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『水滸伝17 朱雀の章』北方謙三  怒涛の最終盤に突入!


北方謙三版「水滸伝」第十七弾!

月曜恒例、北方謙三版「水滸伝」全19巻の連続感想。いよいよラスト3巻に突入である。前週の十六巻に続いて、本日は十七巻「朱雀(すざく)の章」をお届けしたい。

単行本版は2005年に刊行されている。

水滸伝 17 朱雀の章

水滸伝 17 朱雀の章

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: 単行本
 

そして、集英社文庫版は2008年に登場している。

水滸伝 17 朱雀の章 (集英社文庫 き 3-60)

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★★★(最大★5つ)

漢(おとこ)たちの生きざまと死にざまをとにかく最後まで見届けたい方、童貫軍の圧倒的な強さに磨り潰されたい方、高キュウのクズ人間ぶりを堪能したい方におススメ!

あらすじ

禁軍の精鋭中の精鋭、童貫元帥の軍が遂に動き始めた。その絶対的にして圧倒的な力は梁山泊の懸命の抵抗を事も無げに粉砕していく。開封府で偽りの和平工作を進める侯健。その企ては果たして成就するのか。そして、致死軍と高廉の軍の暗闘には決着の時が訪れようとしていた。終焉に向けて動き始める時代の流れ。その果てに人々が見たものとは。

ここからネタバレ

もの凄い勢いで死んでいく

ラスト三冊だけあって、凄まじい勢いでキャラクターが死んでいく。童貫率いる圧倒的な禁軍の力に、文字通り磨り潰されていく梁山泊の面々。董平も童貫の凄さを見せつけるための噛ませ犬とは。関勝もアッサリ逝ってしまった。指揮官クラスですらこの有様だから、中堅以下のキャラクターだとまともな死に場所も、名場面すら無く討ち取られていく始末。怖ろしい局面である。

高キュウのクズ人間感が凄い

侯健のどう見ても嘘っぽい時間稼ぎのための和睦策。命じる梁山泊も酷いよなこれは。高キュウのダメ人間っぷりがここまで来ると素晴らしい。ここぞとばかりに男を見せる、凄惨そのものな侯健の死に様もスゴイ。見せ場があるだけまだマシな方なのだろうな。でも、男の矜持を立てる為に、何にも知らずに巻き添えを食らって殺される奥さんと愛人は可哀想。

陰の組織同士の暗闘にも決着が

公孫勝VS高廉の軍の戦いも最終局面に突入。闇の軍隊同士の決着の方が先に付いたか。高廉はもう少しキャラを立ててあげた方がよかった気がする。登場シーンが少なく、印象的な描写も無かったので、ここで終わりだとしても感情移入するだけのカタルシスが出てこない。

しかし公孫勝乾坤一擲のデレをすげなくスルーする林冲は、相変わらずのドS体質で期待通りの反応である。

非戦闘員キャラの死なせ方は難しい

エピソード詰め込みまくりのこの巻。呂牛の暗躍終了と、燕青のどす黒い復讐。呂牛それはいくらなんでもヘタレ過ぎるだろう。その打たれ弱さはさすがにガッカリだ。盧俊義もああいう死に方をしようとは。非戦闘員の文系キャラは死なせどころが難しい。オリジナル水滸伝の空気キャラをよくぞここまで膨らませたと思うけどね。

なんと魯達まで!

そして最後は魯達。残り二冊残してここで逝くか。ちょっといきなり過ぎるというか、中間描写が省かれているのが残念。なんらかの予兆が欲しかったところ。嫌がる楊令に「いいから女抱いてこい」とか言って、遊郭に行くための銭を渡す魯達のオッサンはまんま北方のオッサンそのものなのだが(笑)。けっきょく魯達は梁山泊中枢には合流せずか。

おまけでもうひとつツッコミ。北方水滸伝ではいずれは北宋を滅亡に追いやる金の太祖、完顔阿骨打が出てくるのだが、イマイチ使いどころが微妙というか。どこまで本筋に関与させたいのかが微妙。続編要員なのだろうか。 

水滸伝 17 朱雀の章 (集英社文庫 き 3-60)

水滸伝 17 朱雀の章 (集英社文庫 き 3-60)

  • 作者:北方 謙三
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: 文庫
 

続巻『水滸伝18 乾坤の章』の感想はこちらからどうぞ

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