※セール期間終了してます!お気を付けください!
早川書房の夏のセールがやってきた!
早川書房の電子書籍化されている1,500作品についてセールが始まったので、本ブログで紹介した作品の中から、おススメを14作セレクトしてみた。今回は海外作品のみが対象となっている。翻訳作品は国内作品と比べると高額になるのでこれはチャンス!
基本は50%OFFだけど、更に安くなっているタイトルもある。電子書籍でもオッケーな方は、是非チェックしてみてください!
セール期間は2022年の7月13日(水)まで!
- 早川書房の夏のセールがやってきた!
- 『あなたの人生の物語』テッド・チャン
- 『雪が白いとき、かつそのときに限り』陸秋槎
- 『文学少女対数学少女』陸秋槎
- 『三体』劉慈欣
- 『三体2黒暗森林』劉慈欣
- 『三体3死神永生』劉慈欣
- 『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル
- 『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル
- 『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエン
- 『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリス
- 『犬は勘定に入れません』コニー・ウィリス
- 『火星年代記』レイ・ブラッドベリ
- 『リモートワークの達人』ジェイソン・フリード&ディヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
- 『だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学』ハイディ・グラント・ハルヴァーソン
- おわりに
『あなたの人生の物語』テッド・チャン
Kindle価格:207円(紙書籍価格1,056円)
まずはアメリカ人エスエフ作家テッド・チャンの代表作から。割引率高っ!テッド・チャン作品は近刊の『息吹』もセール対象なのでおススメ。
あらすじ
巨大な塔を"掘りながら"天に向かって上り詰めていく男たち(バビロンの塔)。植物人間状態から、ホルモン療法で天才的な知力を獲得した男の顛末(理解)。決して交わることのない男と女のすれ違いを描く(ゼロで割る)。エイリアンとのファーストコンタクトを経て、新たな知見を得る言語学者(あなたの人生の物語)。"名辞"がモノを動かす世界。未来を垣間見てしまった男の運命は(七十二文字)。人類を超えた"超人類"の登場、それがもたらす影響は?(人類科学の進化)。天使が顕現し福音と災厄を同時にもたらす世界の物語(地獄とは神の不在なり)。”美醜失認処置”が実現した未来。果たしてそれを人類は受け入れられるのか(顔の美醜)。八編の中短編を収録した珠玉の作品集。
『雪が白いとき、かつそのときに限り』陸秋槎
Kindle価格:825円(紙書籍価格1,650円)
続いて中国人ミステリ作家、陸秋槎の作品を二作。『雪が白いとき、かつそのときに限り』は美しくも残酷な青春ミステリ。冬が舞台の作品ですが、夏に読むと少しはひんやり出来るはず。
あらすじ
雪に閉ざされた密室で発見された一人の少女。五年前に起きた事件が、現在の学生たちに暗い陰を落とす。事件の背景にはいじめ問題があるのか?寮委員の顧千千から相談を受けた生徒会長の馮露葵は、図書室司書、姚漱寒の助けを得て、事件を調べ始める。そこで彼女たちは、新たな密室殺人の謎に巻き込まれることになるのだが……。
『文学少女対数学少女』陸秋槎
Kindle価格:528円(紙書籍価格1,056円)
陸秋槎作品二作目は数学ネタてんこ盛りの理系ミステリ。文学少女と数学少女、二人のヒロインの関係性が魅力的なので、そっち系お好きな方なら刺さると思います。
なお、陸秋槎作品では『元年春之祭』もセール中(わたしは紙の本買ったけどまだ読んでない)。
あらすじ
陸秋槎は推理小説作家を夢見る高校二年生。彼女は自作の評価を、学内きっての天才と名高い数学少女韓采蘆に依頼する(連続体仮説)。フェルマーの定理が導き出す意外な結論とは?(フェルマー最後の事件)。少女が書いたミステリ短編が示す家族の秘密(不動点定理)。喫茶店のマスターを殺したのは誰なのか?(グランディ級数)。四編を収録したミステリ短編集。
『三体』劉慈欣
Kindle価格:1,045円(紙書籍価格2,090円)
今回のセールの目玉といってもいい、誰もが知っている中国エスエフの金字塔、劉慈欣の『三体』シリーズの三部作。ホントに凄いのでこれを機会に是非読んで欲しい。
あらすじ
文化大革命で父を殺された葉文潔は、軍が極秘に管理する紅岸基地に送り込まれる。そこで葉は基地内の施設を使い、地球外の知的生命体へメッセージを送ることを思い立つ。40数年後ナノマテリアル開発者の汪森は、科学的にありえない怪現象に遭遇。その背後には学術団体<科学フロンティア>の存在が……。組織への接触を試みた汪森は驚愕の真実を知ることになる。
『三体2黒暗森林』劉慈欣
Kindle価格:1,870円(紙書籍価格3,740円) ※上下巻での価格
『三体』シリーズの凄いところは、各巻それぞれの作品のテイストがまるで違うこと。エンターテイメント性ではこの第二巻「黒暗森林」が最強レベルだと思うなあ。
あらすじ
四百数十年後に地球を襲う三体人の大艦隊。絶望的な劣勢を強いられた人類は、四人の面壁者に種の未来を託した。来たるべき"終末決戦"に備えて、秘密裡に活動を開始した面壁者たちだったが、地球人内部の反人類組織、地球三体協会(ETO)が彼らの行動を阻む。彼らの計画は果たして成功するのか。ETOの創始者葉文潔から、宇宙社会学の公理を学んだ羅輯は、面壁者の一人として孤独な戦いを開始する。
『三体3死神永生』劉慈欣
Kindle価格:2,090円(紙書籍価格4,180円) ※上下巻での価格
『三体』シリーズの最終巻「死神永生」。スケールの壮大さではこれが一番。最後はどこまで連れていかれるのかわからないワクワク感を堪能したい。
あらすじ
迫りくる三体艦隊に対し、人類は「面壁計画」でその脅威に備える。しかしその裏では、三体艦隊の中に工作員を送り込む「階梯計画」が進行していた。女性科学者程心の人生は、この計画を立案したことで大きく変わっていく。三体人の想定外の行動。暗黒森林攻撃の恐怖に震える人類。そして時空の果てで程心が最後に見たものとは……。
『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル
Kindle価格:1,122円(紙書籍価格2,244円) ※上下巻での価格
続いてはメアリ・ロビネット・コワルの「Lady Astronaut」シリーズから。歴史改変モノで、史実よりもう少し早く宇宙開発が始まっていたら?という仮想のもとに書かれた作品。物語の熱さに圧倒される。
あらすじ
1952年に起きた未曽有の大災害。巨大隕石の落下によって、ワシントンD.C.をはじめとしたアメリカ東海岸の諸都市が壊滅状態に陥ったのだ。地球環境には深刻なダメージが与えられ、人類の生存にも重大な危機が訪れる。辛うじて災厄を生き延びたエルマは、ロケット工学者である夫のナサニエルと共に、宇宙開発の道へと乗り出していくのだが……。
『火星へ』メアリ・ロビネット・コワル
Kindle価格:1,144円(紙書籍価格2,288円) ※上下巻での価格
メアリ・ロビネット・コワルの「Lady Astronaut」シリーズ、長編第二作。『宇宙へ』の続編なので読む順番を間違えないように。
あらすじ
巨大隕石の落下により、地球環境の急激な温暖化が始まる。生存への道を宇宙に見出した人類は月面にコロニーを建設。続いて火星への有人ミッションが計画される。火星への往復に要する期間は三年。宇宙飛行士のエルマ・ヨークは、メンバーに選出されるが、家族かキャリアか、どちらを選ぶべきかで苦悩するのだが……。
『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエン
Kindle価格:1,045円(紙書籍価格2,090円)
2021年本屋大賞の翻訳小説部門で第1位を獲得した作品。孤独な人生を送ってきた少女の成長に心を揺さぶられるのは必至。ノース・カロライナ沿岸地域の、美しい情景描写にも魅せられる。
あらすじ
1950年代のアメリカ。ノース・カロライナ州。少女カイアは貧しい白人家庭に生まれ、やがて親兄弟にも見捨てられる。湿地の粗末な小屋でひとりで暮らす日々。日が昇る前に起きて、掘り出したムール貝の売上げで辛うじて命を繋ぐ。周囲の人々からは「湿地の少女」と蔑まれ、差別と偏見の中で生きていくカイア。深い孤独と絶望の中に居た彼女に、一人の少年が手を差し伸べるのだが……。
『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリス
Kindle価格:1,584円(紙書籍価格2,420円) ※上下巻での価格
あれ、こちらは50%オフになってない、別扱いなのかな?
時間遡行が現実化した世界。女子大生キヴリンちゃんが、14世紀のイギリスに送り込まれて大変な目に遭うお話。コニー・ウィリス作品ならではの、ゆっくりひたひたと、しかし着実に加速していく物語を堪能してほしい。終盤の展開は圧巻。
あらすじ
21世紀のイギリス。遂に実現した時間旅行は歴史研究者に新しい扉を開いた。オックスフォード大学の女子学生キヴリンは実習のために14世紀へと旅立つ。しかし完全な防疫措置を施された筈の彼女は到着早々に謎の病に倒れ人事不省に陥ってしまう。彼女の帰りを待つ現代でも突如発生した伝染病が人々を襲う。果たしてキヴリンは無事に帰還することが出来るのか。
『犬は勘定に入れません』コニー・ウィリス
Kindle価格:1,288円(紙書籍価格1,892円) ※上下巻での価格
こちらも50%オフになってない、割引率渋めだけど紹介しちゃう。
一つ前に紹介した『ドゥームズデイ・ブック』と同じ世界観の作品。エスエフ要素と本格ミステリ要素の融合。さまざまな事象が複雑に絡み合って、最後に一気に謎が解けていく終盤には唸らされます。
あらすじ
時間旅行が可能となった未来のイギリス。戦災で焼亡したコヴェントリー大聖堂の調査を続けるネッドは、責任者のミス・シュラプネルが厳命する「主教の鳥株」の捜索が思うようにいかず疲労困憊。事態をみかねたダン・ワージー教授はネッドをゆっくり休めるヴィクトリア朝の時代へと送りこむ。しかし時間旅行ボケのために、ネッドは大事な使命をすっかり忘れてしまっていて……。
『火星年代記』レイ・ブラッドベリ
Kindle価格:367円(紙書籍価格1,034円)
エスエフ界のオールタイムベストとも言える作品。新装版では旧版と比べて、なんと収録されている作品数が増えている!ので、旧版しか読んでいない方はこちらも要チェック!
あらすじ
人類は遂に火星へに到達した。しかし火星は無人の大地では無かった。地球からの探検隊は火星人の妨害によって次々と消息を絶っていく。それでも続々と来襲する地球人の大集団に、いつしか火星人たちは駆逐されていった。植民星となった火星だが、新天地に見えたこの地もまた、地球社会の縮図でしかなかった。地球に異変が訪れた時、火星に新たな変化が訪れようとしていた。
最後の二冊は非小説作品から。早川文庫はビジネス書、ノンフィクション系タイトルを扱った「NF」シリーズでは、海外のベストセラー作品を多数収録している。
『リモートワークの達人』ジェイソン・フリード&ディヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
Kindle価格:440円(紙書籍価格880円)
実はコロナ禍前に書かれていた、リモートワーク(テレワーク)のおススメ本。コロナ禍になって、一気に普及が進んだリモートワークの功罪を予見。役に立つTIPSを多数収録しておりおススメ。
内容
会社員でありながら、職場ではなく自宅で働く。新しい仕事形態「リモートワーク(テレワーク)」に注目が集まっている。その導入方法から、長所と短所までを紹介。メリットを生かし、デメリットに対して以下に備えるか。お役立ちの小ネタから、マネジメントに役立つ考え方まで、リモートワークの先進国アメリカの知見を伝えてくれる一冊。
『だれもわかってくれない: 傷つかないための心理学』ハイディ・グラント・ハルヴァーソン
Kindle価格:476円(紙書籍価格946円)
人と人はどうしてわかりあえないのか。それは人間の認知にはバイアスがかかるから。認知における二段階の仕組みを知ることで、ちょっとだけ生きやすくなるかも?発見と驚きに満ちたメンタルケアの良書だったりします。
内容
どうして人間はわかりあえないのか。なぜ私は他人から誤解されてしまうのか。家族、恋人、そして職場で。人間関係の悩みは絶えない。こうであると思っている自分像と。他者が見ている自分像は多くの場合一致しない。外部からの認識にはバイアスがかかり、過ちを冒す傾向が強い。しかし、その誤りは予測することが可能である。社会心理学の第一人者が教える、人間心理の法則とは?
おわりに
※セール期間終了してます!お気を付けください!
以上、このブログで紹介したハヤカワ作品のうち、今回、割引価格で販売されている作品14作(20冊)をご紹介してみた。いずれも良作、名作揃いなので、この機会に是非読んでいただければと思います。
なお、早川から出ているけど、今回セール対象になってない作品にも、当然のことながら名作が多数存在するので、紹介記事だけリンクしておこうかな。