ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『殴り合う貴族たち』繁田信一
藤原実資「小右記」から読む平安貴公子のご乱行

『俺が近所の公園でリフティングしていたら』矢田容生 2ちゃんねらー感動の熱血サッカー小説

2ちゃんねる発のサッカー小説 2006年刊行。2ちゃんねるの国内サッカー板に連載されていた作品を加筆修正の上で商業出版化したもの。作者の矢田容生(やたひろお)は1971年生まれ。2020年現在、著作は本作のみであるようだ。ちなみに文庫化もされていないが…

『トネイロ会の非殺人事件』小川一水、初のミステリ作品集!

小川一水はミステリも書く! 2012年刊行作品。光文社の小説誌「小説宝石」に2009年~2011年にかけて掲載された三篇を収録したもの。エスエフ作家として知られる小川一水(おがわいっすい)としては珍しいミステリ作品集である。 トネイロ会の非殺人事件 作者…

『島津奔る』池宮彰一郎 島津家視点で描いた関ヶ原合戦

現在では入手困難な作品 1998年刊行作品。池宮彰一郎(いけみやしょういちろう)としては六作目の作品。 池宮彰一郎は1923年生まれ。脚本家として映画、テレビドラマの世界で活躍。1992年の映画化もされた『四十七人の刺客』から小説家としても活躍を開始し…

『九杯目には早すぎる』蒼井上鷹 ショボイ動機にせせこましい犯罪

短編小説の名手、蒼井上鷹のデビュー作 2005年刊行。蒼井上鷹は双葉社が主催する、小説推理新人賞を2004年に受賞してデビューした方。個人的には短編小説の良い書き手という印象の作家さんである。著作の中でも、短編作品の占める割合がかなり多い。 名前は…

『ブルー・ハイドレード』海原零、未完の第二作

海原零の第二作 2004年刊行。熱血スポ魂フィギュアスケート小説『銀盤カレイドスコープ』が有名な海原零(かいばられい)の二つ目の作品。第一巻のサブタイトルは「融合」である。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) 『銀盤カ…

『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月 第31回メフィスト賞受賞作

辻村深月のデビュー作 2004年刊行。第31回メフィスト賞受賞作品。同賞では、初の試みとして上・中・下の3分冊で6月~8月の三か月にかけて連続刊行された。 2007年の文庫化に際して、上下巻の二巻構成に改められている。 作者の辻村深月(つじむらみづき)は198…

『少年名探偵虹北恭助の冒険』はやみねかおるの講談社ノベルス初登場作品

虹北恭助シリーズの一作目 2000年刊行作品。講談社の文芸誌「メフィスト」の1999年5月号から2000年の5月号にかけて掲載された4編に、書き下ろし1編を加えて講談社ノベルズにて上梓されたのが本作。イラストはやまさきもへじが担当。 少年名探偵 虹北恭助の冒…

『ダブ(エ)ストン街道』浅暮三文 第8回メフィスト賞受賞作品

浅暮三文のデビュー作 1998年刊行作品。第8回のメフィスト賞受賞作である。 最近のメフィスト賞作品は、ソフトカバー形態で刊行されるケースが多い。しかし初期のメフィスト賞作品では、ノベルス形態で登場することが多かった。 ただ、本作に関してはそのい…

『愚か者死すべし』原リョウ 九年ぶりの新作(当時)

超遅筆作家、原リョウの五作目 2004年刊行。リョウと表記しているが、実際には「僚」のにんべんがない「つくり」の部分だと思って欲しい。正確な漢字は機種依存文字なので表示出来ないのであしからず。 愚か者死すべし 作者:原 リョウ 発売日: 2004/11/25 メ…

『家守』テーマは"家"、歌野晶午の短編集を読む 

歌野晶午の短編集 2003年刊行作品。カッパ・ノベルスからの登場。 1998年から2003年にかけて「メフィスト」「ジャーロ」に発表された作品をまとめたもの。”家”をテーマにした短編集である。 家守 (カッパ・ノベルス) 作者:歌野 晶午 発売日: 2003/11/18 メデ…

『私が大好きな小説家を殺すまで』斜線堂有紀 共依存の行きついた果ては?

斜線堂有紀の第四作 2018年刊行作品。メディアワークス文庫からの登場である。 斜線堂有紀(しゃせんどうゆうき)としては、『キネマ探偵カレイドミステリー』『キネマ探偵カレイドミステリー 〜再演奇縁のアンコール〜』『キネマ探偵カレイドミステリー 輪…

『海を見る人』小林泰三 初のエスエフ短編集

以下は昨年12月投稿記事の加筆修正版となる。 小林泰三逝去 昨晩(2020年11月25日)のTwittrタイムラインに、以下の一報が流れた。 小説家の小林泰三さんが11月23日午前5時56分に逝去されました。奥様はネット環境になく、田中さんに公表してもらえと…