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『グレイ・チェンバー』小川一水 ジャンプジェイブックスレーベルでの刊行作品


ジャンプジェイブックス時代の小川一水作品

小川一水(おがわいっすい)は、河出智紀名義で1996年10月に『まずは一報ポプラパレスより』を上梓していて実質的にはこれがこの作家のデビュー作。続いて『まずは一報ポプラパレスより2』 が1998年の4月に出ておりこれが河出智紀名義では最後の作品になる。

その後1998年8月に朝日ソノラマから、小川一水名義で『アース・ガード―ローカル惑星防衛記―』が刊行され以後はこのペンネームで活動していくことになる。

『グレイ・チェンバー』は2000年の刊行作品。小川一水最初期の作品と言えるかな。集英社の『週刊少年ジャンプ』系のライトノベルレーベル、ジャンプジェイブックスからの登場。イラストは三好ナオトが担当している。

本作は長らく絶版状態が続いていたが、2014年に電子書籍のみではあるが、アドレナライズ版が刊行され、いつでも読めるようになった。現在読むならこちらの版になる。

グレイ・チェンバー

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

最初期の小川一水作品に触れてみたい方。特にジャンプジェイブックス時代の作品に興味がある方。ガチの小川一水ファンの方。学園を舞台としたエスエフアドベンチャー的な作品を読んでみたい方におススメ。

あらすじ

雫森高校三年一組の教室に突如として出現した謎の生命体ネイバー。級長の如月そよぎは辛うじて侵入者を撃退するが、それは悪夢の日々の始まりを意味していた。絶えることのないネイバーたちの襲来に、三年一組はクラス総力での攻防を強いられることになる。敵の力は強まる一方。次第に疲弊していくクラスメイトたち。戦いの果てに待つものは!?

ここからネタバレ

灰色の入れ物=学校

タイトルの「グレイ・チェンバー」とは直訳すれば灰色の入れ物。転じて学校、教室を意味している。味気ない灰色の学園生活も、ふとしたことから輝け得る日常に転化させることが出来る。いかにもジャンプ系レーベルらしい、友情・努力・勝利の三原則に忠実な内容。気軽にサクッと、肩の力を抜いて読める作品だろう。

レーベルの属性に合っている点では、良いのかもしれない。しかしながら、際立って目立つところのない、小川一水作品として考えると物足りない作品であることは否めない。いかにも言われて書きました的なサービスシーンまであって、新人作家の苦悩的なものが偲ばれてしまう。ジャンプジェイブックスは、作家デビューをさせてもらったレーベルだから書かないわけにはいかなかったのだろうけど……。

グレイ・チェンバー

グレイ・チェンバー

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