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『レべリオン』三雲岳斗 ゼロ年代の学園伝奇アクション


「レべリオン」シリーズを一気に紹介!

「レベリオン」は、2000年~2002年にかけて電撃文庫から刊行されていた作品。異世界ロボットモノだった「コールド・ゲヘナ」に続いて、立ち上げたのがこの「レベリオン」シリーズだった。三雲岳斗(みくもがくと)としては電撃文庫で二つ目の作品群となる。

美人転校生(ツンデレ系だ)、突如として備わった超能力、悪の秘密組織等々、お約束の要素をふんだんに盛り込んだ学園サイキックバトルモノだ。イラストは椋本夏夜(くらもとかや)が担当している。

本日はこの「レべリオン」シリーズ全五巻の感想を一気にお届けしたい。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

学園を舞台とした伝奇アクション系の作品を読んでみたい方。ゼロ年代初期の電撃文庫のノリと雰囲気を堪能したい方。メインヒロインはツンデレに限ると思っている方。デビュー間もないころの三雲岳斗作品を読んでみたい方におススメ。

ここからネタバレ

「レベリオン 放課後の殺戮者」

レベリオン 放課後の殺戮者 (電撃文庫)

「レベリオン 放課後の殺戮者」あらすじ

血まみれで倒れていた少女を助けようとして事故に遭った緋村恭介。目覚めると少女の姿は無く、重傷であったはずの自らの怪我は驚くほどの回復を遂げていた。彼女は転校生秋篠香澄として恭介の前に再びその姿を現す。「あなたを殺しにきた」香澄はそう告げるが、そのとき二人を謎の一団が襲撃する。圧倒的なパワーで敵襲を退ける香澄。彼女の云うレベリオンの力とは……。

歌声を武器に戦う

シリーズ一作目。「レべリオン」シリーズはタイトルにナンバリングがないので、刊行順がわかりにくい。この「放課後の殺戮者」が一冊目になる。

主人公の名前が緋村恭介で、武器が歌声という設定はベタ過ぎるけどわかりやすくて良い。なんだかよくわからない女の子を助けたら、これまた何故かわからないけど、超絶パワーアップしてる!というお約束の展開が、定番であるだけに安心して読める。

個人的な希望としては学園伝奇小説として、平井和正や菊地秀行クラスの過剰なまでのケレン味に満ちた盛り上がりを期待したいところだけど、三雲岳斗だとお色気系の描写はちょっと無理なのであった。

「レベリオン 弑殺校庭園」

レベリオン 弑殺校庭園 (電撃文庫)

「レベリオン 弑殺校庭園」あらすじ

瀕死の恭介を救うため香澄は自らのR2ウイルスを感染させる。彼は意図せずしてレベリオンの人外の力を得ることになってしまう。学園の周囲で起きる凄惨な連続殺人事件。殺人者「インコグニート」の正体は?そして敵対勢力アラン・ヴィルトールの登場。強敵の出現を前にして恭介は未だ必殺技"ブラスティング・ハウル"を自在に使いこなせないでいた。

主要キャラが揃ってきた

シリーズ二作目。定番だけに学園サイキックアクションはハマると結構燃えるものがある。ショートカット文系美少女のセカンドヒロインのキャラクター配置もいい感じ。あとはお仲間の男性キャラがあと数名是非欲しいところ。恭介が戦う前に倒される噛ませ犬系ね。いずれ出てくるライバルキャラがそのうち味方に回っていくという王道パターンなのかな。

「レベリオン 炎を背負う少年たち」

レベリオン 炎を背負う少年たち (電撃文庫)

「レベリオン 炎を背負う少年たち」あらすじ

完全な密室状態の中で焼死した女生徒。不可能犯罪の影にはレベリオンが居るのか?調査を開始した恭介と香澄だったが、いっこうに原因は判明せず徒に犠牲者だけが増えていく。R2ウイルスを監視するアメリカの統合計画局は現地に特殊部隊の派遣を決定。そして圧倒的なパワーを誇るレベリオン原種高崗陸也の登場。混迷する事態を恭介たちは解決することが出来るのか。

ラスボスを引っ張りすぎのような

シリーズ三作目。過去二作でもそうだったけど、ラスボスの正体を明かさずに最後ギリギリまで引っ張るというコンセプトを今回も使っているのだが、さすがに今回はバレバレなのではないかと。ミスリードも仕掛けてあるけど、どう見てもあの人が不自然。登場も唐突過ぎるし、使い捨て感が漂ってるし。

まあ、奴はあくまでも表層的な部分をかき回していただけで、本筋に絡んでこないからそんな程度の扱いでいいのかもしれないけど。密室事件の謎まで絡めたのもページ数考えるとちょっと詰め込み過ぎだったかな。

「レベリオン 彼女のいない教室」

レベリオン 彼女のいない教室 (電撃文庫)

「レベリオン 彼女のいない教室」あらすじ

恭介の監視役を突然解任された香澄は統合計画局の本部に召喚されていた。幽閉に近い待遇に反発を覚える彼女だったが、そこで出会った最後のレベリオン原種紫焔から驚くべき真実を告げられる。一方、香澄に去られた恭介の元には新たな監視者皆瀬梨夏が現れる。激化していく戦いの中で、彼らは第二段階レベリオンへの進化を遂げていく。

終盤への布石巻

シリーズ四作目。次巻が最終巻らしく、ラストに向けての謎解き&ラスボス登場への布石編。アメリカに戻った香澄に告げられるレベリオン事件の真相。いかにもご都合主義的な高齢者キャラが登場して解説。ついでに秘技の伝授までしてくれるのは話が少々話がうますぎやしないか。

これまで一緒に行動していた恭介と香澄が初めて離ればなれになるわけだけど、恭介の思い人がそもそも香澄では無いので、この点どうも盛り上がりに欠けるのが残念。これをきっかけに香澄への想いに気付いたって流れでもないしな。見所としてはアーレン・ヴィルトールの最期だけど、ラス前に死んでしまうのはちょっとショック。しかも死に損だし。

「レベリオン 楽園に紅き翼の詩を」

レベリオン 楽園に紅き翼の詩を (電撃文庫 み 3-10)

「レベリオン 楽園に紅き翼の詩を」あらすじ

真の敵によって拉致された?と萌絵を救出すべく、豪華客船サンクチュアリへの潜入を試みる香澄と恭介。しかし船内には完全武装のレベリオンが待ちかまえる。姿無き暗殺者によって、次々と倒されていく仲間たち。謎の刺客の驚くべき正体とは?真澄美の本当の目的は?そして、最後の瞬間に香澄が選択した決断とは?

爽やかなラストがいい!

シリーズ五作目。最終巻。 表紙のイラストがいい。恭介と香澄の表情はとても穏やかでいい雰囲気。学園伝奇モノの最終回にはこの爽やかさが大事。

この期に及んで新たなレベリオンがたくさん出てきたり(やられ要員なのだが)、謎の刺客の登場があったりと、最終回にしては少々詰め込みすぎか。その分最後の詰めがドタバタでいささかスケールの小さい話に落ち着いてしまった感がある。けど、高校生たちだけで話に決着をつけるにはこの程度の敵の方が良かったのかな。

結局のところ物語を動的に引っ張っていくのは香澄なので、恭介は事情もよくわからないまま終始巻き込まれているだけ。そして恭介が好きなのは萌絵の方だったりもして、これでお話しを盛り上げるにはシチュエーション的にちょっと難易度が高かったように思えた。もっと濃厚なカタルシスを感じさせて欲しかったので、この点はちょっと残念。

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