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『樒(しきみ)/榁(むろ)』殊能将之による「密室本」!


殊能将之の第五作

2002年刊行作品。これまでに何作か紹介している、講談社ノベルズ20周年記念企画「密室本」の一冊である。「密室本」歴代メフィスト賞受賞作家による、密室をテーマとした競作シリーズ。ちなみにタイトルの読みは『樒(しきみ)/榁(むろ)』である。

作者の殊能将之(しゅのうまさゆき)は1964年生まれ。2013年に49歳の若さで早逝されている。デビュー作は第13回のメフィスト賞受賞作『ハサミ男』。この作品は歴代メフィスト賞作品の中でも屈指の名作とされている絶品なので、いずれ改めて感想を書くつもり。

樒/榁 (講談社ノベルス)

単著での文庫化はされていないが、文庫版『鏡の中は日曜日』に同時収録されている。現在読むならばこちらかな。

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

  • 作者:殊能 将之
  • 発売日: 2005/06/15
  • メディア: 文庫
 

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

殊能将之の作品を読んでみたい方、「密室」をテーマとしたミステリに興味のある方、講談社ノベルスの「密室本」シリーズに挑戦してみたい方、『樒/榁』の謎めいたタイトルの意味を知りたい方におススメ。

あらすじ

香川県の山深い温泉地へとやってきた「とある」名探偵。久々にゆっくりと骨休みでもと思っていたその思惑は見事に外れ、またしても宿で起こった殺人事件に巻き込まれる。密室の中で怪死を遂げた被害者。近隣の山中には天狗伝説を、今なお受け継ぐ小祠が残されており、被害者はそのご神体で天狗の斧に執心だったというのだが、果たして事件と伝説はどのような関係があるのだろうか。

ここからネタバレ

二人の探偵が登場

殊能作品なので、探偵と言えば、当然石動戯作が登場するのかと思っていると、ここでひねりが入っていて、前作『鏡の中は日曜日』で登場した水城将臣一行が登場して意表を衝かれる。もっとも驚かされたのはここまで。本作は全体が二部構成になっていて、前半を水城が、後半では石動が事件を捌く。

この事件の舞台は同じ場所なのだが、時間軸がずらされていて、この点が趣向といえば、趣向なのだが、本当にそれだけだったりするので、期待し過ぎていると肩透かしを食わされる。常に、新鮮な仕掛けを取り入れてくるこの作者としてはやや物足りないが、この薄さではこんなもんか。タイトルネーミングも、さすがに無理やり過ぎたような……。

「密室本」シリーズは本作に限らず、比較的、尺の短い作品が多いのだが、そのせいか素材の魅力を使いきれずに終わってしまっているものが多いように思え、なんとも残念。

樒/榁 (講談社ノベルス)

樒/榁 (講談社ノベルス)

 

 なお、「密室本」についてもっと詳しく知りたい方はこちらのサイトが参考になりそう。

www5a.biglobe.ne.jp

biboulog.com