ネコショカ

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基本ネタバレありなので注意してね

西尾維新『ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹』戯言シリーズ五作目 


リヴァーシブルカバーに注目!

戯言シリーズも本作で五作目。2003年刊行作品。

デフォルト状態が拘束衣というインパクト十分の新キャラ匂宮兄妹が登場。いつものことながら、この作家はキャラを立てるのがメチャクチャ巧い。

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

リバーシブルな表紙カバーがネタバレでありながら、ミスリードにもなっているところがウリ。折り返しがやけに長いから何かと思ったよ。

ノベルス版『ヒトクイマジカル』リヴァーシブル表紙

ノベルス版『ヒトクイマジカル』リヴァーシブル表紙

文庫版は2008年に登場。表紙のギミックはこちらでも継承されている。

ヒトクイマジカル<殺戮奇術の匂宮兄妹> (講談社文庫)

ヒトクイマジカル<殺戮奇術の匂宮兄妹> (講談社文庫)

 

あらすじ

春日井さんが街で拾ってきた行き倒れの美少女の名は匂宮理澄。職業、名探偵。殺し名第一位「匂宮」との出会いが戯言使いこと"いーちゃん"に新たなる運命をもたらすことになる。不死を研究し続ける木賀峰助教授と、その実験体である円朽葉。高額の報酬に誘われて雇われの身となった戯言遣いを襲う凄惨な悲劇と苛烈なる惨劇。

姫ちゃんファン激怒の一作

でも、表紙が裏表あるとか、そんなことはどうでもいいんですよー!姫ちゃんにあんなことするなんて、どういうことですか!!あんた鬼ですか!血も涙も無いですか!うわーんですよ。花も実もあるうら若き乙女相手に、情けは人のためならず、急いては事をし損じるですか!

意外に難しい姫ちゃん文体で書いてるの疲れちゃったけど、とにかく読者的には怒り爆発なのである。

全国100万人(推定)の姫ちゃんファンの激怒と慟哭を誘ったに違いない今回。ここまで読み手の感情を釣り出せれれば作者的には大成功なんだろうね。これほどのキャラを惜しげもなく切ってくるとは、西尾維新はやっぱり侮れない。

真の敵?の登場を華々しく演出するには実に効果的。これで一通りシリーズ読み終わってしまったので(外伝はあるけど)、あとは新刊を待つのみか、いーちゃんの抱える秘密が何なのかもの凄く気になる。

物語シリーズは戯言シリーズの反省?が活かされてるのかな

戯言シリーズは、とにかくすぐキャラが死ぬ。どんなにキャラが立っていようが、人気キャラであろうが、美人でカワイかろうが、死ぬときは死ぬ。このあたりの救済策なのか、この後の「人間」シリーズで再活躍したりするキャラもいたりはするのだけど、一度殺してしまうと未来の時系列ではもう使えない。西尾維新的には、殺しちゃって失敗したと思ったキャラクターも、きっといると思うのだ(子荻ちゃんとか子荻ちゃんとか)。

この反省の上に、あまりキャラが死なない(それでも例外はある)物語シリーズにつながっていくのではないかしらんと、そこはかとなく思ってみた次第。

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)

ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 (講談社ノベルス)