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『銀盤カレイドスコープ Vol.4 リトル・プログラム』海原零 今回はノービス編!

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「銀盤カレイドスコープ」シリーズの四作目

2005年刊行作品。シリーズ四作目。一作目二作目で女子シングルスの世界を描き、三作目ではなんとペアスケーティングに挑戦!フィギュアスケートの世界を、多角的に描いていく本シリーズだが、今回はなんとノービス(10歳以上~14歳まで)クラスのフィギュアスケートに焦点を当てている。

銀盤カレイドスコープ vol.4 リトル・プログラム:Big sister but sister (集英社スーパーダッシュ文庫)

あらすじ

桜野ヨーコは12歳。ノービスクラスのフィギュアスケーターだ。そこそこに才能はある筈なのに何故かトップには立てず、宿敵の神尾来夢との差は広がるばかり。世界的スケーター桜野タズサの妹であるが故にマスコミの注目も集まり辛い日々が続く。そんなある日、来夢がタズサにレッスンを願い出る。それを快諾するタズサ。激しく傷ついたヨーコはリンクを去ることを決意するのだが……。

主人公がタズサじゃない!

今回はタズサの妹のヨーコが主人公。主人公を変えてくるとは、さすがにビックリ。

偉大すぎる姉を持ち、自身もフィギュアスケーターであるヨーコの葛藤の日々を描く。舞台は再び日本に。タズサも結局戻ってきてるし。けっきょくタズサがアメリカに行ったのはペアをやらせるためだけだったんじゃないか?

妹から見た偉大なる姉

主人公が変わったことで、この巻ではヨーコ視点の一人称で物語は進行していく。ローティーン向けの少女マンガを読んでいるかのようなテイスト。偉大すぎる姉の存在に滅入ったり、スケーターとして壁にぶつかって苦しみ、ちょっと気になる異性にはときめいてみたりもする。オーソドックスな展開ながらも巧くまとめているとは思うけど、どうしてもタズサに較べるとキャラクターのパワーが弱いので物足りなく感じてしまう。妹の目から見たタズサってのは面白かったけどね。

おまけ:ゲーム版『銀盤カレイドスコープ』が出ていた!

ちょっと、横道に逸れて。ゲームの話。

2005年~2006年にかけて、『銀盤カレイドスコープ』がゲーム化されていたことをご存じだろうか?ただし、家庭用ゲーム機ではなく、携帯電話用のアプリゲームとしてである。以下、アーカイブへのリンク。

archive.md

原作の一作目二作目をベースにゲーム化されている。シナリオを楽しむストーリーモードと、大胆にもガラケーで3Dモデリングに挑戦したフリーモードが搭載されている。とても意欲的な作品だったのだが、ガラケー専用なので、現在ではプレイ不可能なのが残念。