ネコショカ

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『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』
女真族の襲来と軍事貴族たちの台頭

2020-01-01から1年間の記事一覧

星雲賞受賞作「ネプチューン」も収録!新井素子『今はもういないあたしへ…』

星雲賞受賞作「ネプチューン」を収録した作品集 1988年作品。今は亡き大陸書房からの刊行。 「ネプチューン」と「今はもういないあたしへ…」の中編作品が二作収録されている。解説は新井素子を見出した一人ともいえる星新一が書いていて、タイトルは「十年た…

『氷結の魂』菅浩江 和製ファンタジーの隠れた名作

再刊されていない可哀そうな作品 1994年刊行作品。かれこれ四半世紀以上も前の作品である。菅浩江(すがひろえ)作品としてはこれが十作目。 ノベルス版で出て、それっきりの不憫な作品である。文庫にもなっていない。 徳間書店は1990年代前半、デュアル文庫…

『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 仕掛けに全然気づかなかった!

伊坂幸太郎の第五作 2003年刊行。このミス2004、国内部門第二位の作品。東京創元社のミステリレーベル「ミステリ・フロンティア」枠からの刊行であった。伊坂幸太郎(いさかこうたろう)としては、五作目の長編作品ということになる。 アヒルと鴨のコインロッ…

『パーフェクトフレンド』野崎まど 友達とは、素晴らしいものである

野崎まどの第五作 2011年刊行作品。『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』に続く、野崎まどとしては五作目の作品である。 さらに続く『2』を含めて、野崎まどの初期六部作を構成している。 この野崎まどの初…

『亡国のイージス』福井晴敏はこの作品でブレイク!

『Twelve Y.O.』の続篇 1999年刊行作品。第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞、第53回日本推理作家協会賞長篇を受賞。「このミス」2000年版でも国内三位にランクイン。福井晴敏(ふくいはるとし)の出世作と言ってよいだろう。 亡国のイ…

『樒(しきみ)/榁(むろ)』殊能将之による「密室本」!

殊能将之の第五作 2002年刊行作品。これまでに何作か紹介している、講談社ノベルズ20周年記念企画「密室本」の一冊である。「密室本」歴代メフィスト賞受賞作家による、密室をテーマとした競作シリーズ。ちなみにタイトルの読みは『樒(しきみ)/榁(むろ)…

『エヴァンゲリオンの夢』碩学・大瀧啓裕のガチ考察本

あの大瀧先生がTV版「エヴァ」をガチで解読 テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』が放映されていたのは1995年~96年にかけてのこと。なんともかれこれ四半世紀も前のことになる。 そして、『エヴァンゲリオンの夢』は2000年に刊行されている。『新世紀エヴ…

『模倣犯』宮部みゆき 最後に明らかになるタイトルの意味に戦慄

2002年の「このミス」第一位作品 2002年版『このミステリーがすごい!』で国内部門1位となった作品。 2001年刊行作品。当時としては、1998年の『理由』以来久々に登場した宮部みゆきの現代ミステリ作品だった。 上下巻構成で二段組み1,400ページ余の超大作だ…

『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル わたしは宇宙に行きたい!

ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞、サイドワイズ賞を受賞! 2020年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。 本作『宇宙(そら)へ』の、オリジナル米国版は2018年に刊行されており、原題は…

『小説家の作り方』野崎まど ”この世で一番面白い小説”は書けるのか

野崎まどの第四作 2011年刊行作品。『[映]アムリタ』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』に続く、野崎まどの第四作にあたる作品である。 その後刊行された『パーフェクトフレンド』『2』を含めて、野崎まどの初期…

『迷宮学事件』秋月涼介 講談社ノベルズ20周年記念企画「密室本」の一冊

秋月涼介の第二作は「密室本」 2002年刊行作品。秋月涼介(あきづきりょうすけ)としては、デビュー作である『月長石の魔犬』に続く第二作。第20回のメフィスト賞受賞後、初めて上梓した作品である。 『迷宮学事件』は講談社ノベルズの20周年記念企画「密室…

『夜のピクニック』恩田陸 2005年の本屋大賞の第1位作品!

恩田陸、高校三部作の完結編 2004年刊行作品。2005年の第2回本屋大賞の第1位に輝いた作品である。 恩田陸としては『六番目の小夜子』『球形の季節』に続く、高校三部作の完結編的な位置づけの作品(クリエイターズワールドの恩田陸インタビューより)とされ…

『ラスト・イニング』あさのあつこ 「バッテリー」シリーズのその後を描く

「バッテリー」シリーズ待望の外伝作品 「バッテリー」シリーズは、正編6冊の感想を書いたものの、長らく本書の存在を知らずにいたので、遅まきながら入手して読んでみたよ。 本作は2007年刊行。新田東対横手の再試合と、その後を描いた「マウンドへと」「白…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 金曜日の神隠し』木元哉多 シリーズ初の長編作品

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの六作目 2019年刊行作品。かれこれ三か月ほど続けている、木元哉多の「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズを全巻読もう企画だが、今回でようやく六回目である。 ドラマ版の放映前に全部読めるかなと思ったら、9月にシリーズ七…

『リバーズ・エンド』橋本紡 世界の存在を賭けた戦いと少年少女

橋本紡の第三作 『リバーズ・エンド』は2001年から2003年にかけて刊行された作品である。 作者の橋本紡(はしもとつむぐ)は1967年生まれ。1997年に『猫目狩り』電撃ゲーム小説大賞を受賞し作家デビューを果たす。 2000年代前半まではライトノベル(電撃文庫…

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ3『悪霊がいっぱいで眠れない』と『ゴーストハント3』

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ三回目! 小野不由美のゴーストハント(悪霊)シリーズを、旧作、新作両方読んだ上でレビューするシリーズの三回目。毎月更新のはずが、隔月更新になってて、ホントにゴメンナサイ。7月は公私共にやたらに忙しか…

『舞面真面とお面の女』野崎まど 箱を解き石を解き面を解け!よきものが待っている

野崎まどの第二作 2010年刊行作品。タイトルの『舞面真面とお面の女』の読みは「まいつらまともとおめんのおんな」である。 『[映]アムリタ』に続く、野崎まどの第二作。『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』『小説家の作り方』『パーフェ…

『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』シオドラ・ゴス ヴィクトリア朝時代のガールズトークが楽しい!

「アテナ・クラブの驚くべき冒険」シリーズの一作目 2020年刊行作品。作者のシオドラ・ゴス(Theodora Goss)は1968年生まれ。ハンガリー出身のアメリカ人作家である。 『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』は、オリジナルの米国版が2017年に…

『リライト』法条遥 エスエフ史上最悪のパラドックスとは??

SF

re〜シリーズの一作目 2012年刊行作品。ハヤカワSFシリーズ Jコレクションレーベルからの刊行。 作者の法条遥(ほうじょうはるか)は1982年生まれ。『バイロケーション(応募時タイトルは「同時両所存在に見るゾンビ的哲学考」)』が、日本ホラー小説大賞の…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 落ちる天使の謎』木元哉多 落ちてくる美少女は死亡フラグ

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの五作目 「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全巻読破企画の五回目。 本作は2019年に刊行されている。木元哉多(きもとかなた)の五作目の作品である。デビュー二年で五冊刊行とはあいかわらず凄まじい執筆速度である。一…

『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~』野崎まど 不死は存在するのか?

野崎まどの第三作 2010年刊行作品。野崎まどとしては、『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』に続く三作目の作品である。 その後、野崎まどが売れっ子になるに伴い、2019年に新装版が登場している。現在買うならこちら。 死なない生徒殺人事件 ~識別組…

『少年検閲官』北山猛邦 本がこの世から消えた世界で

少年検閲官シリーズの一作目 2007年刊行作品。作者の北山猛邦(きたやまたけくに)とは1979年生まれ。デビュー作は2002年刊行、第24回のメフィスト賞を受賞した『「クロック城」殺人事件』である。その後、城シリーズとして『「瑠璃城」殺人事件』『「アリス…

『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海 全ての人に「ヤマモト」が居てほしい

北川恵海のデビュー作 2015年刊行作品。作者の北川恵海(きたがわえみ)は1981年生まれ。本作が第21回電撃大賞の電撃小説大賞部門〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、作家デビューを果たしている。マイナビの記事によると2019年1月の時点で70万部!の大ベ…

『あなたの人生の物語』テッド・チャン 「地獄とは神の不在なり」も収録されてます!

テッド・チャンの最初の著作 2003年刊行作品。オリジナルの米国版は1998年刊行で原題は『Story of Your Life』。 作者のテッド・チャン(Ted Chiang/姜峯楠)は中国系のアメリカ人作家で1967年生まれ。極端な寡作で知られる作家で、つい最近までは本作しか著作…

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ 原作、映画版、オーディブル版のネタバレ感想

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」のネタバレ感想。静岡県小説、80年代小説としての特徴について書いてみた。 原作とラストが違う映画版、更にオーディブル(オーディオドラマ)版の感想もあります。

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム』木元哉多 沙羅ちゃんの日常が明らかに!

木元哉多作「閻魔堂沙羅の推理奇譚」全作のネタバレ感想です。登場人物のリスト付き。

『蜜の森の凍える女神』関田涙 第28回のメフィスト賞受賞作&ヴィッキーシリーズ三部作

当ブログ開始初期からの不定期連載企画、メフィスト賞作品、全作感想書くぞシリーズも今回で31作目。メフィスト賞は現在第62回まで開催されているので(2020年8月現在)、これでようやく半分。先が長すぎる! 本日、第28回のメフィスト賞受賞作、関田涙『蜜…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット』木元哉多 どうして彼は殺されたのか?

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの三作目 2018年刊行作品。先月から開始した「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの全作読破企画の三回目である。作者の木元哉多(きもとかなた)としてもこれが三作目。2018年はこのシリーズ、いきなり四冊も刊行されているん…

『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信 ラスト一行の衝撃にこだわった連作短編集

ラスト一行で落ちるミステリは本書だけ! 2008年刊行作品。新潮社の文芸誌『小説新潮』に掲載された4編に、書下ろし1編を加えて上梓されたもの。 単行本版の帯には以下のような記載がある。 ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の…

『そして、ユリコは一人になった』貴戸湊太 『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞作品

貴戸湊太のデビュー作 2020年刊行作品。作者の貴戸湊太(きどそうた)は1989年生まれ。本作がデビュー作となる。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 U-NEXT・カンテレ賞は、この第18回から新たに設けられた枠で、ネット配…