ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

『零崎双識の人間試験』西尾維新 「人間」シリーズ開幕編


戯言シリーズからのスピンアウト

2004年刊行作品。講談社BOOK倶楽部に2002年12月から2003年5月にかけて連載されていたものを加筆修正の上で書籍化したもの。戯言シリーズ初の外伝的な作品である。イラストは、戯言シリーズ同様に竹が担当している。

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)

「人間」シリーズは、コアな西尾維新ファンしか買わないだろうという版元的な考えがあったのか、いずれもおまけ付きである。しかしその分、お値段も高め。

シリーズ一作目の本作では、おまけとして特製のCD-ROMが同梱されており、作品に因んだスクリーンセイバー、アイコン、壁紙のデータが収録されている。せっかくなので、盤面を撮影して公開しようと思ったのだが、どっかに行ってしまって出てこないので、発見されたら後日アップ予定。

 講談社(西尾維新)文庫版は2016年に登場している。こちらはおまけ無し。

零崎双識の人間試験 (講談社文庫)

零崎双識の人間試験 (講談社文庫)

 

あらすじ

平凡な女子高生だった無桐伊織(むとういおり)に、秘められた才能が開花する。それは"殺し名"第三位、零崎の血族に連なる資格、殺人鬼の素質の顕現であった。そんな彼女の元へ、零崎に敵対すべく現れた早蕨の三兄弟が立ちはだかる。伊織を救うため、零崎の長兄、零崎双識(ぜろざきそうしき)は大鋏"自殺志願(マインドレンデル)"を引っさげ彼らに対峙する。闇の一族同士の凄惨な暗闘に伊織は巻き込まれていく。

ミステリ要素を排した能力バトルモノ

今回はミステリ的な要素は極力取っ払って、少年マンガ的な対戦型格闘をメインに据えた構成になっている。いわゆる、能力バトルモノである。

零崎一族は、当面双識以外は役立たずなので、早蕨家VS双識の構図で物語は進んでいく。『クビツリハイスクール』でも楽しませてもらったことだけど、ケレン味に溢れた戦闘シーンの数々はこの作家とは相性が良い。持ち前のテンポの良い語り口と相まって、それぞれの対戦がなかなかに魅せる展開になっている。

いーちゃんの出てこない戯言シリーズなんて許せない!やっぱりあのぐだぐだした語りがないと気分が出ない!と、最初はやや構えて読み始めたけど杞憂に終わったようだ。考えてみると、本作は西尾維新としては珍しい三人称で書かれているのだが、きちんと書けてるね。

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)

 

コミカライズ版もあるよ

 なお、本作にはコミカライズ版が存在する。作画はシオミヤイルカ。短命に終わった講談社の小説誌「パンドラ」に連載されていたが、休刊に伴い、「アフタヌーン」に移行して完結している。全五巻。アクションシーンの多い「人間」シリーズはマンガ映えしそうではある。

零崎双識の人間試験 コミック 全5巻完結セット (アフタヌーンKC)

零崎双識の人間試験 コミック 全5巻完結セット (アフタヌーンKC)