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『九十九十九(ツクモジュウク)』舞城王太郎によるJDCトリビュート作品


清涼院流水のJDCシリーズの一環として書かれた作品

『九十九十九(つくもじゅうく)』2003年刊行作品。『煙か土か食い物』『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている。』『阿修羅ガール』に続く、舞城王太郎の第五作にあたる。

講談社文庫版は2007年に刊行されている。

九十九十九 (講談社文庫)

『九十九十九』は、清涼院流水(せいりょういんりゅうすい)によるJDC(Japan Detectives Club/日本探偵倶楽部)シリーズへのコラボレート作品として書かれている。

JDCシリーズは、第2回のメフィスト賞受賞作である『コズミック』から始まったもので、これまでに『ジョーカー』『カーニバル』『彩紋家事件』と続いている(未完)。

この時期、講談社はJDCシリーズのトリビュート展開をやたらに頑張っていて、以下の作品が刊行されている。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

清涼院流水によるJDCシリーズを愛している方。舞城王太郎作品だったらなんでも読む、読みたい!と思っている方。とにかく無茶苦茶なミステリ作品を読んでみたい方。やたらにパワーのある主人公が出てくる作品を読みたい方におススメ。

あらすじ

探偵九十九十九。彼は生まれ落ちた瞬間から、そのあまりの美貌故に人々を呪縛し続ける。誘拐され、育ての母に殺されかけた十九は流転の末に西暁町の加藤家に引き取られる。そこで出会った双子の兄妹セシルとセリカもまた十九の引力に引かれ運命をねじ曲げられていく。二人の母、順子の死は、延々と続く殺人劇のプロローグに過ぎなかった。

ここからネタバレ

舞城が書くとなんでも舞城作品になってしまう

ちなみに、タイトルとなっている九十九十九はJDCシリーズに出てくる超絶的な美貌の名探偵だ。ではあるのだけれど、『コズミック』の記憶がおぼろげになってきている昨今(わたしはどちらかというと壁にぶん投げたほうだけど)、関連性については言及を避けたい(と、逃げる)。

殺人が起きたり、現場が密室だったり、探偵が出てきたりはする。数限りなく人が死んで、血がどびゃーっと出たりもして、いい感じにギミック満載の館も出てくる。けれども、なにせ舞城王太郎だから、実際のところ事件の真相解明はあくまでもおまけ。ついで。余録。別冊付録に過ぎない。

彷徨を続けながら自分探しを続ける、壮絶な魂の遍歴を描いた「生きていくわたし」を素直な気持ちで受け止めるしかない。濃厚なメタメタ感に打ちのめされながら、わけわからんまま読了。でもこれでいいんだろうと思う。トリビュート書かせても、やはり舞城王太郎は舞城王太郎なのであった。

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