ネコショカ

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西尾維新『真庭語(まにわがたり)』初代真庭忍群の物語


『刀語』シリーズの外伝的な作品

2008年刊行。その前年に一年間毎月一冊刊行され、計十二巻で完結した『刀語』シリーズのスピンアウト作品である。タイトル名『真庭語』は「まにわがたり」と読む。「まにわご」ではないので注意したいしたい。

真庭語 初代真庭蝙蝠 初代真庭喰鮫 初代真庭蝶々 初代真庭白鷺 (講談社BOX)

作中では全編を通じて噛ませ犬役だった忍者の一族「真庭忍群」の皆さんが今回の主役である。と、言っても時代が違っていて、真庭の皆さんの初代の頃の話。四編を収録した短編集で、ナビゲーターを務めるの唯一『刀語』シリーズと同一人物であるところの真庭狂犬ちゃんだ。これはまあ、適役だろう。

あらすじ

乱世と呼ばれる時代に生きた忍びの一族がいた。その名を真庭忍軍。戦国六大名を従えた、新将軍の登場は混乱する時代を変えるものなのか。一族を率いる真庭鳳凰は、十二名の新頭領を選出。一人の人物によって率いられるのではなく、集団によって統治される新たな真庭忍軍を組織する。人外にして埒外。異能を極めた者たちの織りなす妖しき戦乱絵巻。

四人の「初代」の物語

本作で登場するのは「初代真庭蝙蝠」「初代真庭喰鮫」「初代真庭蝶々」「初代真庭白鷺」の四人である。十二冊続きの連続大河小説を書き終えて、もう一冊外伝を書いていいよという話になって、わざわざ本編に直接は登場しないこの四人を書いてしまうあたりが、西尾維新らしいひねくれぶりでと言える。とがめの昔の話とか、四季崎さんとか、否定姫とか書けばいいじゃんと思うのだが、西尾維新はそういうベタな外伝は書かないよね。

『刀語』本編は正直言って、最後まで肌が合わずに終わってしまったので、今回も実はあまり期待していなかった。本編の話の隙間を適度に埋めつつ、好き放題して書いてみましたというテイストなのだが、これがどうしたことか意外に面白いのである。本編以上にキャラ立ち最優先、ストーリーは二の次な作品なのだが、逆にそれが良かったのかもしれない。

なお、初代鳳凰の意図はサッパリわからなかったのだが、その狙いが明らかにされることはあるのだろうか(ないだろうな)。

どうでもいいけど、真庭忍群、特に昆虫系コスチュームの皆さんはどう見てもダサイと思うので文庫化する時は何とかしてほしい。。

真庭語 初代真庭蝙蝠 初代真庭喰鮫 初代真庭蝶々 初代真庭白鷺 (講談社BOX)

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