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『魔導物語'98』『真・魔導物語外伝』『真・魔導物語』織田健司 懐かしの『魔導物語』ノベライズ三作をまとめて紹介


本日は1998年~2001年にかけて刊行されていた、ゲーム『魔導物語』に関する、一連のノベライズ作品ご紹介した。古いネタでごめんよ。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

ゲーム『魔導物語』をプレイしたことがある方。ほんわかした世界観が好きな方。1990年代後半~2000年代前半のコンシューマゲームの世界に浸りたい方。この時代のコンパイルのノリが大好きな方におススメ。

ここからネタバレ

『魔導物語'98』

一作目は『魔導物語'98』。1998年刊行作品。あとがきから推察するにセガサターン版の『魔導物語』をベースに書かれたものらしい。魔導シリーズのノベライズはこれまでずっとスニーカー文庫から出ていたのだが、何故かファミ通文庫からも作品が出るようになる。

スニーカー文庫の『新魔導物語3』が1997年の刊行。本書が1998年。それでいて、スニーカーの方は1999年から2000年にかけて『超魔導物語』が出ているので、この時期は平行して2レーベルから本が出ていたことになる。立ち上げ直後でタマが無かったファミ通文庫が無理しちゃったのかなと邪推してみたくなる。

魔導物語’98―次元生命体の恐怖!の巻 (ファミ通文庫)

『魔導物語'98』あらすじ

謎の次元生命体ヨグスの出現はアルルたちの世界に大異変をもたらした。相次ぐ天変地異、各地で人々を襲い始めた魔物たちの群れ。別世界からやってきた、勇者ラグナスと共に世界を救うためにアルルは旅立つことになる。お馴染みのルルー、シェゾをパーティに加え神秘のベールに包まれたヨグスの正体に迫っていく。

まずは顔見せ的な作品

内容は、普通にノベライズ。このレーベルでは初のお目見えってことで、主要キャラクターそれぞれに見せ場を用意して、ゲームならではの世界設定やイベントも随所に織り込んで無難にできあがり、って感じ。元のゲームをプレイしていないので推測でしかないけど、それなりな体裁は整っているのではないかと。

『真・魔導物語外伝 金色の勇者』

二作目は『真・魔導物語外伝 金色の勇者』。こちらは2001年刊行作品。『魔導物語98』と『真・魔導物語』の中間エピソード。作品が古すぎるのか、Amazonの書影が解像度低くて寂しい。

真・魔導物語外伝―金色の勇者 (ファミ通文庫)

あらすじ

ラグナ神殿の伝承「天地揺るがす厄災が訪れし時、金色の勇者が現れる」。突如現れた青年は瞬く間に魔物を撃破し、勇者として町に迎え入れられる。勇者ラグナースの名を授けられた青年は人々を率いて周辺の魔物を次々と退治していく。しかし、その行動にはある秘密が隠されていた。神官見習いのパティと記憶喪失の少年カシムは勇者にまつわる衝撃的な事実を知ってしまう。

『真・魔導物語』に繋がる中間エピソード

主役はラグナス。川から流れてきたアルルを拾う前までのエピソード。今回は兄弟合作らしい。確かにタッチが少し変わっている。擬音の多用が少し減って、改行も控え目になった。アルルみたいな天然キャラがいない分作品の雰囲気も堅め。外伝作品ということで、これまでに出てこなかったキャラクターが登場するのだが、一瞬後には忘れてしまいそうなキャラの弱さが哀しい。

『真・魔導物語』

最後に紹介するのが『真・魔導物語』全八巻。1999年~2001年にかけて刊行された作品。作者の織田健司(おだけんじ)はゲームのディレクターを務めていた人物。ゲームの発売元のコンパイルは2003年の11月に倒産してしまうので、この頃がコンパイルとしては最高の輝きを見せていた頃だろうか。

真・魔導物語―世にも不思議な落ちこぼれ魔導師の巻 (ファミ通文庫) 真・魔導物語〈2〉―ガール・ミーツ・ガールの巻 (ファミ通文庫) 真・魔導物語〈3〉誕生!最強(?)のパーティーの巻 (ファミ通文庫) 真・魔導物語 4(嵐を呼ぶ!?美少女コンテス (ファミ通文庫 120 SPECIAL STORY)

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『真・魔導物語』あらすじ

アルル・ナジャは一流の魔術師を目指して日夜修行中の16歳の女の子。魔導学校からの入学通知書を受け取った彼女は住み慣れた故郷を離れ旅立つことになる。それは大いなる戦いの日々の始まりだとも知らずに……。格闘美少女ルルー、闇の魔導師シェゾ、剣士ラグナス、そして不思議な生命体カーバンクル。いくつもの出会いを経てアルルは成長していく。

セガサターン版のノベライズ?

このシリーズはセガサターン版(懐かしのゲームハードである)の『魔導物語』がベースになっている。

魔導物語

魔導物語

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ゲームでは実現出来なかったエピソードも加えて、大幅にストーリーをリファインしてノベライズしたのが本作。ちなみにII巻とIII巻の間で版元がアスペクトからエンターブレインに変わっている。これはエンターブレインがアスキーから分社化されて切り離されたことによるもの。

ある意味とてもスゴイ小説

本作は良く言うとすれば『魔導物語』の雰囲気というか、世界観というか、ほんわかまったりとした空気感をテキストの形で現出させた作品である。逆言うと、もう少しまともな日本語書ける人間は連れてこられなかったのかと、編集者に聞いてみたい作品だったりもする。

具体的な描写はほとんどなくて、擬音の羅列と台詞のつなぎだけで話を繋いでいくのはさすがに無理があるだろう。『魔導物語』のノベライズだから多少のご都合主義や、生ぬるい展開は許容範囲内だけど、いくらなんでも文章がアレすぎる。よく8巻まで出せたなと思う。けど、ゲームの関係者が書いているわけだし、ファン的にはこれでオッケーだったのかなあ。

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