ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

戦国

『関ヶ原連判状』安部龍太郎 直木賞作家の出世作

安部龍太郎のブレイク作品 1996年刊行作品。作者の安部龍太郎(あべ りゅうたろう)は1955年生まれ。1987年にデビューして、ほぼ一貫して歴史小説の書き手として活躍している。2012年には織豊政権下で活躍した絵師、長谷川等伯の生涯を描いた『等伯』で直木…

『天王船』宇月原晴明『黎明に叛くもの』外伝が素晴らしい!

『黎明に叛くもの』の外伝的な作品 2006年刊行作品。先日紹介した『黎明に叛くもの』の外伝。 分冊(ノベルズ)版の『黎明に叛くもの』4冊にそれぞれ入っていた外伝作品を文庫一冊にまとめたものが本書。単独で読んでも楽しめるとは思うが、やはり本編を先に…

『黎明に叛くもの』宇月原晴明の三作目は松永久秀の一代記

宇月原晴明の第三作 2003年刊行。『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』に続く、宇月原晴明(うつきばら はるあき)三作目の作品。 美しい装丁に惚れ惚れ。このハードカバー版が出て、わずか三ヶ月後に四分冊のノベル…

『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』宇月原晴明の二作目 伝奇小説好き必読の一作

宇月原晴明の二作目は太閤秀吉と秀次の物語 本作は2002年刊行。第11回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』に続く宇月原晴明(うつきばらはるあき)の二作目である。分量にして約二倍、568ページの圧倒的な長大ボ…

中公新書『藩とはなにか 「江戸の泰平」はいかに誕生したか』藤田達生 感想

軍拡バブルの弾けたあとに 2019年刊行。筆者の藤田達生(ふじたたつお)は、三重大学、同大学院の教授で、専攻は日本近世国家成立史の研究。 内容はこんな感じ 安土桃山時代から江戸時代へ。戦乱の続いた時代から太平の世へ。この国の社会基盤は大きな変容を…

『 ジャガーになった男』佐藤賢一 戦国時代の武士がスペインに!

佐藤賢一のデビュー作 1994年刊行作品。第6回小説すばる新人賞受賞作で、佐藤賢一のデビュー作である。もう四半世紀も前の作品かと思うと、なかなかに感慨深い。 佐藤賢一は1968年生まれ。山形大学卒業後、東北大学文学の大学院へ進学。本作は同院在学中に受…

池宮彰一郎『島津奔る』島津視点で描いた関ヶ原合戦

現在では入手困難な作品 1998年刊行作品。池宮彰一郎としては六作目の作品。 池宮彰一郎は1923年生まれ。脚本家として映画、テレビドラマの世界で活躍。1992年の映画化もされた『四十七人の刺客』から小説家としても活躍を開始した。 新潮文庫版は2001年に登…

赤神諒『大友二階崩れ』義と愛どちらを選ぶべきか?

第9回日経小説大賞受賞作 2018年刊行作品。第9回の日経小説大賞の受賞作である。作者の赤神諒(神は旧字)は1972年生まれ。本名は、越智敏裕。上智大学法科大学院の現役教授で、弁護士。 赤神諒の恐ろしいところは、デビュー後の異常な量産ぶりである。本作…

木下昌輝『宇喜多の捨て嫁』はピカレスク歴史小説の良作

木下昌輝のデビュー作 作者の木下昌輝は1974年生まれ。『宇喜多の捨て嫁』がオール讀物新人賞を受賞してデビュー。本作は2014年刊行で、第152回直木賞候補作(西加奈子『サラバ!』が受賞した)。その他に、歴史時代作家クラブ賞、舟橋聖一文学賞、高校生直…

死屍累々、織田信長軍団の光と影『信長軍の司令官』

信長軍の変遷をたどる 2005年刊行。筆者は1943年生まれの戦国史研究家。 戦国ヲタは読んでおけという一冊。面白いぞ。尾張の小大名時代から、京都上洛時、伊勢攻め、浅倉浅井戦、本願寺攻め、そして本能寺直前まで。驚くほどのスピードで巨大化した信長軍の…

鈴木英治のデビュー作「義元謀殺」希少な今川視点の戦国モノ

角川春樹小説賞の特別賞受賞作品 義元謀殺 上 (ハルキ文庫 す 2-25 時代小説文庫) 作者: 鈴木英治 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2010/09/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 義元謀殺 下 (ハルキ文庫 す 2-26 時代小説文庫) …

『信長の棺』加藤廣 サラリーマン夢のリタイア生活を描く

75歳作家のデビュー作 2005年刊行。作者は1930年生まれ。東大法卒。中小企業金融公庫⇒山一証券⇒フリー。そして小説家に。本作が作家デビュー作だけれども、その前に経済書の著作はけっこうあるらしい。なんとデビュー時で75歳! 昔はいろいろな経歴を経てか…

佐藤賢一「女信長」は織田信長女体化の先駆的作品

2006年刊行。信長女体化モノの先駆け作品!佐藤賢一初の日本史作品『女信長』の感想。考察。 信長が実は女だった!というトンデモ視点で既存の信長物語を綺麗にひっくりかえして見せた作品です。

『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』宇月原晴明、衝撃のデビュー作

日本ファンタジーノベル大賞受賞作品 1999年刊行。第11回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品。 作者はデビューまでに第六回三田文学新人賞を受賞。永原孝道名義で、詩歌、評論などに著作がある。宇月原清明としては本作が処女作。第二作『聚楽太閤の錬金窟…