ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『殴り合う貴族たち』繁田信一
藤原実資「小右記」から読む平安貴公子のご乱行

『黄昏の百合の骨』恩田陸 それからの理瀬の物語

「理瀬」シリーズの実質的な二作目! 2004年刊行作品。講談社のミステリ誌『メフィスト』の2002年5月増刊号~2003年9月増刊号に連載されていた作品をまとめたもの。表紙及び、作中の扉絵イラストは北見隆。『麦の海に沈む果実』後の水野理瀬を描いた作品であ…

『キョウカンカク 美しき夜に』天祢涼 第43回メフィスト賞受賞作品

天祢涼の第一作 2010年刊行作品。天祢涼(あまねりょう)のデビュー作。第43回のメフィスト賞受賞作品である。講談社ノベルス版のカバーイラストは鈴木康士(すずきやすし)が担当している。 作者の天祢涼は1978年生まれ。デビュー以降、年二冊近いペースで…

『崖の館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(1)

佐々木丸美作品の全作レビュー第二期、「館」シリーズ編をスタートしてみよう。まずはシリーズ一作目の『崖の館』の登場である。 佐々木丸美「館」シリーズの一作目 1977年刊行作品。デビュー作の『雪の断章』の次に書かれたのが本作である。 この作品で、作…

『夏のロケット』川端裕人 サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作

川端裕人のデビュー作 1998年刊行作品。第15回のサントリーミステリー大賞の優秀作品賞受賞作。作者の川端裕人(かわばたひろと)は1964年生まれで、本作がデビュー作となる。ちなみに大賞は結城五郎の『心室細動』。 夏のロケット 作者:川端 裕人 文藝春秋 …

『ホテル』エリザベス・ボウエンの第一長編作品

ボウエン作品が日本語で読めるようになった 作者のエリザベス・ボウエン(Elizabeth Bowen)は1899年生まれ。アイルランド生まれの小説家。1973年没。 本作『ホテル』は2021年刊行作品。原題は『The Hotel』で1927年の刊行。100年近く前の作品ということにな…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

『風花の里』佐々木丸美 「孤児」シリーズ4部作を読む(4)おまけ付

『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』と読み進めてきた、佐々木丸美の「孤児」シリーズ、最後の一冊である『風花の里』をご紹介しよう。 「孤児」シリーズ全てについてネタバレをしているので、未読の方はご注意頂きたい。 「孤児」シリーズの四作目 1981年…

『赤目のジャック』佐藤賢一 フランス中世最大の農民反乱の顛末

文庫になる際にタイトルが変わっている 1998年刊行作品。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』に続く佐藤賢一の三作目である。 1997年~1998年にかけて雑誌「鳩よ!」に連載されていた作品が『赤目 ジャックリーの乱』というタイトルでマガジンハウスから…

『不屈の女神 ゲッツェンディーナー』菅浩江 PCEゲームとのコラボ作品

ゲームとのメディアミックス作品 1995年刊行作品。メディアワークスのゲーム雑誌『電撃PCエンジン』の、1994年2月号 ~7月号にかけて連載された作品をまとめたもの。角川スニーカー文庫からの登場。イラストは赤井孝美(あかいたかみ)が担当している。 角川…

『グアルディア』仁木稔 「HISTORIAシリーズ」の第一作

SF

仁木稔のデビュー作 2004年刊行作品ハヤカワSFシリーズ Jコレクションの一冊として刊行された作品。作者の仁木稔(にきみのる)は1973年生まれのエスエフ作家。本作『グアルディア』がデビュー作となった。ベストSF2004の国内9位の作品。 グアルディア (SFシ…

『米澤穂信と古典部』 シリーズ15年を記念したムック本

<古典部>シリーズのムック本 2017年刊行作品。米澤穂信(よねざわほのぶ)の人気作<古典部>シリーズのムック本である。英題は『The Memories of Classic Club』。古典部って「Classic Club」なんだ! <古典部>シリーズは2001年に1作目『氷菓』が刊行。2016年…

佐々木丸美『花嫁人形』 「孤児」シリーズ4部作を読む(3)

佐々木丸美作「孤児」シリーズの三作目。『花嫁人形』の感想と考察。 1979年の講談社オリジナル版から、その後の復刊状況までをまとめています。 シリーズの他作品の感想もあり。