ネコショカ

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綾辻行人『びっくり館の殺人』館シリーズの8作目


綾辻行人のミステリーランド参加作品

2006年刊行。ミステリーランドは、故宇山秀雄が企画した「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリレーベルだ。箱装。箔押しの題字。フルカラーイラスト。図書館に収めるられることも想定してカバー無し、箱無しでも見栄えのするデザイン。そして執筆陣は現代一流の書き手が勢揃いと、非常にゴージャスな造りになっている。それだけに一冊あたりの価格は高めで2,000円~とそれなりのお値段である。

綾辻行人の館シリーズとしては、本作が8作目となる。

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

講談社ノベルス版は2008年に登場。

びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)

びっくり館の殺人 (講談社ノベルス)

 

 続いて講談社文庫版が2010年に登場している。

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

 

あらすじ

謎多き建築家中村青司が残した数々の館たち。三知也の少年時代の記憶に残る「びっくり館」もその一つであった。白髪の老人と足の悪いトシオ、そして奇怪なリリカ人形が住まうこの館で起きた密室殺人は、十年を経た現在でも犯人が明らかになっていないのだという。記憶の中から蘇る暗鬱な真相。そして館に隠された仕掛けとは……。

館シリーズとしては変化球っぽいテイスト

館シリーズの8作目はミステリーランド枠からの登場という変化球だった。こちらだと多少力を抜いて書けるのだろうか。その前は十二年間隔が空いたのに、今回は僅か二年での新作登場である。トリックはシンプルというか、変化球的なかわし方で、内容的には館系よりも、囁き系の香りがする。

しかし子ども向けに書かれている割には、このレーベルの作品、いずれもエグいシーンがとても多い。子どもたちのトラウマ本になることを逆に意識しているのでは勘ぐりたくなるくらいだ。今回もかなり来ている。トシオの爺さんの鬼畜ぶりがとにかく突き抜けていてビックリした。まさかその意味で「びっくり館」なのかだろうか(違う違う)。

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)