お正月進行で一週空いてしまったが、毎週火曜日はライトノベル系の大長編作品を、一巻ずつ紹介する日である。本日は荻原規子の「西の善き魔女」シリーズの第二回。
「西の善き魔女」シリーズの二作目
1997年刊行作品。
あれ、イラストが変わっていると思ったら一冊目は新装版を買ってしまっていたらしい(当時)。よく見ると出版社名も違う!この頃はまだ中央公論社だ(新装版では中央公論新社)。イラストはノベルズの1巻~4巻までが牛島慶子で、5巻がきがわ琳、外伝の1巻~2巻が朝比奈涼子、ってどう考えてもイラスト変わりすぎ。酷いなこれは。
中央公論社は1999年に経営危機に陥り、読売新聞社が設立した中央公論新社に営業権を譲渡している。これが4巻と5巻の間の出来事なのでなにか影響があったのかもしれない、と邪推してみる。で、外伝3巻で更にイラストが変わって桃川春日子に。
さすがにこれではマズイと思ったのかこの時点で表紙絵、イラストが桃川春日子に全て差し変わった新装版が刊行されている。ちなみに桃川春日子はコミック版も描いている。
その後は、2001年の単行本版が出て。
さらに、中公文庫版が2004年に登場。
さらに2013年に角川文庫版が登場と、いろいろな版が存在するので注意が必要なシリーズである。
あらすじ
フィリエルはルアルゴー伯爵の手によってトーラス女子修道院の付属学校へと送り込まれる。厳格な規律で知られる全寮制の学院は乙女の花園。しかしその内実は一部の特権階級の子女たちによって支配された過酷なピラミッド社会だった。生徒会からの嫌がらせを受けながらも健気に耐えるフィリエルだったが、思いもよらぬ人物が転校生として現れる。
まさかの同人展開
王位継承争いに巻き込まれていくフィリエル。が、なにはともあれまずは行儀作法の勉強からということで全寮制のお嬢様養成学校に放り込まれる。『キャンディ・キャンディ』的に言うと聖ポール学院みたいなもんか。あっちは共学だけど。上級生の苛めに耐えて逆襲に打って出るという、とても気持ちの良い展開ではあるけれども、ルーネットの転校はいくらなんでも無理が有りすぎ。
作者的にはこの二巻が一番楽しんで書いているように見えるけど。アデイルの同人話は羽目を外しすぎのように思える。いちおうファンタジー世界なわけだしさあ。