ネコショカ

毎日夜20時更新。ネコショカは猫の書架
雑食系の書評Blogです。なんでも節操なく読んでます
基本ネタバレありなので注意してね

戯言シリーズ完結『ネコソギラジカル 下 青色サヴァンと戯言遣い』西尾維新


戯言シリーズの最終巻(いちおう)

2005年刊行。戯言シリーズ最終三部作の第三弾。遂にこれでシリーズ完結。今回の表紙はウェディングドレス姿の玖渚友である。

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

講談社文庫版は2009年に登場している。

ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

 

あらすじ

「狐面の男」こと西東天の突然の撤退宣言に呆然する戯言遣いだったが、宴九段によってもたらされた情報は更なる衝撃を秘めたものだった。玖渚友の命はいつ終わってもおかしくないのだと云う……。時を同じくして失踪した面影真心の行方は何処に!?全ての事態を解決するためにいーちゃんが選択した答えとは。最終決戦の時は近づいていた。

一作目とサブタイトルを被せてきた

ここに至ってシリーズ一作目の『クビキリサイクル』とサブタイトルが同じになっていて、ああ最後は友の話に回帰していくんだなと俄然、終わりへの期待が盛り上がる。裏表紙の髪が黒くて右目だけ青い友ってのがこれまた意味深で、一瞬幸せそうに見えるんだけど、目を閉じているいーちゃんは実は死んでるんじゃないのかとか、読む前から妄想が広がること広がること。購入当時はちょっと勿体なくて、しばらく(数時間だけだが)読めなかった記憶がある。

しかし予想は裏切られる

このサブタイトルからして、<<仲間>>を含めた友サイドの話になるのかと想像していたのだが、予想はおおきく外れて引き続き狐さんとのバトルが続くことに。確かにそうしないと真心や哀川さんの使い所が難しくなっていただろうから仕方ないか。いーちゃんの変わろうとする意志のトリガーとして友の存在は機能したけど、その後友はストーリーには関わらない。もっと本編に絡んで欲しかった気もするけど、第十七章での友との対話シーンはこのシリーズでも一二を争う名場面だと思うので良しとしておこう。

最後に決めるのは哀川さん!

ということでやっぱり最後は哀川さんだった。自分は赤い人偽物説を唱えていたけど違ってた。けっきょく偽哀川さんの人は使い切れなかった伏線の一つってことだったのかね。中盤まで影が薄かったあたり怪しいと思っていたんだけど。その分終盤の活躍ぶりはジャンプマンガの主人公ですかあなたは、と突っ込みたくなるほどで八面六臂の胸のすくような暴れ振り。燃えと萌えを両立させられるヒロインは哀川さんしかいないだろう。真心との最終決戦は動く絵で見たかった(アニメ化まだかよ!)。

しかし釈然としない終わり方

で、大方の予想通り数多の伏線は投げっぱなし。妹は結局どうなったんだとか、いーちゃんは友に昔何をしたんだとか全部スルー。やっぱりそう来たか。 一歩前に進む決意をしたいーちゃんを描いてみせることで成長物語としては相応の結末なのだが、小さくまとまってしまった感が強くて少々落胆。絵に描いたようなハッピーエンドも読み手としては嬉しいけど、ここに至るまでに積み上げられた屍の山を考えると単純には喜べないのである。

巫女子ちゃんと姫ちゃんを生かして返して欲しかった。と、最後に無理難題を。でも、自分的な最愛のキャラクターは春日井さんなんだけど(笑)。彼女の出番も最後に欲しかったな。

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

 

で、来週からは、刊行順的には先に出ていた作品もある、戯言シリーズのスピンアウト作品、「人間シリーズ」の感想を書くつもり(たぶん)。他のになったらゴメンね。