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ライトノベル

『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』西尾維新 私は玖渚盾。誇らしき盾。

戯言シリーズが帰ってきた! 2023年刊行作品。驚くなかれ、西尾維新の「戯言(ざれごと)シリーズ」に、18年の歳月を経て続巻が登場した。 「戯言シリーズ」は西尾維新のデビュー作『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』に始まる全九冊のシリーズだっ…

『ピニェルの振り子 銀河博物誌1』野尻抱介 19世紀の人類が宇宙旅行を可能にしたら?

魅力的な設定のエスエフ作品 2000年刊行作品。作者の野尻抱介(のじりほうすけ)は1961年生まれ。 1992年に「クレギオン」シリーズでデビューして以来、長らく富士見系の作家であった野尻抱介が初めてソノラマ文庫に書き下ろした作品が本作である。早川書房…

『トリニティ・ブラッド』吉田直 未完の大作、全12巻+αを一気にご紹介

吉田直、未完の大作 「トリニティ・ブラッド」シリーズは2001年~2004年に、角川スニーカー文庫から刊行されていたライトノベル作品だ。作者の吉田直(よしだすなお)は1969年生まれ。1997年に『ジェノサイド・エンジェル 叛逆の神々』にて第二回のスニーカー…

『新本格魔法少女りすか4』西尾維新 17年かけてついにシリーズ完結!

「りすか」シリーズついに最終巻! 2020年刊行作品。『新本格魔法少女りすか』『新本格魔法少女りすか2』『新本格魔法少女りすか3』に続く、「りすか」シリーズの四作目。2004年に始まった「りすか」シリーズが17年の歳月をかけて遂に完結した。西尾維新やれ…

『タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎 平成の名作が新装版で再文庫化!

平成の名作が復刊 作者の高畑京一郎(たかはたきょういちろう)は1967年生まれのライトノベル作家。第1回電撃ゲーム小説大賞の金賞を受賞した、1994年の『クリス・クロス 混沌の魔王』がデビュー作。電撃ゲーム小説大賞系の作品でありながら、いきなり文庫で…

『竜殺しのブリュンヒルド』東崎惟子 神にやり直す機会を与えられても、私は同じ道を選ぶ

仕事が多忙モードに入ったのと、『サマータイムレンダ』(原作既読だけど、アニメも面白い!)の全話視聴にハマっていて、更新が滞っていてスミマセン!三日ぶりに更新再開。 第28回電撃小説大賞、銀賞受賞作 2022年刊行作品。作者の東崎惟子(あがりざきゆ…

「卓球場シリーズ」野村美月の初シリーズ全四作をまとめてご紹介

以前バラバラに配信していた、野村美月の「卓球場シリーズ」全四作を一つの記事に統合しました。 野村美月の卓球場シリーズ! 「卓球場シリーズ」は野村美月(のむらみづき)のデビュー作である『赤城山卓球場に歌声は響く』から始まる、全四巻のシリーズ作…

『魔導物語'98』『真・魔導物語外伝』『真・魔導物語』織田健司 懐かしの『魔導物語』ノベライズ三作をまとめて紹介

本日は1998年~2001年にかけて刊行されていた、ゲーム『魔導物語』に関する、一連のノベライズ作品ご紹介した。古いネタでごめんよ。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) ゲーム『魔導物語』をプレイしたことがある方。ほんわか…

『恋する女たち』氷室冴子 原作小説版+映画版・マンガ版も解説!

氷室冴子『恋する女たち』のネタバレ感想、あらすじ、カバーデザインの違い、物語の舞台となった岩見沢についてのご当地ネタを収録。斉藤由貴主演、1986年の映画版や、1987年のマンガ版との違いについても解説しています。

『銀の檻を溶かして 薬屋探偵妖綺談』高里椎奈 第11回メフィスト賞受賞作

高里椎奈のデビュー作 1999年刊行作品。第11回メフィスト賞受賞作である。高里椎奈(たかさとしいな)のデビュー作品にして「薬屋探偵」シリーズの第一作となる。 高里椎奈は1976年生まれ。「薬屋探偵」シリーズや、「フェンネル大陸」シリーズ、最近では「…

『こちら、郵政省特別配達課!』小川一水 郵政民営化前に書かれたお仕事小説!

本日は小川一水の『こちら、郵政省特別配達課!』シリーズ、全二巻をまとめてご紹介したい。1999年~2001年にかけて、まだ郵政民営化が行われる前に世に出た作品。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 公務員の主人公が、内外の…

『響ヶ丘ラジカルシスターズ』井上剛 宝塚っぽい団体を舞台としたライトノベル作品

井上剛のソノラマ作品 本日は懐かしのソノラマ文庫作品をご紹介したい。『響ヶ丘(ひびきがおか)ラジカルシスターズ』は2004年の刊行作品だ。 作者の井上剛(いのうえつよし)は京都在住のサラリーマン兼業作家。2001年の『マーブル騒動記』で、日本SF作家…

『「十二国記」30周年記念ガイドブック』 担当編集者のインタビューが面白かった!

祝☆「十二国記」30周年! いまやシリーズ累計1,280万部を超える大ヒット作となった「十二国記」シリーズ。その第一作(というかエピソードゼロ)である『魔性の子』が世に出たのが1991年だ。従って「十二国記」シリーズは昨年の2011年で30周年を迎えていたこ…

『夏へのトンネル、さよならの出口』八目迷 時間を代償に、欲しいものが手に入るなら?

八目迷のデビュー作 2019年刊行作品。作者の八目迷(はちもくめい)は1994年生まれのライトノベル作家。「僕がウラシマトンネルを抜ける時」が第13回の小学館ライトノベル大賞にて「ガガガ賞」と「審査員特別賞」を受賞。同作は『夏へのトンネル、さよならの…

『さみしさの周波数』乙一、最後のスニーカー文庫作品

「白い方」の乙一作品集 2003年作品。乙一(おついち)としては10作目の作品である。せつない系の短編群が集められた初期白乙一を代表する作品の一つと言える。 4編目の『失はれた物語』のみ書き下ろしで、それ以外は角川書店のライトノベル誌「ザ・スニーカ…

『レべリオン』三雲岳斗 ゼロ年代の学園伝奇アクション

「レべリオン」シリーズを一気に紹介! 「レベリオン」は、2000年~2002年にかけて電撃文庫から刊行されていた作品。異世界ロボットモノだった「コールド・ゲヘナ」に続いて、立ち上げたのがこの「レベリオン」シリーズだった。三雲岳斗(みくもがくと)とし…

『疾走!千マイル急行』小川一水 列車砲、装甲列車が登場する冒険活劇

超豪華特急を舞台とした架空世界モノ 2005年刊行作品。夢の超豪華特急を舞台とした架空世界モノ。この手の架空世界の設定造りがこの作家はホントに大好き。 本作は19世紀のイギリス的な世界観をベースに、故国を失った少年少女たちが、国の命運をかけて大国…

『<骨牌使い>の鏡』五代ゆう、国産ファンタジーの傑作

続篇グインサーガの書き手としてばかり、五代ゆうを取り上げてきたが、彼女は国産ファンタジーの書き手としても以前より実績のある作家である。ここで改めて代表作の一つ『<骨牌使い>の鏡』を紹介しておこう。 五代ゆうの代表作 2000年刊行作品。「骨牌使い…

『ミナミノミナミノ』秋山瑞人 謎の島での真夏のボーイミーツガール

「イリヤっぽい話」として書かれた作品 2005年刊行作品。作品単位で考えると、『E.G.コンバット』『鉄コミュニケイション』『猫の地球儀』『イリヤの空 UFOの夏』に続く、秋山瑞人(あきやまみずひと)の五作目の作品になる。 また夏のボーイミーツガールも…

『隷王戦記3 エルジャムカの神判』森山光太郎 人の運命は、人が決める

「隷王戦記」シリーズの最終巻 2022年4月刊行作品。『隷王戦記(れいおうせんき)1 フルースィーヤの血盟』『隷王戦記2 カイクバードの裁定』に続く、「隷王戦記」シリーズの完結編となる。 表紙イラストは引き続き、風間雷太(かざまらいた)が担当している…

『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』西尾維新 「世界」シリーズ第四弾

「世界」シリーズの第四作、以後未完 2008年刊行作品。『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』『きみとぼくが壊した世界』に続く「世界」シリーズの四作目になる。タイトル22文字もあって長ええ。 このシリーズ、奇数巻は櫃内くんと病院…

『歌の降る惑星』『うたかたの楽園』菅浩江の「センチメンタル・センシティブ」シリーズ

菅浩江版ダーティペア?「センチメンタル・センシティブ」シリーズ 本日は平成初期のライトノベル作品をお届けしたい。 菅浩江(すがひろえ)の「センチメンタル・センシティブ」シリーズは1990年~1991年にかけて、角川スニーカー文庫から刊行された作品群…

『きみとぼくが壊した世界』西尾維新 「世界」シリーズ第三弾

「世界」シリーズの第三作 2008年刊行作品。『きみとぼくの壊れた世界』『不気味で素朴な囲われた世界』に続く「世界」シリーズ三作目。第四作としては『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』がある。 初出は「メフィスト」。今回、話としては別…

『とある飛空士への追憶』犬村小六 絶世の美姫との逃避行、「飛空士」シリーズの第一作

累計130万部超!犬村小六の出世作 2008年刊行作品。ネットで話題になったので購入(当時)。初めて読んだガガガ文庫は本作だった気がする。作者の犬村小六(いぬむらころく)は1971年生まれのライトノベル作家。 ゲーム系のライターとしてキャリアをスタート…

『毒吐姫と星の石 完全版』紅玉いづき 政略結婚からのボーイミーツガール

『ミミズクと夜の王』の五年後の世界を描く 2010年刊行作品。『ミミズクと夜の王』『MAMA』『雪蟷螂』『ガーデン・ロスト』に続く、紅玉(こうぎょく)いづきの第五作。『ミミズクと夜の王』の五年後を描いた、世界観を同じくする作品である。電撃文庫版表紙…

『不気味で素朴な囲われた世界』西尾維新 「世界」シリーズ第二弾

「世界」シリーズの第二作 2007年刊行。『きみとぼくの壊れた世界』の続編というか、直接的な続編というわけではなく、世界観を共有した姉妹編的な作品である。「世界」シリーズとしては第二作に相当する。シリーズの続巻としては『きみとぼくが壊した世界』…

『さようならアルルカン』氷室冴子 1970年代に刊行された最初期の短編集

氷室冴子の二作目 本日紹介する『さようならアルルカン』は『白い少女たち』に続く、氷室冴子(ひむろさえこ)の二作目の作品である。初版は昭和54(1979)年。恐ろしいことに、今から40年以上も前の作品になってしまった。わたしも歳を取るわけである。 本…

『きみとぼくの壊れた世界』西尾維新 未完の「世界」シリーズ一作目

「世界」シリーズの第一作 2003年刊行作品。その後、『不気味で素朴な囲われた世界』『きみとぼくが壊した世界』『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』と続いていく、「世界」シリーズの一作目である。なお、2022年5月時点で未完のままである。 …

氷室冴子『白い少女たち』と昭和50年代のコバルト文庫

氷室冴子の『白い少女たち』について感想をあげるつもりであったが、刊行当時の状況を調べているうちに、昭和50年代のコバルト文庫についても触れたくなってしまった。ということで、『白い少女たち』の感想に加えて、昭和50年代のコバルト文庫について雑に…

『ザレゴトディクショナル』西尾維新 全460項目を網羅した戯言辞典

戯言シリーズの用語辞典 西尾維新の戯言シリーズ、そして人間シリーズの感想をつらつらと書き飛ばしてきた。だいたいこれで書き終えたかな?と思っていたけど、まだこちらの作品が残っていた。 『ザレゴトディクショナル』は2006年刊行作品。戯言シリーズの…