ファンタジー
コンパイルがまだ元気だったころの「魔導物語」ノベライズ 本日ご紹介するのは、大昔の(20年以上前だ)ゲームノベライズ「魔導物語」三部作。あまりに有名なゲームタイトル『ぷよぷよ』。そのベースとなったソフト『魔導物語』をノベライズしたものが本シリ…
白乙一の初期代表作を収録 2003年刊行作品。既刊であった『きみにしか聞こえない』『さみしさの周波数』『失踪HOLIDAY』の中から五作品を抜粋、更に書き下ろしを一編(「マリアの指」)を加えて、単行本化したのが本書。 各編の初出は以下の通り。 『きみに…
古川日出男の三作目 1999年刊行作品。『ウィザードリィ外伝II 砂の王(1)』『13』に続く、古川日出男(ふるかわひでお)の第三作。『ウィザードリィ外伝II 砂の王(1)』は著作にカウントされないこともあるので、そう考えると第二作ということになる。いず…
今週のお題「読書の秋」本日はこちら。 稲生平太郎名義の初小説作品 もともとは1990年に書肆風の薔薇のロサ・ミスティカ叢書から出ていた作品。 アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書) 作者:稲生 平太郎 書肆風の薔薇 Amazon その後、2002年にスニーカー文…
ソノラマ文庫版とデュアル文庫版がある 1990年刊行作品。最初はソノラマ文庫からの登場。この時の表紙イラストは加藤洋之(かとうひろゆき)&後藤啓介(ごとうけいすけ)。『ゆらぎの森のシエラ』に続く、菅浩江(すがひろえ)の第二作である。ちなみに『<…
異端として彷徨い続ける男の物語 2004年刊行。第16回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。平山瑞穂(ひらやまみずほ)のデビュー作である。 連作短編形式。幻想小説でありながらホラーの要素もあって、終わってみればビルドゥングスロマン的な側面も多分…
『空ノ鐘の響く惑星で』全巻の感想を集約した タイトルの読みは「そらのかねのひびくほしで」。2003年から始まって2007年に完結した渡瀬草一郎(わたせそういちろう)の代表作だ。愛称は「空鐘(そらかね)」。本編12冊+外伝1冊の大長編作品である。この話…
『沈黙』と併せて読みたい一作 2000年刊行。書き下ろし。古川日出男(ふるかわひでお)の四作目。 前作である『沈黙』に少しだけ言及されていて、その後作中でのフォローが無かったアビシニアン少女についての物語。 2003年に登場した文庫版では『沈黙/アビ…
ノベルス版と文庫版でタイトルが違う 2000年刊行作品。集英社としては珍しいノベルススタイルでの登場であった(当時)。この時点でのタイトルは『石ノ目』。乙一(おついち)作品としては、『夏と花火と私の死体』『天帝妖狐』に続く三作目。 石ノ目 作者:…
第八回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞作品 1996年刊行。第八回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。ちなみにこの年は大賞は該当無し。優秀賞の同時受賞作品が葉月賢の『アイランド』である。 作者の城戸光子(きどみつこ)は1952年生まれ。受賞…
南條竹則のデビュー作 1993年刊行作品。作者の南條竹則(なんじょうたけのり)は1958年生まれ。本作で第五回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞し、作家デビューを果たしている。 本業の英文学者(現在は作家専業だが)として数多くの翻訳書の実績…
森山光太郎の戦記ファンタジー 2021年刊行作品。筆者の森山光太郎(もりやまこうたろう)は1991年生まれ。2018年『火神子 天孫に抗いし者』で朝日時代小説大賞を受賞して作家デビュー。「隷王戦記」は全三巻の構想が示されており、本作はその第一巻となる。 …
ゲームとのメディアミックス作品 1995年刊行作品。メディアワークスのゲーム雑誌『電撃PCエンジン』の、1994年2月号 ~7月号にかけて連載された作品をまとめたもの。角川スニーカー文庫からの登場。イラストは赤井孝美(あかいたかみ)が担当している。 角川…
岡崎弘明の第二長編 1990年刊行作品。新潮社の第二回ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。この年は大賞は該当作なし。なお同時に、優秀賞を受賞した作品が、鈴木光司の『楽園』である。 作者の岡崎弘明(おかざきひろあき)は1960年生まれ。 商業誌デビ…
ファンタジー好きなら絶対読んで欲しい傑作 1999年刊行作品。作者の向山貴彦(むこうやまたかひこ)は1970年生まれの作家、翻訳家。残念ながら腎臓ガンのために、2018年に47歳の若さで亡くなられている。 本作のオリジナルとして、1997年に自主制作版(2,000…
「裏世界ピクニック」シリーズの第四弾 2019年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』『裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ』に続くシリーズ第四弾である。 おススメ度、こんな方におススメ…
ソノラマ文庫時代の小川一水作品 2004年刊行作品。 1996年に『まずは一報ポプラパレスより』でデビューした小川一水は、その後ゼロ年代の前半までは、朝日ソノラマのソノラマ文庫を主要な作品発表媒体としていた。本作はそのうちの一作である。 ハイウイング…
「裏世界ピクニック」シリーズの第三弾 2018年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』『裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト』に続くシリーズ第三弾である。 これまで1冊あたり4編を収録して来た「裏世界ピクニック」シリーズだ…
「裏世界ピクニック」シリーズの第二弾 2017年刊行作品。『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』に続くシリーズ第二弾である。 おススメ度、こんな方におススメ! おすすめ度:★★★(最大★5つ) ネット怪談好きの方。「きさらぎ駅」「姦姦蛇螺」「須…
森見登美彦のデビュー作 第15回の日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品。2003年刊行。今は説明の必要もないほどの人気作家、森見登美彦のデビュー作が本作だ。当時の森見登美彦は現役の京大生。在学中にこれほどの快作を書きあげていたとは恐るべしなの…
※2022/05/06追記 最終巻『後宮の烏7』の感想を書きました。 シリーズ累計80万部突破! 2020年刊行作品。『後宮の烏』『後宮の烏2』『後宮の烏3』『後宮の烏4』に続く、『後宮の烏』シリーズの五作目にあたる。 前巻の感想でシリーズ累計50万部突破!と書いた…
「錬金術」シリーズ二作目 2020年刊行作品。『錬金術師の密室』の続篇が早くも登場である。ライトノベル系の作家は筆が早いね。紺野天龍(こんのてんりゅう)としては四作目。 傍若無人な錬金術師テレサ・パラケルススと、彼女に振り回されるエミリア・シュヴ…
宮澤伊織作品がハヤカワ文庫に登場 2017年刊行作品。作者の宮澤伊織(みやざわいおり)は2011年の角川スニーカー文庫『僕の魔剣が、うるさい件について』がデビュー作。エスエフ、ライトノベル系のレーベルでの活躍を主としている作家である。 『裏世界ピク…
紺野天龍の第三作 2020年刊行作品。作者の紺野天龍(こんのてんりゅう)は2018年に電撃文庫の『ゼロの戦術師』でデビュー。2019年に同レーベルから『エンドレス・リセット』を上梓。 そして三作目が本作『錬金術師の密室』である。表紙イラストは桑島黎音が担…
映画化もされた児童文学の名作 ロアルド・ダール(Roald Dahl)は1916年生まれで、1990年に没したイギリスの作家。 第二次大戦中はイギリス空軍のパイロット。戦後は作家として活躍。1960年代からは児童文学にも進出。現在にまで読み継がれるような幾多もの作…
浅暮三文のデビュー作 1998年刊行作品。第8回のメフィスト賞受賞作である。 最近のメフィスト賞作品は、ソフトカバー形態で刊行されるケースが多い。しかし初期のメフィスト賞作品では、ノベルス形態で登場することが多かった。 ただ、本作に関してはそのい…
第13回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞 2001年刊行。第13回の日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作品。ちなみに大賞は『クロニカ』 粕谷知世(かすやちせ)が受賞している。 しゃばけ 作者:畠中 恵 メディア: 単行本 新潮文庫版は2004年に刊行。 し…
原岳人唯一の作品 1991年刊行作品。第三回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作。ちなみにこの年の、大賞は佐藤亜紀の『バルタザールの遍歴』である。 最終候補作には恩田陸の『六番目の小夜子』と沢村凛の『リフレイン』があがっており、両作は選に漏…
続篇グインサーガ17冊目! 2020年刊行作品。前回の146巻『雲雀とイリス』が2019年10月刊行だったので、147巻の登場は2020年の5月くらい?と予想していたのだが、ちょっと予想が外れた。刊行間隔としては9か月も空いてしまった。この執筆ペースだと2020年はこ…
高野史緒の三作目 1997年作品。著者の高野史緒(たかのふみお)は1966年生まれ。1995年に刊行された『ムジカ・マキーナ』が第6回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞し小説家としてデビュー。翌1996年に第二作である『カント・アンジェリコ』を上梓。 そ…