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『更級日記』菅原孝標女・江國香織訳
『源氏物語』に憧れた女の一生

「早川書房 夏の大感謝セール」電子書籍2000点が50%OFF~、おススメ24作品をセレクト

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「早川書房 夏の大感謝セール」がやってきた!

つい先月、早川の夏のセールの情報をお届けしたばかりだけど、新たに「早川書房の夏の大感謝セール」が始まったので、本ブログで紹介した作品の中から、おススメを24作をセレクトしてみた。

7月のセールは海外作品のみだったけど、今回は国内作品も対象になっています!夏休み中の方も多いかと思うので、これを機会に是非チェックしてみてください。

セール期間は2022年の8月25日(木)まで!

国内作品編

『隷王戦記』森山光太郎

Kindle価格:2,218円 (紙書籍価格3,344円) ※全三巻での価格

まずは、2022年4月に完結した、森山光太郎の『隷王(れいおう)戦記』全三巻から。最終の三巻は四月に出たばかりなので割引率が低め(10%OFF)。一巻、二巻は50%OFFになってます。

しっかりと作りこまれたファンタジー世界。戦記物×能力バトルの魅力。きちんと、三巻で完結しているのもいい!

隷王戦記1 フルースィーヤの血盟 (ハヤカワ文庫JA) 隷王戦記2 カイクバードの裁定 (ハヤカワ文庫JA) 隷王戦記3 エルジャムカの神判 (ハヤカワ文庫JA)

あらすじ

東方世界の一大勢力、牙の民を率いる覇者エルジャムカは草原の民に降伏か、滅亡かの選択を強いる。若き指導者アルディエルは屈辱の道を強いられ、族長の娘フランは奪われる。フランの想い人剣士カイエンは、エルジャムカに戦いを挑むも無惨に敗れ、奴隷となって砂漠の国バアルベクへと流れ着く。絶望の中で無気力に生きるカイエンは、異郷の地でひとりの姫に出会うのだが……。

『隷王戦記1 フルースィーヤの血盟』森山光太郎より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『復活の地』小川一水

Kindle価格:1,040円(紙書籍価格2,750円) ※全三巻での価格

ブレイクしはじめたころの小川一水の名作『復活の地』。空前絶後の大震災から、大都市をいかにして復興させるか。さまざまな勢力が、それぞれに勝手な主張をしてくる中で、復興院の総裁職に就いた主人公が奮闘するお話。泣けます!

復活の地1 復活の地2 復活の地3

あらすじ

念願の惑星統一を果たし、宇宙進出を目前に控えていたレンカ帝国を未曾有の大地震が襲う。首都トレンカは一瞬にして壊滅的打撃を受け、国会開催中の議事堂は崩壊。皇族、政府閣僚、有力官僚たちの大多数が死亡してしまう。偶然首都に帰還していた植民地総督府の官僚セイオは、生き残りの官僚中、自身が最高位であることを知らされ愕然とする。

『復活の地』小川一水 大震災からの復興物語より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『時砂の王』小川一水

Kindle価格:253円(紙書籍価格682円)

小川一水作品は、今回のセールでは多数対象になっているのだけど、あともう一冊セレクトするならこれ。人類存亡をかけた、時空を超えた戦いを描く物語。紆余曲折を経た、最後の決戦の地がまさかの〇〇!という展開がとにかく燃える。

時砂の王

あらすじ

2598年。人類は正体不明の機械生命体の来襲より存亡の淵にまで追い詰められていた。地球本星は壊滅。海王星の衛星トリトンにまで後退した人類は、最後の切り札として時間を遡って全ての過去を書き換える奇策に打って出る。メッセンジャーと呼ばれる強化人間たちは地球の様々な時代で過酷な戦いを挑んでいく。そして決戦の地は、紀元248年の邪馬台国となるのだが……。

『時砂の王』小川一水、初の時間SFより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『信長島の惨劇』田中啓文

Kindle価格:429円 (紙書籍価格858円)

わらべ歌の歌詞のとおりに殺されていく戦国武将たち。タイトルから漂う濃厚な「ネタ臭」。。。だがそれがいい!「あのオチ」を大真面目に書いているのかと思うとかなり笑える。バカミス好きの方におススメです。

信長島の惨劇 (ハヤカワ時代ミステリ文庫)

あらすじ

本能寺で織田信長は討たれ、そして謀反を起こした明智光秀は、山崎の合戦で敗れた。そんな時、羽柴秀吉、柴田勝家、徳川家康、高山右近らは、三河湾に浮かぶ絶海の孤島に招かれる。招待者の名は織田信長。よもや信長は生きているのか?疑心暗鬼に駆られた彼らは、わらべ歌の歌詞の通りに殺害されていく。果たして犯人は誰なのか?

『信長島の惨劇』田中啓文 絶海の孤島に集められた戦国武将たちより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字

Kindle価格:616円(紙書籍価格1,364円) ※二冊合計価格

10月から映画公開が決まっている作品。二冊あわせてひとつの作品ともいえるスタイルで、しかもどちらから先に読むかで受け止め方が変わってくる(どっちを先に読むか悩む)!メチャ売れているタイトルのなので、この機会に是非!売れてます。

僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫JA) 君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫JA)

あらすじ

『僕が愛したすべての君へ』

並行世界の存在が立証された世界。隣接した並行世界への移動は日常的に発生する。両親が離婚し、母親の元に引き取られた高崎暦は進学先の高校で、瀧川和音という少女に出会う。遠く離れた85番目の世界からやってきたと語る和音は、その世界では暦とは恋人関係にあったと告白する。和音との奇妙な交流が始まる中、暦は並行世界を生きる自分は同一人物と言えるのか、苦悩し始めるのだが……。

『君を愛したひとりの僕へ』

並行世界の存在が立証された世界。隣接した並行世界への移動は日常的に発生する。両親が離婚し、父親の元へ引き取られた高崎暦は、父の勤務先の研究所でひとりの少女、佐藤栞に出会う。相思相愛の仲になっていく二人。しかし彼らの両親同士が再婚することになり、二人の関係にも暗雲が立ち込めてくる。お互いが一緒になれる遠い並行世界へと跳んだ二人だったが、そこでは悲劇が待ち受けていた……。

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

海外作品編

『異常(アノマリー)』エルヴェ・ル・テリエ

Kindle価格:1,485円(紙書籍価格2,970円)

フランスの文学賞、ゴンクール賞を受賞した、世界的なベストセラー作品。2022年の2月に発売された話題作が早くもセール対象に。海外作品は元の価格が高いだけに、割引額も大きくて嬉しい。

何が異常なのか。どんなことが起きるのか。フランス人作家らしい皮肉の効いた(効きまくった)ストーリー展開に痺れて欲しい。です。

異常【アノマリー】

あらすじ

2021年3月。その日のエールフランス006便の飛行は荒れた。異常な乱気流に巻き込まれ、やっとの思いでニューヨークの地を踏んだ乗客たち。二重生活を送る殺し屋。しがない小説家家業を続けるミゼル。映像作家のリュシー。パートナーである建築家のアンドレ。パイロットのディヴィッド。七歳の少女ソフィア。やり手弁護士のジョアンナ。ブレイク中の歌手スリムボーイ。しかし彼らにとって真の「異常」はこれからだった。

『異常(アノマリー)』エルヴェ・ル・テリエ 本当の意味で自分と向き合うということ より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ

Kindle価格:1,870円(紙書籍価格3,740円) ※上下巻での価格

全米で100万部突破。映画化も予定されているベストセラー作品。ロマンティックでエモーショナル。壮大な愛の物語を堪能したい方に強くお勧めしたい名作です。「誰の記憶にも残らない」呪いをかけられた女の物語。

アディ・ラルーの誰も知らない人生 上 アディ・ラルーの誰も知らない人生 下

あらすじ

1714年フランスの小村ヴィヨン=シュル=サルト。23歳のアディ・ラルーは、望まない結婚から逃れるため、古き神と取引を交わすことで自由を手に入れる。しかしその契約には狡猾な罠が仕組まれていた。アディは誰の記憶にも残らない存在となってしまったのだ。家族や友人から忘却され、故郷を追われたアディの長い長い、過酷な人生の旅が始まろうとしていた。

『アディ・ラルーの誰も知らない人生』V・E・シュワブ 誰の記憶にも残らなくなる呪いより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ

Kindle価格:990円(紙書籍価格1,980円)

ベストSF 2021[海外篇]の第四位。昨年に話題となった、韓国の新鋭キム・チョヨプによるエスエフ短編集もセール対象に。読み手の感情を掴んで、ぐいぐいと揺さぶってくる。ハートフルで、ちょっと切ない物語の数々を味わってみていただきたいです。

わたしたちが光の速さで進めないなら

あらすじ

廃棄された宇宙ステーションで、家族の元へ向かう宇宙船を待ち続ける老女の物語(わたしたちが光の速さで進めないなら)。人間のパーソナリティが死後も図書館に保存されるようになった時代、しかし母親の記憶は紛失してしまった。果たしてその理由は?(館内紛失)。長期にわたる宇宙漂流から生還した祖母。彼女が語る異星人とのファーストコンタクト(スペクトラム)。計七編を収録したエモーショナルなエスエフ短編集。

『わたしたちが光の速さで進めないなら』キム・チョヨプ エモーショナルなエスエフ短編集より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』

Kindle価格:1,254円 (紙書籍価格2,090円)

ベストSF 2021[海外篇]の第三位に輝いた傑作。本作もセール対象に入ってきた。

時空を超えた大戦争を繰り広げる両陣営。それぞれの国のトップエージェントが出会い。いつしか惹かれあっていく。二人の女性の交流。運命。選択。最後まで読んで、ニヤニヤして欲しい一作。

 

こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

あらすじ

宇宙の覇権をめぐり対決する二大勢力。エージェンシーとガーデン。時と空間を超えて戦いは続く。レッドとブルー。それぞれの陣営を代表する凄腕の工作員は、出会い、互いをライバルとして認識し、やがて密かに交流を持つようになる。さまざまな手段で<手紙>を交換し、互いへの想いを募らせていく二人だったが、彼女たちの交流はやがて組織の知るところとなる。

『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーンより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『あなたの人生の物語』テッド・チャン

Kindle価格:413(紙書籍価格1,056円)

まずはアメリカ人エスエフ作家テッド・チャンの代表作から。テッド・チャン作品は近刊の『息吹』もセール対象なのでおススメ。

あなたの人生の物語

あらすじ

巨大な塔を"掘りながら"天に向かって上り詰めていく男たち(バビロンの塔)。植物人間状態から、ホルモン療法で天才的な知力を獲得した男の顛末(理解)。決して交わることのない男と女のすれ違いを描く(ゼロで割る)。エイリアンとのファーストコンタクトを経て、新たな知見を得る言語学者(あなたの人生の物語)。"名辞"がモノを動かす世界。未来を垣間見てしまった男の運命は(七十二文字)。人類を超えた"超人類"の登場、それがもたらす影響は?(人類科学の進化)。天使が顕現し福音と災厄を同時にもたらす世界の物語(地獄とは神の不在なり)。”美醜失認処置”が実現した未来。果たしてそれを人類は受け入れられるのか(顔の美醜)。八編の中短編を収録した珠玉の作品集。

『あなたの人生の物語』テッド・チャン 「地獄とは神の不在なり」も収録より

詳しいネタバレ感想こちらから。

『雪が白いとき、かつそのときに限り』陸秋槎

Kindle価格:825円(紙書籍価格1,650円)

続いて中国人ミステリ作家、陸秋槎の作品を二作。『雪が白いとき、かつそのときに限り』は美しくも残酷な青春ミステリ。冬が舞台の作品ですが、夏に読むと少しはひんやり出来るはず。

雪が白いとき、かつそのときに限り (ハヤカワ・ミステリ)

あらすじ

雪に閉ざされた密室で発見された一人の少女。五年前に起きた事件が、現在の学生たちに暗い陰を落とす。事件の背景にはいじめ問題があるのか?寮委員の顧千千から相談を受けた生徒会長の馮露葵は、図書室司書、姚漱寒の助けを得て、事件を調べ始める。そこで彼女たちは、新たな密室殺人の謎に巻き込まれることになるのだが……。

『雪が白いとき、かつそのときに限り』陸秋槎 雪の密室、青春の蹉跌と絶望より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『文学少女対数学少女』陸秋槎

Kindle価格:528円(紙書籍価格1,056円)

陸秋槎作品二作目は数学ネタてんこ盛りの理系ミステリ。文学少女と数学少女、二人のヒロインの関係性が魅力的なので、そっち系お好きな方なら刺さると思います。

なお、陸秋槎作品では『元年春之祭』もセール中(わたしは紙の本買ったけどまだ読んでない)。

文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

あらすじ

陸秋槎は推理小説作家を夢見る高校二年生。彼女は自作の評価を、学内きっての天才と名高い数学少女韓采蘆に依頼する(連続体仮説)。フェルマーの定理が導き出す意外な結論とは?(フェルマー最後の事件)。少女が書いたミステリ短編が示す家族の秘密(不動点定理)。喫茶店のマスターを殺したのは誰なのか?(グランディ級数)。四編を収録したミステリ短編集。

『文学少女対数学少女』陸秋槎 二人の関係のその後が気になる!!より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『三体』劉慈欣

Kindle価格:1,045円(紙書籍価格2,090円)

今回のセールの目玉といってもいい、誰もが知っている中国エスエフの金字塔、劉慈欣の『三体』シリーズの三部作。ホントに凄いのでこれを機会に是非読んで欲しい。

三体

あらすじ

文化大革命で父を殺された葉文潔は、軍が極秘に管理する紅岸基地に送り込まれる。そこで葉は基地内の施設を使い、地球外の知的生命体へメッセージを送ることを思い立つ。40数年後ナノマテリアル開発者の汪森は、科学的にありえない怪現象に遭遇。その背後には学術団体<科学フロンティア>の存在が……。組織への接触を試みた汪森は驚愕の真実を知ることになる。

『三体』劉慈欣 全世界2100万部の超ベストセラーSFより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『三体2黒暗森林』劉慈欣

Kindle価格:1,870円(紙書籍価格3,740円) ※上下巻での価格

『三体』シリーズの凄いところは、各巻それぞれの作品のテイストがまるで違うこと。エンターテイメント性ではこの第二巻「黒暗森林」が最強レベルだと思うなあ。

三体Ⅱ 黒暗森林(上) 三体Ⅱ 黒暗森林(下)

あらすじ

四百数十年後に地球を襲う三体人の大艦隊。絶望的な劣勢を強いられた人類は、四人の面壁者に種の未来を託した。来たるべき"終末決戦"に備えて、秘密裡に活動を開始した面壁者たちだったが、地球人内部の反人類組織、地球三体協会(ETO)が彼らの行動を阻む。彼らの計画は果たして成功するのか。ETOの創始者葉文潔から、宇宙社会学の公理を学んだ羅輯は、面壁者の一人として孤独な戦いを開始する。

『三体2 黒暗森林』劉慈欣 面壁者VS破壁人、シリーズ二作目は頭脳バトルだ!より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『三体3死神永生』劉慈欣

Kindle価格:2,090円(紙書籍価格4,180円) ※上下巻での価格

『三体』シリーズの最終巻「死神永生」。スケールの壮大さではこれが一番。最後はどこまで連れていかれるのかわからないワクワク感を堪能したい。

三体Ⅲ 死神永生 上 三体Ⅲ 死神永生 下

あらすじ

迫りくる三体艦隊に対し、人類は「面壁計画」でその脅威に備える。しかしその裏では、三体艦隊の中に工作員を送り込む「階梯計画」が進行していた。女性科学者程心の人生は、この計画を立案したことで大きく変わっていく。三体人の想定外の行動。暗黒森林攻撃の恐怖に震える人類。そして時空の果てで程心が最後に見たものとは……。

『三体3 死神永生』劉慈欣 時空の果て、わたしたちの星、わたしたちの宇宙より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル

Kindle価格:1,122円(紙書籍価格2,244円) ※上下巻での価格

続いてはメアリ・ロビネット・コワルの「Lady Astronaut」シリーズから。歴史改変モノで、史実よりもう少し早く宇宙開発が始まっていたら?という仮想のもとに書かれた作品。物語の熱さに圧倒される。

宇宙【そら】へ 上 (ハヤカワ文庫SF) 宇宙【そら】へ 下 (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ

1952年に起きた未曽有の大災害。巨大隕石の落下によって、ワシントンD.C.をはじめとしたアメリカ東海岸の諸都市が壊滅状態に陥ったのだ。地球環境には深刻なダメージが与えられ、人類の生存にも重大な危機が訪れる。辛うじて災厄を生き延びたエルマは、ロケット工学者である夫のナサニエルと共に、宇宙開発の道へと乗り出していくのだが……。

『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル わたしは宇宙に行きたい!より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル

Kindle価格:1,144円(紙書籍価格2,288円) ※上下巻での価格

メアリ・ロビネット・コワルの「Lady Astronaut」シリーズ、長編第二作。『宇宙へ』の続編なので読む順番を間違えないように。

火星へ 上 (ハヤカワ文庫SF) 火星へ 下 (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ

巨大隕石の落下により、地球環境の急激な温暖化が始まる。生存への道を宇宙に見出した人類は月面にコロニーを建設。続いて火星への有人ミッションが計画される。火星への往復に要する期間は三年。宇宙飛行士のエルマ・ヨークは、メンバーに選出されるが、家族かキャリアか、どちらを選ぶべきかで苦悩するのだが……。

『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル 1960年代の有人火星ミッションより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエン

Kindle価格:1,045(紙書籍価格2,090円)

2021年本屋大賞の翻訳小説部門で第1位を獲得した作品。孤独な人生を送ってきた少女の成長に心を揺さぶられるのは必至。ノース・カロライナ沿岸地域の、美しい情景描写にも魅せられる。

ザリガニの鳴くところ

あらすじ

1950年代のアメリカ。ノース・カロライナ州。少女カイアは貧しい白人家庭に生まれ、やがて親兄弟にも見捨てられる。湿地の粗末な小屋でひとりで暮らす日々。日が昇る前に起きて、掘り出したムール貝の売上げで辛うじて命を繋ぐ。周囲の人々からは「湿地の少女」と蔑まれ、差別と偏見の中で生きていくカイア。深い孤独と絶望の中に居た彼女に、一人の少年が手を差し伸べるのだが……。

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ 2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリス

Kindle価格:1,232円(紙書籍価格2,420円) ※上下巻での価格

時間遡行が現実化した世界。女子大生キヴリンちゃんが、14世紀のイギリスに送り込まれて大変な目に遭うお話。コニー・ウィリス作品ならではの、ゆっくりひたひたと、しかし着実に加速していく物語を堪能してほしい。終盤の展開は圧巻。

ドゥームズデイ・ブック(上) ドゥームズデイ・ブック(下) 

あらすじ

21世紀のイギリス。遂に実現した時間旅行は歴史研究者に新しい扉を開いた。オックスフォード大学の女子学生キヴリンは実習のために14世紀へと旅立つ。しかし完全な防疫措置を施された筈の彼女は到着早々に謎の病に倒れ人事不省に陥ってしまう。彼女の帰りを待つ現代でも突如発生した伝染病が人々を襲う。果たしてキヴリンは無事に帰還することが出来るのか。

『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリスの名作タイムトラベルSFより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『犬は勘定に入れません』コニー・ウィリス

Kindle価格:1,002円(紙書籍価格1,892円) ※上下巻での価格

一つ前に紹介した『ドゥームズデイ・ブック』と同じ世界観の作品。エスエフ要素と本格ミステリ要素の融合。さまざまな事象が複雑に絡み合って、最後に一気に謎が解けていく終盤には唸らされます。

犬は勘定に入れません(上)あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 犬は勘定に入れません(下)あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

あらすじ

時間旅行が可能となった未来のイギリス。戦災で焼亡したコヴェントリー大聖堂の調査を続けるネッドは、責任者のミス・シュラプネルが厳命する「主教の鳥株」の捜索が思うようにいかず疲労困憊。事態をみかねたダン・ワージー教授はネッドをゆっくり休めるヴィクトリア朝の時代へと送りこむ。しかし時間旅行ボケのために、ネッドは大事な使命をすっかり忘れてしまっていて……。

『犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』コニー・ウィリス 時間モノの傑作より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『航路』コニー・ウィリス

Kindle価格:1,400円(紙書籍価格2,596円) ※上下巻での価格

コニー・ウィリス作品からもう一作。『航路』もおススメしちゃう。スローペースの展開なので(コニー・ウィリスにありがち)、最初はどこに連れていかれるか全くわからない。終盤のマジかよ!そんな話になるの!という超展開を体験して欲しい。

航路(上) (ハヤカワ文庫SF) 航路(下) (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ

認知心理学者のジョアンナはNDE(臨死体験)を科学的に解明すべく、体験者への聞き取り調査を続けていた。神経内科医のリチャードは人為的にNDEを発生させる方法を発見。慢性的なNDE経験者不足に悩むジョアンナは彼との共同研究を受け入れる。しかしトラブルの連続で予定していた被験者は次々とキャンセルに。意を決したジョアンナは自らが被験者となることを決意するのだが……。

『航路』コニー・ウィリス 臨死体験と死後の世界より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『火星年代記』レイ・ブラッドベリ

Kindle価格:367円(紙書籍価格1,034円)

エスエフ界のオールタイムベストとも言える作品。新装版では旧版と比べて、なんと収録されている作品数が増えている!ので、旧版しか読んでいない方はこちらも要チェック!

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ

人類は遂に火星へに到達した。しかし火星は無人の大地では無かった。地球からの探検隊は火星人の妨害によって次々と消息を絶っていく。それでも続々と来襲する地球人の大集団に、いつしか火星人たちは駆逐されていった。植民星となった火星だが、新天地に見えたこの地もまた、地球社会の縮図でしかなかった。地球に異変が訪れた時、火星に新たな変化が訪れようとしていた。

『火星年代記』レイ・ブラッドベリ 火星移民を巡る26編の連作短編集より

詳しいネタバレ感想はこちらから。

最後の二冊は非小説作品から。早川文庫はビジネス書、ノンフィクション系タイトルを扱った「NF」シリーズでは、海外のベストセラー作品を多数収録している。

『リモートワークの達人』ジェイソン・フリード&ディヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン

Kindle価格:440円(紙書籍価格880円)

実はコロナ禍前に書かれていた、リモートワーク(テレワーク)のおススメ本。コロナ禍になって、一気に普及が進んだリモートワークの功罪を予見。役に立つTIPSを多数収録しておりおススメ。

リモートワークの達人 (ハヤカワ文庫NF)

内容

会社員でありながら、職場ではなく自宅で働く。新しい仕事形態「リモートワーク(テレワーク)」に注目が集まっている。その導入方法から、長所と短所までを紹介。メリットを生かし、デメリットに対して以下に備えるか。お役立ちの小ネタから、マネジメントに役立つ考え方まで、リモートワークの先進国アメリカの知見を伝えてくれる一冊。

『リモートワークの達人』もっと早く読みたかった「テレワーク」ガイドブックより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

『だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学』ハイディ・グラント・ハルヴァーソン

Kindle価格:473円(紙書籍価格946円)

人と人はどうしてわかりあえないのか。それは人間の認知にはバイアスがかかるから。認知における二段階の仕組みを知ることで、ちょっとだけ生きやすくなるかも?発見と驚きに満ちたメンタルケアの良書だったりします。

だれもわかってくれない 傷つかないための心理学 (ハヤカワ文庫NF)

内容

どうして人間はわかりあえないのか。なぜ私は他人から誤解されてしまうのか。家族、恋人、そして職場で。人間関係の悩みは絶えない。こうであると思っている自分像と。他者が見ている自分像は多くの場合一致しない。外部からの認識にはバイアスがかかり、過ちを冒す傾向が強い。しかし、その誤りは予測することが可能である。社会心理学の第一人者が教える、人間心理の法則とは?

『だれもわかってくれない』ハイディ・グラント・ハルヴァーソン  人がわかりあえない理由を考えるより

詳しいネタバレ感想はこちらから。

おわりに

以上、このブログで紹介したハヤカワ作品のうち、今回、割引価格で販売されている作品24作(37冊)をご紹介してみた。いずれも良作、名作揃いなので、この機会に是非読んでいただければと思います。

なお、早川から出ているけど、今回セール対象になってない作品(刊行されてから時間が経ってないからだと思う)にも、当然のことながら名作が多数存在する。

せっかくなので紹介記事だけリンクしておこう。

まとめ系記事はこちらも!