ネコショカ

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『凌辱の魔界』友成純一 繰り広げられる魔宴の日々


アダルトレーベルから出ていた伝説のホラー作品

1985年刊行作品。もともとはマドンナ文庫から刊行されていた作品である。

マドンナ文庫というのはいわゆるアダルト系のレーベルなのだが、そもそもなんでこの作品がここから出ていたのかもよく判らない。およそ「本来の目的」に耐えうる作品ではないのである。よく編集者がこれで通したよなあ。

グチョグチョでドロドロ。スプラッター系のホラーの早すぎた傑作として、このマドンナメイト文庫版はマニア間でそこそこの値がついている。

凌辱の魔界(1985年初版)

凌辱の魔界(1985年初版)

 

その後、1999年に幻冬舎アウトロー文庫から再文庫化された。マドンナメイトから出るよりは、余程こちらのレーベルの方があっている気がする。わたしが読んだのはこちらの版である。

凌辱の魔界 (幻冬舎アウトロー文庫)

凌辱の魔界 (幻冬舎アウトロー文庫)

 

その後、アドレナライズによって電子書籍版が2013年に刊行。往年の怪作が、現在でも気軽に(笑)読めるようになっている。

凌辱の魔界
あらすじ

闇社会に生きる男、鬼道(おにみち)の稼業はとある研究所へ生きた人間を供給すること。そこでは人体を用いた冒涜的な実験が日夜繰り広げられていた。無感動に人体を運び続けていた鬼道だったが一人の少女の存在が彼の理性を狂わせていく。酸鼻を極める背徳の世界で繰り広げられる魔宴の日々。

凄惨な描写が延々と続く

綾辻行人の『殺人鬼』シリーズや牧野修の一連の作品群で、けっこうグロい殺戮シーンを読んだことがあるのだが、本作に比べるとこれらはまだまだ健全。品格すらあったと思う。

しかし、この話、本当にすごい。というか酷い(←褒めてる)。二章の延々と続く腐乱死体を相手にしたベッドシーン!にはげんなりさせられた。

全編を通じて、徹頭徹尾、ただひたすら、血と脳漿と体液のぬめり感。猛烈な異臭が濃厚に最後まで漂い続けるのである。名状しがたい嫌悪感を抱かずには居られない描写のオンパレードで、しかも一切の救いナシ。更にストーリーもあってなきが如しなのである。

エログロバイオレンスなんて陳腐な言葉では到底くくれない、圧倒的な存在感を持っている作品。ここまで突き抜けているとさすがに立派だと思う。40年近く読まれ続けているだけのことはある怪作と言えるだろう。

凌辱の魔界

凌辱の魔界