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『あいにくの雨で』麻耶雄嵩 雪の密室トリックと塔で起こる連続殺人


麻耶雄嵩のノンシリーズ系作品

1996年作品。最初に刊行されたのは講談社ノベルス版。作者の麻耶雄嵩(まやゆたか)は1969年生まれのミステリ作家。デビュー作は1991年の『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』。

メルカトル鮎シリーズ、木更津悠也シリーズ、神様シリーズ、貴族探偵シリーズなど多くのシリーズ作品を抱えている麻耶雄嵩だが、本作『あいにくの雨で』は、そのいずれにも属さない、ノンシリーズ系のタイトルとなる。

講談社文庫版は1999年に刊行されている。わたしが読んだのはこちらの版。

2014年には集英社文庫版が登場している。現在読むならこちらの版だろう。

あいにくの雨で (集英社文庫)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

少年たちを中心に据えた、ジュブナイルテイストのミステリがお好きな方。地方都市で展開される静かなミステリ作品を読んでみたい方。メルカトル鮎も、木更津悠也も出てこない、ノンシリーズ系の麻耶雄嵩を読んでみたい方におススメ。

あらすじ

周囲を雪にかこまれた塔の中での密室殺人。被害者は烏兎の友人祐今の父だった。かつてこの塔では祐今の母が同じ状況で殺害されていた。犯人はいかにして、雪上に足跡を残すことなく犯行を成し遂げたのか。祐今のために犯人捜しをはじめた烏兎たちだったが、その行為をあざ笑うかのように、次々と新たな密室殺人が発生する。

ここからネタバレ

学園を舞台にした「ゲーム」の魅力

久々に読んだ麻耶雄嵩は地方都市を舞台にしたとても静かな一品。

まったくの予備知識無しに読んだので、メルカトル鮎が出てこなかったのが意外だった(当時)。烏兎クンっていうのは、烏有クンと関係あるのでしょうか。従来の麻耶作品に比べると、無理やりな驚愕展開もないし、長ったらしい衒学趣味もないので、なんだか逆に落ち着かない(ちなみにわたしは『翼ある闇』も『夏と冬の奏鳴曲』もOKな人ではある)。こういう作品も書けるんだなと新鮮に読んだ記憶がある。

しかし烏兎くん彼女は大切にしようよ。全然君達つきあってるようには見えないって。親友獅子丸(すごい名前)との関係描写がメインになるのはしょうがないけど、これはさすがにあんまりだと思ったわ。

それにしても学園を舞台にした「ゲーム」は面白かった。学園ジュブナイルで1作書いてくれないかなあ。麻耶雄嵩はジュブナイル書かせたらきっと面白いと思うんだよね。

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