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『俺が近所の公園でリフティングしていたら』矢田容生 2ちゃんねらー感動の熱血サッカー小説


2ちゃんねる発のサッカー小説

2006年刊行。2ちゃんねるの国内サッカー板に連載されていた作品を加筆修正の上で商業出版化したもの。作者の矢田容生(やたひろお)は1971年生まれ。2020年現在、著作は本作のみであるようだ。ちなみに文庫化もされていないが、電子書籍化はされたみたい。今でも読めるのはありがたい。

俺が近所の公園でリフティングしていたら

本書の3頁に掲載されている>>1は「U-名無しさん」、つまり匿名の誰かの書き込みで、矢田容生が書いた物ではない。小学館サイトの本人メッセージによると、この>>1に刺激を受けて矢田容生はこの物語を書く気になったのだそうだ。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

サッカー小説、スポーツ系の小説が好きな方。とにかく感動できる小説を読んでみたい方。2000年代後半のサッカー日本代表ユースチームに愛着を感じる方。大熊ジャパンファン(笑)。ネット発、それも2ちゃんねる掲載という点に興味を持てる方におススメ。

あらすじ

埼玉南高校のサッカー部に所属する樋口広樹は、時折才能の片鱗を覗かせることはあったにせよ、無名の一高校生に過ぎなかった。あの日、公園でモニカに出会うまでは……。フル代表との練習試合に駆り出された埼玉南は思わぬ善戦を見せる。樋口はユース代表に大抜擢されオランダで開催されるワールドユースに臨む。運命のアルゼンチン戦、二点を先行された日本はピッチに樋口を送り込む。

ココからネタバレ

ベタな展開ながらも熱いサッカー小説

無名の高校生樋口クンが、ハーフ美少女のモニカちゃん(サッカーの天才)に出会い、一気にサッカー選手としての才能を開花させていく絵に描いたようなサクセスストーリー。いきなりフル代表との練習試合から始まるあたり、つかみとしてはバッチリ。これが処女作なのでハッキリ言って文章力は今一歩の部分が多かったりもするのだけど、実名の選手を使っているだけあって、展開が判りやすい。「加地にパス」って書いたら、何も書かなくても右に出したって判るしね。これは大きなアドバンテージ。

方針として選手名は実名。監督、スタッフ陣は変名という形式を取っている。五輪代表監督の名は「小熊」(笑)。「サンキュー樋口!」なんて言っちゃう。ここまで似せるなら大熊って素直に書けばいいのに。FC東京のメンツからは土肥、増嶋、梶山、ついでに加地さんあたりが登場。土肥のみにちょっとだけ台詞がある。

サッカーへの愛を感じる

ユース代表に呼ばれて、そのままワールドユースに出場。スーパーサブとして八面六臂の大活躍。メッシと互角の勝負をしちゃう主人公。ありえないと判っていながらも、思わず引き込まれる面白さ。サッカーへの熱烈な愛情が文章の未熟さを補ってあまりあるといった感じ。とにかく熱い。燃えそうな程に熱い。2006年のワールドカップ、特にブラジル戦を見る前にこの作品を読むことが出来たのは幸せだったと思う。現実は……アレだったけどね。

難を言うならば、物語を盛り上げるのに、人の生き死にを使うのは勘弁して欲しかった。そんなことをしなくても十分面白かったのに。その方がラストが盛り上がったのは事実だろうけど。あれは酷すぎる。どんなショボイスポーツマンガでも、今更そんな手垢のついたような手は使わないだろう。これで凡百の感動モノの域にまで墜してしまっている。この点はホントに残念。

俺が近所の公園でリフティングしていたら

俺が近所の公園でリフティングしていたら

  • 作者:矢田容生
  • 発売日: 2013/02/15
  • メディア: Kindle版
 

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