ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『殴り合う貴族たち』繁田信一
藤原実資「小右記」から読む平安貴公子のご乱行

『西の善き魔女外伝1 金の糸紡げば』荻原規子 いちばん初めの物語

「西の善き魔女」シリーズの外伝作品 2000年刊行。『西の善き魔女』シリーズ一冊目の外伝作品である。 本編は第五巻である「闇の左手」でいちおうの完結を見ているのだが、「西の善き魔女」シリーズその後、三作の外伝が書かれている。 西の善き魔女 外伝1 …

『名探偵木更津悠也』麻耶雄嵩 メルカトル鮎じゃない方

木更津悠也が登場する短編集 2004年刊行作品。光文社のミステリ専門誌「ジャーロ」等に掲載されていた作品をまとめたもの。麻耶雄嵩(まやゆたか)作品における名探偵木更津悠也の活躍を描く。 作者の麻耶雄嵩は1969年生まれ。1991年の『翼ある闇 メルカトル…

『氷室冴子とその時代』嵯峨景子 多彩な活動に光を当てたファン必読の一冊

圧倒的な熱量を感じる氷室冴子評論本 2019年刊行。筆者の嵯峨景子は1979年生まれのフリーライターで、専門は社会学、文化研究。2016年の『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』に続く第二作である。 内容はこんな感じ 『クララ白書』『なんて素敵にジャパネス…

『西の善き魔女5 闇の左手』荻原規子 ひとまず本編は完結

「西の善き魔女」シリーズの五作目 1999年に中央公論社版C★NOVELSファンタジア版が登場。これが一番最初の版。 シリーズ第五巻。ノベルズ版ではこれが本編の最終巻である。当時はこの第五巻に続いて外伝が三冊刊行された。 西の善き魔女5 闇の左手 (C★NOVEL…

『時限絶命マンション』矢野龍王 マンション内バトルロワイアルの結末は?

矢野龍王の第二作 2005年刊行作品。『極限推理コロシアム』で第30回メフィスト賞を受賞した矢野龍王(やのりゅうおう)の二作目。 前作の『極限推理コロシアム』は文庫化されたが、本作は文庫化されなかった。ちなみに第三作の『箱の中の天国と地獄』はノベ…

『西の善き魔女4 世界のかなたの森』荻原規子 見えてきた世界の輪郭

「西の善き魔女」シリーズの四作目 1998年刊行。シリーズ四作目。 オリジナルの中央公論社版C★NOVELSファンタジア版は1998年刊行。その後2003年版に新装版が登場している。 西の善き魔女4 世界のかなたの森 (C★NOVELSファンタジア) 作者:荻原規子 出版社/メ…

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニイ ラスト50ページからの衝撃!

マイクル・コーニー『ハローサマー、グッドバイ』(河出文庫)のネタバレ感想。 残り50ページからのどんでん返しがマジで凄まじい!青春恋愛小説としての魅力、伏線についても考察しています。

『天王船』宇月原晴明『黎明に叛くもの』外伝が素晴らしい!

『黎明に叛くもの』の外伝的な作品 2006年刊行作品。先日紹介した『黎明に叛くもの』の外伝。 分冊(ノベルズ)版の『黎明に叛くもの』4冊にそれぞれ入っていた外伝作品を文庫一冊にまとめたものが本書。単独で読んでも楽しめるとは思うが、やはり本編を先に…

『西の善き魔女3 薔薇の名前』荻原規子 フィリエル首都メイアンジュリーへ

「西の善き魔女」シリーズの三作目 オリジナルの中央公論社版C★NOVELSファンタジア版は1998年刊行。その後2003年版に新装版にリニューアル。 西の善き魔女3 薔薇の名前 (C★NOVELSファンタジア) 作者:荻原規子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2013/0…

『黎明に叛くもの』宇月原晴明の三作目は松永久秀の一代記

宇月原晴明の第三作 2003年刊行。『信長あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』に続く、宇月原晴明(うつきばら はるあき)三作目の作品。 美しい装丁に惚れ惚れ。このハードカバー版が出て、わずか三ヶ月後に四分冊のノベル…

2019年に読んで面白かった小説10選 ミステリ・SF・一般小説まで幅広く!

もう1月も1/3が過ぎてしまったが、年間ベスト企画、新書編、マンガ編と続いて、最後は小説編である。「2019年に出た本」ではなく、「2019年に読んだ本」が対象ね。 ここ十年ほど、小説が読めない病に罹患しており、2018年後半からなんとか復帰。2019年はひた…

『西の善き魔女2 秘密の花園』荻原規子

お正月進行で一週空いてしまったが、毎週火曜日はライトノベル系の大長編作品を、一巻ずつ紹介する日である。本日は荻原規子の「西の善き魔女」シリーズの第二回。 「西の善き魔女」シリーズの二作目 1997年刊行作品。 あれ、イラストが変わっていると思った…