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『びっくり館の殺人』綾辻行人 館シリーズの8作目はミステリーランドレーベルから


綾辻行人のミステリーランド参加作品

2006年刊行作品。ミステリーランドは、故宇山秀雄が企画した「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリレーベルだ。箱装。箔押しの題字。フルカラーイラスト。図書館に収めるられることも想定してカバー無し、箱無しでも見栄えのするデザイン。そして執筆陣は現代一流の書き手が勢揃いと、非常にゴージャスな造りになっている。それだけに一冊あたりの価格は高めで2,000円~とそれなりのお値段である。

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

講談社ノベルス版は2008年に登場。

続いて講談社文庫版が2010年に登場している。

綾辻行人の館シリーズ8作目

綾辻行人の館シリーズとしては8作目にあたる。これまでの作品は、必ず講談社ノベルスから発売されていただけに、本作は例外中の例外と言える。

  • 十角館の殺人(1987年)
  • 水車館の殺人(1988年)
  • 迷路館の殺人(1988年)
  • 人形館の殺人(1989年)
  • 時計館の殺人(1991年)
  • 黒猫館の殺人(1992年)
  • 暗黒館の殺人(2004年)
  • びっくり館の殺人(2006年) ←本作
  • 奇面館の殺人(2012年)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

綾辻行人の館シリーズが好き!読んでみたい!興味がある方。不思議な建築物、魅力的な構造物に心惹かれる方。密室トリック系のミステリ作品を読んでみたい方におススメ。

あらすじ

謎多き建築家中村青司が残した数々の館たち。三知也の少年時代の記憶に残る「びっくり館」もその一つであった。白髪の老人と足の悪いトシオ、そして奇怪なリリカ人形が住まうこの館で起きた密室殺人は、十年を経た現在でも犯人が明らかになっていないのだという。記憶の中から蘇る暗鬱な真相。そして館に隠された仕掛けとは……。

ここからネタバレ

館シリーズとしては変化球っぽいテイスト

館シリーズの8作目はミステリーランド枠からの登場という変化球だった。こちらだと多少力を抜いて書けるのだろうか。その前は十二年間隔が空いたのに、今回は僅か二年での新作登場である。トリックはシンプルというか、変化球的なかわし方で、内容的には館系よりも、囁き系の香りがする。

しかし子ども向けに書かれている割には、このレーベルの作品、いずれもエグいシーンがとても多い。子どもたちのトラウマ本になることを逆に意識しているのでは勘ぐりたくなるくらいだ。今回もかなり来ている。トシオの爺さんの鬼畜ぶりがとにかく突き抜けていてビックリした。まさかその意味で「びっくり館」なのかだろうか(違う違う)。

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