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『水滸伝5 玄武の章』北方謙三 北方版オリジナル展開が熱すぎる!


北方謙三版「水滸伝」第五弾!

毎週月曜日は北方謙三版「水滸伝」の連続レビューをお届けしている。先週の第四巻に続いて、本日は第五巻「玄武の章」の章である。単行本版の刊行は2001年。 

水滸伝 5 玄武の章

水滸伝 5 玄武の章

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2001/09/26
  • メディア: 単行本
 

集英社文庫版は2007年に登場している。

水滸伝 5 玄武の章 (集英社文庫 き 3-48)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★★(最大★5つ)

大長編の歴史小説を読んでみたい方、いま猛烈に泣きたい方、大きな歴史のうねりを感じてみたい方、オリジナルの「水滸伝」と全然違ってても許せる方におススメ!

あらすじ

江州に入った宋江はそこで青蓮寺の仕掛けた罠に陥る。敵将黄文炳は宋江たちを長江の中州に築かれた砦にまで追い詰め、完全な包囲体制を敷く。危急の知らせを受けた梁山泊は林冲らを救援に差し向ける。新たなる同志を求めて北へ向かった魯智深は女真族の虜囚となり、二竜山の楊志にも李富の放った暗殺者たちが迫るのだが……。

ここからネタバレ!

宋江先生が大ピンチ!

超重要人物なのにのこのこ火中に飛び込んでいく宋江先生。大方の読者の予想通り、青蓮寺の思惑にハマり官軍に包囲されてしまう。文官でありながら有能な敵将黄文炳はデブのオッサンなのに格好いい!軍の精鋭をいち早く呼び寄せ、無能な自軍の指揮官は結果が出せなければ情け容赦なく処刑していく。適度に虚無感を漂わせているのも良い感じでなのである。

それにしても徐々に戦闘の規模が大きくなっていくわくわく感がたまらない。でも、VS黄文炳戦の決着がアッサリし過ぎなのは少々残念。諦め早すぎだろう黄文炳よ。それにしても林冲のチートっぷりが半端無い。鎧袖一触とはまさにこの事。強すぎるぜ。

序盤最大の泣かせどころ「楊志伝」

しかしこの巻のヤマ場はVS黄文炳戦ではなかったのだ。後半はまるまる楊志伝。この楊志についてのエピソードは完全に北方オリジナルで、見事なまでに感動的なキャラに生まれ変わってしまった。

ごちゃごちゃ余計な台詞を言わせずに行動と結果のみ見せる、乾いた切り口がいかにも北方テイスト。泣かすなあ。全19巻のこんなにも序盤でこれほどの泣かせどころが待っていようとは。本当に北方水滸伝はもとの「水滸伝」とは別の話と割り切って楽しんだ方が良さそうだ。

水滸伝 5 玄武の章 (集英社文庫 き 3-48)

水滸伝 5 玄武の章 (集英社文庫 き 3-48)

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2007/02/20
  • メディア: 文庫
 

続巻『水滸伝6 玄武の章』の感想はこちらからどうぞ

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