ドクロちゃんシリーズの第三作
2004年刊行作品。シリーズ三作目。メディアワークスの小説誌「電撃hp」の25号と27号に掲載された二作に、書き下ろしを二作追加して文庫化したのが本書である。
あらすじ
強引な同居人として桜クンの家に押しかけてきたドクロちゃん。いつの間にか妹のザクロちゃんも加わって日々の喧噪はより激しくなっていく。愛しの静希ちゃんのスクール水着に釘付けになっているところを撲殺されたり、聖なる夜に撲殺されたりと、相変わらずの血まみれ生活が続く。よもやドクロちゃんとの訣れの日が訪れるとは知るよしもなく……。
男子中学生の妄想世界を再体験
少しぎこちなく感じていた筋運びも、学校や季節事の定番行事を取り入れることで陳腐ながらもプロットがすっきりして読みやすくなったのは◎。作者としてもリズムが掴めてきた頃合いなのかもしれない。
桜クンはどくろちゃんにボコボコにされて確かに可哀そうではあるものの、彼の妄想とか煩悩の暴走加減はそれなりに酷く、これぐらいされても仕方ないのかな?という気がしないでもない。
しかし、男子中学生の頃の煩悩の数々。特に異性に対してのもやもやは誰にでも覚えがあるのではないだろうか?こうした妄想の数々を実際に文章化して見せられると、相当にこれは恥ずかしいのだが、そんなこそばゆさを楽しめるのも本作の魅力の一つと言える。男子中学生的煩悩世界を懐かしくも振り返ってみたりもする今日この頃。
ドクロちゃん3つのコミカライズ
ゼロ年代に一世を風靡した「ドクロちゃん」。それだけにコミカライズも複数作品が刊行されている。
桜瀬みつな『撲殺天使ドクロちゃん』
全三巻。2004年~2006年『月刊電撃コミックガオ!』に連載されていたシリーズ。
桐野霞『撲殺天使ドクロちゃん りぴる』
全三巻。こちらは2006年~2008年に『電撃「マ)王』に連載されていた作品。こちらのドクロちゃんはちょっと色っぽい。
とりしも『ぼくたちのみなみさん ぼくたちのみなみさん2』
小説版の絵師であるとりしもによるコミカライズ。というか、これ今回調べて初めてしった。そんなの出てたんだ!
wikipedia先生曰く、こんな内容らしい。
『電撃hp』(Vol.44 - Vol.50)連載、2は『電撃文庫MAGAZINE』(プロローグ2 - Vol.54)連載。著者であるとりしもの逝去により絶筆となった。南さん、田辺さんと桜を中心としたスピンオフ4コマ漫画であり、ドクロを初めとしたルルティエに関係する要素は一切登場しない。
なんと、本編と関係ないスピンオフ作品なのか。残念ながら書籍化はされていないようだ。とりしも作となると余計に読んでみたい気がする。地道にバックナンバーを探すしかないかな。