』で商業デビューして以降、『ひとくいマンイーター』『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』『君は世界災厄の魔女、あるいはひとりぼっちの救世主』と、角川スニ…

『死んだ山田と教室』金子玲介 第65回メフィスト賞受賞作品

金子玲介のデビュー作 2024年刊行。第65回のメフィスト賞を受賞した作品。作者の金子玲介(かねこれいすけ)は1993年生まれの作家。本作にて作家としてのデビューを果たしている。 初出は講談社のWeb小説誌『メフィスト』2023年WINTER特別号。単行本の表紙を…

『コンビニなしでは生きられない』秋保水菓 第56回メフィスト賞受賞作品

秋保水菓のデビュー作 2018年刊行作品。筆者の秋保水菓(あきうすいか)は1994年生まれのミステリ作家。本作『コンビニなしでは生きられない』で、第56回のメフィスト賞を受賞し、作家としてデビューしている。 講談社ノベルス版の表紙イラストはukiが担当。…

『まだ終わらないで、文化祭』藤つかさ 自分らしさって本当に必要なの?

藤つかさの第二作 2023年刊行作品。作者の藤(ふじ)つかさは1992年生まれのミステリ作家。デビュー作である『その意図は見えなくて』に続く、第二作が本作『まだ終わらないで、文化祭』である。表紙絵は前作に引き続き、イラストレータの中野カヲルが担当し…

『負けヒロインが多すぎる!』雨森たきび すべての恋愛の敗者たちに捧げる

雨森たきびのデビュー作 2021年刊行作品。作者の雨森(あまもり)たきびは、2020年の第15回小学館ライトノベル大賞にて、『俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか』でガガガ賞を受賞。同作を『負けヒロインが多…

『ひとりぼっちのソユーズ』七瀬夏扉 今日から、あなたは私のスプートニクになるの

SFジュブナイルの佳品が完全版で帰って来た 2017年刊行作品。もともとは小説投稿サイト「カクヨム」に掲載されていた作品を、改稿のうえで文庫化したもの。KADOKAWA系列のライトノベルレーベル、富士見L文庫からの発売だった。表紙および扉絵のイラストはア…

『どうせ、この夏は終わる』野宮有 人類最後の夏をあなたならどう過ごす?

野宮有の10作目! 2023年刊行作品。作者の野宮有(のみやゆう)は、第25回の電撃小説大賞で『シルバー・ブレット -SILVER BULLET-』が選考委員奨励賞を受賞。改題されて電撃文庫から2019年に発売された『マッド・バレット・アンダーグラウンド』がデビュー作と…

『冬期限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信 「小市民」シリーズ四部作、最後の季節、高校時代の終わり

「小市民」シリーズついに”冬期”が登場 2024年刊行作品。『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』そして短編集である『巴里マカロンの謎』に続く「小市民」シリーズの五作目にあたる作品である。文庫書下ろ…

『夏休みの空欄探し』似鳥鶏 謎解き×ロードノベル×忘れられない夏の思い出

似鳥鶏が描く、夏のロードノベル 2022年刊行作品。作者の似鳥鶏(にたどりけい)は1981年生まれのミステリ作家。デビュー以来、ほぼ毎年のように複数作品を発表している多作家として知られる。 本作『夏休みの空欄探し』はポプラ社の文芸PR誌「季刊asta」のV…

『その意図は見えなくて』藤つかさ 安楽椅子探偵には解決できないことがある

藤つかさのデビュー作 2022年刊行作品。作者の藤(ふじ)つかさは、1992年生まれのミステリ作家。2020年の「見えない意図」(単行本収録時に「その意図は見えなくて」に改題されている)が、第42回の小説推理新人賞を受賞し作家デビューを果たす。 本書『そ…

『風よ僕らの前髪を』弥生小夜子 第30回鮎川賞優秀賞受賞作品

弥生小夜子のデビュー作 2021年刊行作品。作者の弥生小夜子(やよいさよこ)は1972年生まれ。過去には創元ファンタジー新人賞で第1回、第5回で最終選考まで残った実績がある。今回の『風よ僕らの前髪を』では、第30回鮎川賞の優秀賞を受賞し作家デビューを果…

『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈 成瀬シリーズ第二弾!高校3年秋~大学1年編

成瀬あかりにまた会える! 本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』のその後を描いた続編的作品。 2024年刊行。5編の短編を収録。そのうち「やめたいクレーマー」は、新潮社の小説誌「小説新潮」の2023年5月号掲載。他の4編はすべて書下ろしとなっている。…

『巴里マカロンの謎』米澤穂信 11年ぶりの「小市民」シリーズ続巻

祝『冬期限定ボンボンショコラ事件』刊行と言うことで、「小市民」シリーズの旧記事をアップしています。本日は『巴里マカロンの謎』です。 小鳩くんと、小佐内さんに久しぶりに会える! 2020年刊行作品。『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカル…

『秋期限定栗きんとん事件』米澤穂信 「小市民」シリーズ三作目。欠落と補完、需要と供給、唯一無二の理解者

祝『冬期限定ボンボンショコラ事件』刊行と言うことで、「小市民」シリーズの旧記事をアップしています。本日は「秋期限定」です。 本ブログは基本ネタバレありで書いている、今回は『秋期限定栗きんとん事件』だけでなく、『春期限定いちごタルト事件』『夏…

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信 小佐内さんの本質が見えてくる「小市民」シリーズ第二作

祝『冬期限定ボンボンショコラ事件』刊行と言うことで、「小市民」シリーズの旧記事をアップしています。本日は「夏期限定」です。 米澤穂信の「小市民」シリーズ第二弾 2006年刊行作品。東京創元社の文芸誌『ミステリーズ!』に掲載された「シャルロットだけ…

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信 地味に静かに暮らしたい!「小市民」シリーズの一作目!

米澤穂信「小市民」シリーズの一作目。あらすじ、各編ごとのネタバレ感想を収録。小鳩くんと小佐内さんが食べたスイーツのリスト。マンガ版の解説もあります。

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈 成瀬あかり史を島崎と一緒に見届けたい!

本屋大賞受賞おめでとうございます!ってことで、再度上げておきますね。読むと元気の出る良作なので、これで更にたくさんの方に読んでもらえるのは嬉しい。 宮島未奈のデビュー作&本屋大賞受賞作! 2023年刊行作品。作者の宮島未奈(みやじまみな)は1983…

『揺籠のアディポクル』市川憂人 無菌室病棟での特殊設定ミステリ

市川憂人の第五作 2020年刊行作品。作者の市川憂人(いちかわゆうと)は1976年生まれ。2016年のデビュー作『ジェリーフィッシュは凍らない』が第26回鮎川哲也賞を受賞している。 揺籠のアディポクル 作者:市川 憂人 講談社 Amazon 『ジェリーフィッシュは凍…

『冬にそむく』石川博品 あたりまえの日常を奪われた世界で

2023年4月刊行作品。発売されて早々にゲットしたのだが、タイトル的にこれは冬に読むべき!と思って10ヵ月寝かせてようやく読んだ。ホントは冬の間に感想をあげたかったのだけど、ボヤボヤしているうちに春になってしまったよ。。。 石川博品の新作が三年振…

『一線の湖』砥上裕將 魅力的な水墨画の世界と、瑞々しいタッチの成長小説

『線は、僕を描く』の続篇が登場 2023年刊行作品。作者の砥上裕將(とがみひろまさ)は1984年生まれの小説家。デビュー作は第59回のメフィスト賞受賞作『線は、僕を描く』(応募時タイトルは『黒白の花蕾』)。この作品は横浜流星(よこはまりゅうせい)の主…

『葬式同窓会』乾ルカ あの頃にはもう戻りたくない青春の後始末

白麗高校三部作の三作目 2023年刊行作品。書下ろし。作者の乾ルカは1970年生まれの作家。18年のキャリアで、30作近い作品を上梓している。代表作は直木賞候補作にもなった『あの日にかえりたい』、大藪春彦賞の候補作『メグル』、そしてドラマ化された『てふ…

『文学少女対数学少女』陸秋槎 二人の関係のその後が気になる!!

陸秋槎の第三作 2020年刊行作品。陸秋槎(りくしゅうさ/ ル・チュウチャ)としては、『元年春之祭』『雪が白いとき、かつそのときに限り』に続く三作目となる。過去二作はハヤカワ・ポケット・ミステリからの登場であったが、本作はハヤカワ文庫からの刊行とな…

『この銀盤を君と跳ぶ』綾崎隼 二人の天才とそれぞれの伴走者の物語

綾崎隼のスポ根フィギュアスケート小説が登場 2023年刊行作品。作者の綾崎隼(あやさきしゅん)は1981年生まれ。第16回の電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞した『蒼空時雨』(応募時タイトルは『夏恋時雨』)で作家デビューを果たしている。メディアワークス…

『ゴールデンタイムの消費期限』斜線堂有紀 才能を失っても生きていていいですか?

枯れた才能は再生できる? 2021年刊行作品。作者の斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)は、2020年、『楽園とは探偵の不在なり』のヒットで注目を集めたが、その後の第一作が本作ということになる。通算では十三作目。斜線堂有紀は2017年デビューだから、これだ…

『九度目の十八歳を迎えた君と』浅倉秋成 青春時代からの呪いを解く

浅倉秋成の第五作 2019年刊行作品。『ノワール・レヴナント』『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』(文庫化時に『失恋の準備をお願いします』に改題)『教室が、ひとりになるまで』に続く、浅倉秋成(あさくらあきなり)の第五作である。東…

『午後のチャイムが鳴るまでは』阿津川辰海 解決まで65分!昼休み限定の学園ミステリ

阿津川辰海の学園ミステリ 2023年刊行作品。阿津川辰海(あつかわたつみ)の第八作。実業之日本社のムック「THE FORWARD」及び、Webメディア「Webジェイ・ノベル」に掲載されていた作品に、書下ろし一編を加えて単行本化したもの。 表紙及び扉絵はイラストレ…

『教室が、ひとりになるまで』浅倉秋成 同調圧力の檻の中で

本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞候補作 2019年刊行作品。筆者の浅倉秋成(あさくらあきなり)は1989年生まれ。デビュー作は2012年に講談社BOX新人賞“Powers”にてPowersを受賞した『ノワール・レヴナント』。浅倉冬至の筆名で『進撃の巨人』のノベライ…

『ボトルネック』米澤穂信の「20代の「葬送」」として書かれた作品

米澤穂信『ボトルネック』あらすじとネタバレ感想です。「夢の剣」の意味、川守の正体、主人公の最後の選択について考察、検証しています。 古典部、小市民シリーズなどの感想も書いてます。

『おまえなんかに会いたくない』乾ルカ 10年後の同窓会、スクールカーストの闇を描く

乾ルカが描くスクールカーストモノ 2021年刊行。書下ろし作品。作者の乾ルカ(いぬいるか)は1970年生まれ。短編「夏光」(なつひかり)が、2006年の文藝春秋のオール讀物新人賞を受賞。作家デビューを果たしている。著作数は二十作を優に超えるが、恥ずかし…