ネコショカ

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『アロマパラノイド 偏執の芳香』牧野修 めくるめくる電波の世界


「ベストSF1999」国内部門6位

1999年刊行作品。単行本はアスキーから発売されており、当時のタイトルは『偏執の芳香 アロマパラノイド』 であった。「ベストSF1999」の国内部門で第6位にランクインしている。

偏執の芳香―アロマパラノイド

偏執の芳香―アロマパラノイド

 

2002年に角川ホラー文庫レーベルにて文庫版が刊行された。この際に、単行本刊行時のタイトルと、サブタイトルが入れ替わっており、『アロマパラノイド 偏執の芳香』に改題されている。

アロマパラノイド―偏執の芳香 (角川ホラー文庫)

あらすじ

ノンフィクションライターの八辻由紀子は、友人の編集者小来栖久子からの紹介で超常現象研究家瀬能邦生に出会う。取材の資料として瀬能から貸し出された一冊の書物「レビアタンの顎」は17年前にパリで起きた猟奇殺人犯の犯行手記ともいえるおぞましいものだった。妖しげな隣人たち。奇怪な変質者の出現。以来、由紀子の周辺では不気味な出来事が頻発しはじめる。

いい感じで毒電波が出ている

『アロマパラノイド 偏執の芳香』はいかにも牧野修らしい、毒電波がビュンビュン飛び交う素敵過ぎるトンデモ小説である。この類の電波的な文章書かせたら、この作家は天下一品なのである。「これはひどい」と呆れるしかないようなトホホ感(褒めてるよ)、クラクラとしてくるような酩酊感を、心ゆくまで堪能できるのだ。

お話の整合性とかは気にしない

複数のエピソードを合体させた話らしく、整合性とか後半のストーリーの収斂具合にはちょっと(というか相当に)問題あり。広げた風呂敷を畳むときにいろいろなものがこぼれてしまった感じ。

そしてご都合主義的な設定も多い。特に主人公の友達が「偶然」盗聴の天才にして、古武道の達人って設定はさすがに頑張りすぎなのではと、思い切りツッコみたくもなる。

とはいえ、本作の醍醐味はそういった部分には無いので、深く考えずに濃厚な毒電波の世界を楽しんでいただきたい。ラストの暗澹たるひねりも個人的には大好物。牧野作品たるもの、こうでなくてはなるまいよ。

アロマパラノイド―偏執の芳香 (角川ホラー文庫)

アロマパラノイド―偏執の芳香 (角川ホラー文庫)

 

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