「小川一水」名義で書かれた最初の作品 1998年刊行作品。1996年に第6回ジャンプ小説大賞で大賞を受賞した、河出智紀名義の『まずは一報ポプラパレスより』に続く二作目の作品である。 本作から筆名が小川一水(おがわいっすい)に変わっている。つまり小川一…
恩田陸作品最長クラスの長編 講談社のミステリ雑誌「メフィスト」の、2000年5月号~2001年9月号に連載されていた作品を単行本化したもの。本作は『三月は深き紅の淵を』の系譜に連なる作品の一つで、その第一章「待っている人々」の中で言及されている。本作…
ノッキンオン・ロックドドアシリーズの二作目 2019年刊行作品。徳間書店の小説誌「読楽(どくらく)」に2017年~2019年にかけて掲載されていた作品と、ネット掲載されていた作品、更に書下ろし一編を加えて単行本化したもの。『ノッキンオン・ロックドドア』に…
第一回「読者による文学賞」受賞作 2019年刊行作品。作者の浅葉(あさば)なつは『空をサカナが泳ぐ頃』が、第17回電撃小説大賞でメディアワークス文庫賞を受賞して作家デビューを果たしている。代表作は累計150万部を超えた『神様の御用人』シリーズであろ…
20世紀最後に刊行された恩田陸作品 新潮社の小説誌『小説新潮』に1990年~2000年にかけて掲載された、五編の作品をまとめたもの。奇しくも連載中にSMAPの「らいおんハート」発売されているが、関係はない。 単行本版は2000年12月に刊行された。個人的には20…
米澤穂信、二年ぶりの長編作品(当時) 2013年刊行作品。『小説新潮』に2011年12月号から2012年8月号に連載されていた作品を単行本化したもの。 「週刊文春ミステリーベスト10」2013年で第18位、「このミステリーがすごい!」2014年および「本格ミステリ・ベ…
少女たちの四年間を綴った物語 2020年刊行作品。タイトルの読みは「ひまわりをたおる」。彩坂美月(あやかさかみつき)としては九作目の作品となる。 実業之日本社の文芸誌「紡」の2013年autumn号、2013年winter号、2014年spring号、2014年summer号に連載さ…
ブリュンヒルド の物語「第二部」 2022年刊行作品。デビュー作であった『竜殺しのブリュンヒルド』に続く、東崎惟子(あがりざきゆいこ)の第二作。タイトルから予想がつくけれども「竜殺しのブリュンヒルド 」シリーズの二作目でもある。前作に引き続き、イ…
「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの二作目 2016年刊行作品。前年に刊行された『アンデッドガール・マーダーファルス1』の続篇となる。青崎有吾(あおさきゆうご)による「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの第二作だ。 表紙イラス…
『安徳天皇漂海記』とあわせて読みたい 2007年刊行作品。宇月原晴明(うつきばらはるあき)としては六作目の作品にあたる。ミルキィ・イソベの表紙デザインが美しい。 廃帝綺譚 作者:宇月原 晴明 中央公論新社 Amazon タイトルや表紙デザインから想像がつく方…
一般文芸の世界で輝き始めた頃の桜庭一樹作品 桜庭一樹(さくらばかずき)は1971年生まれの女性作家。1990年代に山田桜丸(やまださくらまる)名義で、ライター、ノベライズ作家、ゲームシナリオ作家として活躍。1999年に『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガー…
ノッキンオン・ロックドドアシリーズの一作目 2016年刊行作品。徳間書店の小説誌「読楽(どくらく)」に2014年~2015年にかけて掲載されていた作品に、書下ろし一編を加えて単行本化したもの。青崎有吾(あおさきゆうご)のシリーズものとしては、裏染天馬シ…
平山瑞穂の第二作品 2006年刊行作品。『ラス・マンチャス通信』の平山瑞穂(ひらやまみずほ)が、ファンタジーノベル大賞受賞後一年半の期間を経て上梓した二作目が本書である。 忘れないと誓ったぼくがいた 作者:平山 瑞穂 新潮社 Amazon 新潮文庫版は2008年…
16世紀のパリを舞台とした成長物語 2000年刊行作品。佐藤賢一(さとうけんいち)、七作目の作品。サトケンお得意のフランスモノである。 カルチェ・ラタン 作者:佐藤 賢一 集英社 Amazon 集英社文庫版ハ2003年に刊行されている。 不勉強にして知らなかったの…
「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズの一作目 2015年刊行作品。書下ろし。作者の青崎有吾(あおさきゆうご)は1991年生まれのミステリ作家。本作は裏染天馬シリーズに続く、青崎有吾としては第二のシリーズ作品。講談社のライト文芸レーベル、講…
『少女革命ウテナ』を知っているか? 『少女革命ウテナ』は1997年に放映されたアニメーション作品だ。性別や社会的な役割、規範、抑圧からの解放を描き、在りたい自分として生きて良いことを高らかに謳いあげた。現代ではあたりまえのようになっているジェン…
2005年本格ミステリ・ベスト10で第3位 2004年刊行作品。このミス2005年版国内第11位、本格ミステリ・ベスト10では3位にランクインされている。同年に刊行された作品としては『名探偵木更津悠也』がある。 本作は麻耶雄嵩(まやゆたか)作品ではあるがメルカ…
CHROMEの大容量バックパック「VOLCAN PACK PLUS」をご紹介 本日はひさしぶりにグッズのご紹介です。 クローム・インダストリーズジャパン合同会社(CHROME INDUSTRIES JAPAN GK)さまより、最新のバックパック「VOLCAN PACK PLUS(ヴォルカン パック プラス…
冲方丁、初の長編ホラー作品が登場 2022年刊行作品。KADOKAWAの小説誌「野生時代」の2021年9月号~2022年7月号にかけて連載されていた作品をまとめたもの。 作者の冲方丁(うぶかたとう)は1977年生まれの小説家。日本SF大賞を受賞した『マルドゥック・スク…
詠坂雄二のデビュー作 2007年刊行作品。光文社版のメフィスト賞とも言える、公募新人賞KAPPA-ONE登龍門(かっぱわんとうりゅうもん)受賞作である。KAPPA-ONE登龍門は2002年にスタートし、石持浅海『アイルランドの薔薇』、東川篤哉『密室の鍵貸します』らを…
マイファースト森絵都作品 1998年刊行作品。野間児童文芸書受賞作品。わたし的には本作が初森絵都(もりえと)であった。たくさん作品が出ているので、どれから読むべきか迷ったけど、一番ページ数が少なそうなものからチャレンジしてみた次第。 つきのふね …
往年の名作、連作エスエフ短編集 作者のゼナ・ヘンダースン(Zenna Chlarson Henderson)は1917年生まれ、1983年に亡くなられたアメリカ人エスエフ作家である。 教職の傍ら執筆を続けた極めて寡作な作家で、この作品は1952年から1959年にかけてアメリカの「フ…
最後から二番目の佐々木丸美作品 1983年刊行作品。佐々木丸美の16作目。佐々木丸美の作品は17作しかないので、最後から二番目、最後期の作品ということになる。 罪・万華鏡 作者:佐々木 丸美 講談社 Amazon この講談社版の『罪・万華鏡』は文庫化されなかった…
宮部みゆきの直木賞受賞作 1998年刊行作品。「朝日新聞」夕刊に1996年~1997年にかけて連載されていた作品を加筆したうえで刊行したもの。 第120回直木三十五賞受賞作。更に同年の「週刊文春ミステリーベスト10」国内編一位。「このミステリーがすごい!」国…
池上永一の六作目 2003年刊行。作者の池上永一(いけがみえいいち)は1970年生まれ。『バガージマヌパナス』で第6回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。本作は、『バガージマヌパナス』『風車祭』『あたしのマブイ見ませんでしたか』『レキオス』…
ミルハウザーの第三短編集 オリジナルの米国版は1998年に刊行されており原題は「The Knife Thrower」。 作者のスティーヴン・ミルハウザー(Steven Millhauser)は1943年生まれのアメリカ人作家。デビュー作は1972年の『エドウィン・マルハウス―あるアメリカ…
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)受賞作 1998年刊行。オリジナルの米国版は1996年刊行で原題は「The Chatham School Affair」。作者のトマス・H・クック(Thomas H. Cook)は1947年生まれのアメリカ人作家。 1997年度のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー…
戸田義長の第三作 2022年刊行作品。作者の戸田義長(とだよしなが)は1963年生まれのミステリ作家。 2017年、第27回鮎川哲也賞に応募した『恋牡丹』が最終候補作となったものの、惜しくも選外に(この年の鮎川賞は今村昌弘の『屍人荘の殺人』だった)。同作…
「曽我兄弟の仇討ち」を題材とした歴史小説 本日ご紹介する『曽我兄弟より熱を込めて』は2023年の刊行作品。著者の坂口螢火(さかぐちけいか)さんより著作をご恵贈頂き、感想を書かせていただきました。坂口さんありがとうございます! 巻末の作者プロフィ…
男と女のロマン・ノワール 1994年刊行作品。オリジナルの米国版は1993年刊行。原題は『Shella』。 凶手 (Hayakawa Novels) 作者:アンドリュー ヴァクス 早川書房 Amazon かれこれ30年も前の作品ということになる。作者のアンドリュー・ヴァクス(Andrew H. Va…